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水の大陸編
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トクトクトク...。
タクヤは丸いカップにお湯を注いでいる。
「3分ほど待ってね、そしたら出来るから」
料理なのだろうか?、ただお湯を入れただけに見えるが...。
彼は待てば出来ると言っているので、この3分間を利用して彼に話を聞いてみる。
「ねえ...、タクヤさん、この大陸の作物事情はどうなっているの?、海に潜っても魚はいないし、森を探しても食べられる物どころか動物すらいない...、これはおかしいですよね...」
彼は驚いたような表情で私を見てきた。
「驚いたな、その年でもう狩りをしているのか!、まあ他の大陸から来たのであれば、この大陸が不自然に感じてもおかしくはないか」
それぞれのカップにお湯を注ぎながら彼は答えてくれた。
「実は水の大陸は今大変なことになっているんだ、この大陸は発達しすぎた魔法技術の代償に大陸全土を魔素で汚染しているんだよね」
「魔素ってなんだ?」
相変わらずアホそうな声でマオが質問したが、彼は笑って答えてくれる。
「ハハッ、魔素っていうのは大陸中にある微量な魔力な塊で、そこから魔法を使う者もいるんだけど、水の大陸ではそれを利用して、誰でも魔法を使えるようになる魔道具を生産流通しているんだ」
そこまで言うといい事のように思えたが、彼の次の言葉でいい事だけではないと思った。
「でもね、大陸中にある魔力を無理に道具に転換しすぎた僕たちの大陸は、再生能力を失っていっているんだ、例えばだけど...、今もしもこの大陸で木を一本切り倒したら、もう二度とそこから木は生えてこないんだ」
「それって...」
私は息を飲んだ、この大陸の人たちは便利と引き換えに、自分達の住処を滅ぼしているのだ。
ならば、魔道具の生産を終わらせればいいのではと思うかもしれないが、そういうわけにも行かないらしい。
読者にわかりやすく言えば、車が排出するガスが地球に悪いからと言っても、乗る人が沢山いるようなものである。
それだけ魔道具とやらは重宝されているのだ。
お湯を作ったポッドや、他の大陸に流通している魔道具もほとんどはここで生産して輸出しているらしい。
大分先の話とは言え、いずれは資源が取れなくなるというのに、人間は身勝手だなと私は思った。
3分経ったので、丸カップの蓋を彼は取る。
「どうぞ、ただお湯を注いだ物が食べ物に早変わりさ」
フォークを突き刺して麺のような物を口に運ぶ彼を見ると、お腹が空いていたのを思い出した。
「いただきます」
マオと私は同時に麺をすすると、目を丸くした。
確かにお湯を3分入れただけにしては美味しくできている。
味もしっかりしていたので驚いていると、彼は笑っていた。
タクヤは丸いカップにお湯を注いでいる。
「3分ほど待ってね、そしたら出来るから」
料理なのだろうか?、ただお湯を入れただけに見えるが...。
彼は待てば出来ると言っているので、この3分間を利用して彼に話を聞いてみる。
「ねえ...、タクヤさん、この大陸の作物事情はどうなっているの?、海に潜っても魚はいないし、森を探しても食べられる物どころか動物すらいない...、これはおかしいですよね...」
彼は驚いたような表情で私を見てきた。
「驚いたな、その年でもう狩りをしているのか!、まあ他の大陸から来たのであれば、この大陸が不自然に感じてもおかしくはないか」
それぞれのカップにお湯を注ぎながら彼は答えてくれた。
「実は水の大陸は今大変なことになっているんだ、この大陸は発達しすぎた魔法技術の代償に大陸全土を魔素で汚染しているんだよね」
「魔素ってなんだ?」
相変わらずアホそうな声でマオが質問したが、彼は笑って答えてくれる。
「ハハッ、魔素っていうのは大陸中にある微量な魔力な塊で、そこから魔法を使う者もいるんだけど、水の大陸ではそれを利用して、誰でも魔法を使えるようになる魔道具を生産流通しているんだ」
そこまで言うといい事のように思えたが、彼の次の言葉でいい事だけではないと思った。
「でもね、大陸中にある魔力を無理に道具に転換しすぎた僕たちの大陸は、再生能力を失っていっているんだ、例えばだけど...、今もしもこの大陸で木を一本切り倒したら、もう二度とそこから木は生えてこないんだ」
「それって...」
私は息を飲んだ、この大陸の人たちは便利と引き換えに、自分達の住処を滅ぼしているのだ。
ならば、魔道具の生産を終わらせればいいのではと思うかもしれないが、そういうわけにも行かないらしい。
読者にわかりやすく言えば、車が排出するガスが地球に悪いからと言っても、乗る人が沢山いるようなものである。
それだけ魔道具とやらは重宝されているのだ。
お湯を作ったポッドや、他の大陸に流通している魔道具もほとんどはここで生産して輸出しているらしい。
大分先の話とは言え、いずれは資源が取れなくなるというのに、人間は身勝手だなと私は思った。
3分経ったので、丸カップの蓋を彼は取る。
「どうぞ、ただお湯を注いだ物が食べ物に早変わりさ」
フォークを突き刺して麺のような物を口に運ぶ彼を見ると、お腹が空いていたのを思い出した。
「いただきます」
マオと私は同時に麺をすすると、目を丸くした。
確かにお湯を3分入れただけにしては美味しくできている。
味もしっかりしていたので驚いていると、彼は笑っていた。
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