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〜脅威〜
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俺とツバキは競い合うように目標を倒していく。
結構な数がいたのだが、流石に1時間ぶっ通しで倒し続けていたのでだんだんと見かけなくなってきた。
2人とも息を切らしながら倒した数匹を答える。
「何匹倒した?」
「わかんないわよ...、途中から倒す事に夢中になって覚えてない...」
「へへん...俺は20匹は倒したぜ!」
「あっ!とりあえず適当に言って騙そうとしてるわね!、だったら私は40匹は倒したし!!」
「はぁ!?、なら俺は60匹だ!!」
いつになく熱くなる自分に気がついてハッとした。
相手はツバキだぞ?、なんで俺が熱くなる必要がある?。
なんとなく可笑しくなった俺はふと冷静に考えてみる。
横で彼女が騒いでいるのが鬱陶しいが今はそれよりもあの不信な村人の言動が気になっていたのだ。
なぜ俺の父さんに話を持ちかけてきたのかも疑問ではあるのだが、この程度の魔物を何故自分達で処理しないのか疑問に思っていると、ツバキの顔色が急に強張り俺の顔をみていたので聞いてみる。
「俺の顔に何かついているか?」
「タルト...、後ろ...」
震える指で俺の背後を指差してきたので振り返ってみると、そこには先ほどの魔物を数倍大きくしたような魔物がいた。
「なんだこいつは...!」
見た目こそあまり変わってはいないのだが、驚くべき場所はそこではなく大きさにあった。
成人した男性を遥かに上回る体積をもったそれは子供の脳にも直感的に伝わってくる。
勝てないと。
固まる彼女の腕を掴み俺は叫んだ。
「逃げるぞ!」
俺が駆け出そうしたのだが、彼女は驚き竦み上がっているので動けていなかった。
俺は舌打ちをしながら彼女の前に立ち短剣を構える。
勝てる気はしないが、タダで死ぬ気もない。
足の一本くらいとってやるさという意気込みをしながらしっかりと相手を睨む。
魔物は声を荒げながら星のアザから魔力のこもったツノを出現させた。
あれはあの種族の魔物が怒っている証拠だと聞いている。
正直これはまずい、俺は防御用の魔法なんて使った事もないので、攻撃用の魔法を使われるとなすすべなく殺されるだろう。
それを察した俺は先手を取る。
大きくなった分素早さは落ちていると踏んだのだが、それは大きな間違いだった。
大きくなった分、動きを少なくしたまま攻撃の距離が伸びていた事に気がつかなかった俺は視覚からの一撃を貰う。
小さい種の時には気にもしなかったが、この攻撃には一瞬魔力を帯びた部分が発生し攻撃範囲が増大するのだった。
魔法を帯びた部分が丁度俺の腹部に当たり吹き飛ばされる。
強烈な振動が全身を駆け巡った。
余りの痛みにのたうち回る俺だったが、こんな事をしている場合ではない。
なんとか立ち上がると再び剣を構えるが、小さい子供の体では立ち上がるのがやっとで意識すら失いそうである。
クラクラしている俺をみて勝ち誇ったかのような声を上げる魔物が魔法陣を描き出した。
ああ、これだったのか...、村人が自分たちで魔物を処理しない理由が今わかったような気がした。
大きな火球が生成されていく中、俺は棒立ちのままその攻撃を待つしかない。
どのみち動く力さえ残っていないので他にできる事も無いのだ。
諦めた俺はその場に跪き最後の時を待っていると、不意に影が俺の前に立った。
震える足で俺の前に立ち両手を広げている。
「ツバキ!?、何やってんだ!早く逃げろ!」
俺が決死の声で叫ぶが彼女は逃げない。
あんなに震えているのに逃げるような素振りすら見せる気配がない。
徐に俺の方を見た彼女の瞳には涙が溢れていた。
「ごめんねタルト...、こんな事しかできない私を許して...、タルト1人だったらきっと逃げ切れてたよね...、これじゃ足手まといだから最後くらいカッコつけさせてよ」
そう言いながらも本心では怖いことが丸わかりだ。
誰だって死ぬのは怖い...、なのに俺は前世で自殺した...。
くそっ!!、そんな事考えてる場合じゃ無い!!、なにか...この状況を打破できる作戦を考えろ俺!!。
