上 下
639 / 912

ラグトの精鋭部隊②

しおりを挟む
 俺と結美の前で陣形を整えるラグトの精鋭部隊。

「第一陣前へ!」

 と言う言葉と共に剣や槍を持った連中が突撃してきたのだが...。

「まあまあカズ君、ここは私に任せてよ」

 と言いながら結美が一歩前に出て呪文を唱える。

「【プチ・ファイア】」

 プチ系は通常魔法よりも更に位階の低い魔法だ。

 主に魔法を覚えたての連中が魔法という物に触れるために最初に覚える事が多い魔法なのだが...。

 結美も指先から放たれた炎のつぶては一気に燃え広がりラグトの精鋭部隊を焼き払う!

「ぐあっ!!!」

「なんだこの魔法は!?」

「プチ系の威力じゃないぞ!」

 と言う声と共にスプリンクラーが作動するが、その程度の水では決して消えることはない。

「ふむ。もうちょっと強くした方がいいね。【ファイア】」

 結美はぎりぎり殺さない程度に痛めつけるつもりなのか徐々に魔法を強めて行くが、第二段階の通常魔法で奴らの前衛部隊は焼け死にそうになっている。

「医療班! 医療班!!!」

 と言う奴らの声と共に水魔法で消火が始まる。

「なんて奴らだ! これが『ボードゲーマーズ』か...」

「怯むな!!! 魔法斑準備! 今度は甘くないぞ!!! 放てぇ!!!」

【ファイア】【ウォーター】【アイス】【サンダー】【ウィンド】と言った通常魔法の上位版に値するメガ系統で攻撃してきたのだが...。

「【オメガ・ダーク】」

 と言う結美の更なる上位呪文に全て飲み込まれてしまうのだった。
しおりを挟む

処理中です...