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EX【破壊の超越者】⑧

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「そうだよね。こうされちゃったら接近戦を挑むしかないよね?」

 そう呟いた一香は詠唱をやめて俺たちの攻撃を真正面から受け止め始めた。

 家の剣撃を片手で受け止めたかと思えば、蜜香の方に一瞬で近づく。

「えっ!?」

 と驚く蜜香の左手の付け根を狙い剣を振り下ろした!

 ザシュッという肉の避ける音がしたかと思えば悲鳴が上がる。

「あああああああああ!!!」

 聞こえてくる蜜香の絶叫に俺は震えていた。

 その場に座り込む蜜香の額からは流れるように汗が溢れている。

 激痛に耐えかねた彼女は周りの目に木を配ることもなくこのような声を上げたのだろう。

 それを見ていた彼女はニヤリと笑いながらこう呟いた。

「腕が取れちゃった。でも私は悪くないよね? 邪魔をした上に弱いお姉ちゃんが悪いんだから」

 とだけ呟き俺たちの方を向いてくる。

「させない!」

 と俺の前にラセルが立ったのだが、それさえも無視して真菜を狙う。

「えっ!?」

 明らかに素早いスピードで真菜に蓮撃を加えると瞬く間に体勢を崩してしまう真菜。

「あっ!」

 と言いながら尻餅をついた時だった。

「足一本もらっていくね」

 と一香が呟きながら力技で足を引きちぎったのだ!

 その際にぶちぶちと言う肉の避ける音が聞こえてきてたので生々しいと感じずにはいられない。

「いやああああああ!!!」

 次の瞬間! 激痛のあまり無くなった足を抑えてその場で転げ回る真菜を見た俺は急いで神官兵に回復を求めた。

「神官兵! 真菜と蜜香の回復を急げ!!!」

 最早2人の戦線復帰は無理だろうが、それでも急いで治せばまだ欠損部位が引っ付く可能性はある。

「邪魔者は後1人...」

 とラセルを眺めてながらそう呟く一香の姿はまさしく【悪魔】だった。
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