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強敵

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 空也が勢いのまま突っ込むが、やはり返り討ちに合う。

「ぐはっ!!」

「やっぱりこの程度の奴ら相手の二階堂は何で私を連れてきたのかね?」

 退屈凌ぎにもならないと大あくびをする奴の姿を見て俺は決心した。

「空也、やっぱりお前は結美を助けに言ってくれ!」

「えっ!? しかしそれでは高坂先輩が...!」

「いいから行け! 命令だ!」

「...はいっ!」

 彼が走るのと同時に女も彼に追いつく。

「行かせると思う?」

 彼女がそう言いながら拳を振り切った時だった。

「させません」

 突如として現れたラセルの攻撃にビビったのか飛び退く彼女。

「...」

「高坂和希様、前の失敗はここで返します」

 そう言いながら大剣を奴へと向けるラセル。

「ああ、頼んだぜ! ラセル!」

 今は周りに森虎はいない。

 であれば使い魔が使い放題と踏んでの行動だ。

 もしも現れた場合ラセルを戻すしか無くなって大ピンチになってしまうが、そこは賭けである。

(つまり速攻で倒せばいいって事だよな!?)

 そう割り切って俺はラセルに指示を出す。

「ラセル! 奴を倒せ!」

「任せてください!」

 そう言いながら大剣を振りかざそうとした時だった。

「グフっ♡ グフフ♡ 褐色金髪ツインテデカ武器娘来た~!!!」

 と奴が謎に喜んでいたのは。
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