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結美とデート③

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「ねぇねぇカズ君! この服とかどうかな!?」

 彼女の選んだ服は俺の目には眩しすぎる。

「おっ、そうだな。結美なら何着ても似合うんじゃないか?」

 俺の言葉に少しだけムスッとする。

「もう! そういう事が聞きたいんじゃないの! 私に何を着て欲しいのか言って欲しいんだよ!」

 そう言われてもなぁ...。

 服に無頓着な俺が何かいうのも悪いし...。

 あっそうだ。

「本格的に夏が来たら結城美のワンピース姿が見たいかもな。昔お前の白ワンピース姿を見て普通に可愛いと思ったわ」

「えっ!? 本当!?」

 ぐいぐい目を光らせて俺の方に寄ってくる結美。

「ちょっ! 結美近いって!」

「私のワンピース姿が可愛いって言ってくれたよね!? じゃあまた今度1番綺麗なワンピース着てくるね!」

「待てって、俺が見たいのは飾り気のない白のワンピースだぞ。結美は元が良いんだからそんなに飾る必要がないんだよ」

 ...。

 俺は何を言っているんだ? 普通に恥ずかしいことを言ってないか?

 そう思う俺だったが、どうやら結美は別の受け取り方をしていたようだ。

「元が良い? カズ君が私を元が良いって言ってくれたの?」

 なんか知らないが凄く嬉しそうにしている結美。

 まあ、恥ずかしいセリフを言ってしまった気がするが、結美が喜んでいるのでよしとしよう。
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