その時!。
明らかに不自然な風が流れ、俺の瞳はそちらに向いた。
結構な数がいたのだが、流石に1時間ぶっ通しで倒し続けていたのでだんだんと見かけなくなってきた。
2人とも息を切らしながら倒した数匹を答える。
「何匹倒した?」
「わかんないわよ...、途中から倒す事に夢中になって覚えてない...」
「へへん...俺は20匹は倒したぜ!」
「あっ!とりあえず適当に言って騙そうとしてるわね!、だったら私は40匹は倒したし!!」
「はぁ!?、なら俺は60匹だ!!」
いつになく熱くなる自分に気がついてハッとした。
相手はツバキだぞ?、なんで俺が熱くなる必要がある?。
なんとなく可笑しくなった俺はふと冷静に考えてみる。
横で彼女が騒いでいるのが鬱陶しいが今はそれよりもあの不信な村人の言動が気になっていたのだ。
なぜ俺の父さんに話を持ちかけてきたのかも疑問ではあるのだが、この程度の魔物を何故自分達で処理しないのか疑問に思っていると、ツバキの顔色が急に強張り俺の顔をみていたので聞いてみる。
「俺の顔に何かついているか?」
「タルト...、後ろ...」
震える指で俺の背後を指差してきたので振り返ってみると、そこには先ほどの魔物を数倍大きくしたような魔物がいた。
「なんだこいつは...!」
見た目こそあまり変わってはいないのだが、驚くべき場所はそこではなく大きさにあった。
成人した男性を遥かに上回る体積をもったそれは子供の脳にも直感的に伝わってくる。
勝てないと。
固まる彼女の腕を掴み俺は叫んだ。
「逃げるぞ!」
俺が駆け出そうしたのだが、彼女は驚き竦み上がっているので動けていなかった。
俺は舌打ちをしながら彼女の前に立ち短剣を構える。
勝てる気はしないが、タダで死ぬ気もない。
足の一本くらいとってやるさという意気込みをしながらしっかりと相手を睨む。
魔物は声を荒げながら星のアザから魔力のこもったツノを出現させた。
あれはあの種族の魔物が怒っている証拠だと聞いている。
正直これはまずい、俺は防御用の魔法なんて使った事もないので、攻撃用の魔法を使われるとなすすべなく殺されるだろう。
それを察した俺は先手を取る。
大きくなった分素早さは落ちていると踏んだのだが、それは大きな間違いだった。
大きくなった分、動きを少なくしたまま攻撃の距離が伸びていた事に気がつかなかった俺は視覚からの一撃を貰う。
小さい種の時には気にもしなかったが、この攻撃には一瞬魔力を帯びた部分が発生し攻撃範囲が増大するのだった。
魔法を帯びた部分が丁度俺の腹部に当たり吹き飛ばされる。
強烈な振動が全身を駆け巡った。
余りの痛みにのたうち回る俺だったが、こんな事をしている場合ではない。
なんとか立ち上がると再び剣を構えるが、小さい子供の体では立ち上がるのがやっとで意識すら失いそうである。
クラクラしている俺をみて勝ち誇ったかのような声を上げる魔物が魔法陣を描き出した。
ああ、これだったのか...、村人が自分たちで魔物を処理しない理由が今わかったような気がした。
大きな火球が生成されていく中、俺は棒立ちのままその攻撃を待つしかない。
どのみち動く力さえ残っていないので他にできる事も無いのだ。
諦めた俺はその場に跪き最後の時を待っていると、不意に影が俺の前に立った。
震える足で俺の前に立ち両手を広げている。
「ツバキ!?、何やってんだ!早く逃げろ!」
俺が決死の声で叫ぶが彼女は逃げない。
あんなに震えているのに逃げるような素振りすら見せる気配がない。
徐に俺の方を見た彼女の瞳には涙が溢れていた。
「ごめんねタルト...、こんな事しかできない私を許して...、タルト1人だったらきっと逃げ切れてたよね...、これじゃ足手まといだから最後くらいカッコつけさせてよ」
そう言いながらも本心では怖いことが丸わかりだ。
誰だって死ぬのは怖い...、なのに俺は前世で自殺した...。
くそっ!!、そんな事考えてる場合じゃ無い!!、なにか...この状況を打破できる作戦を考えろ俺!!。
その時!。
明らかに不自然な風が流れ、俺の瞳はそちらに向いた。
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