上 下
837 / 912

エピローグ②

しおりを挟む
 ゲート探索を終えた私たちは戻ってくる。

「お疲れさま、小鳥遊さん」

「お疲れ様、愛川さん」

 私と愛川さんはお互いに挨拶を交わしながらゲート探索を終えると、すぐさま後輩たちが群がってくる。

「本日もお勤めご苦労様です!」

「ボードゲーム部の主力部隊としての活躍! 誠に見事ですね!」

「明日は私達と下位のゲートに行って鍛錬をつけてください!」

 そう後輩達に言われるのは嫌ではないが、こちらも疲れているのでそういうのは後にして欲しい。

「悪いな、うちのヒーラーは疲れているんだ。休ませてやってくれないか?」

 と佐藤君が言ってくれたおかげで後輩達は散って行った。

「ありがとう佐藤君」

「なぁに、例には及ばないさ」

 佐藤君は筋肉ダルマだけどかなり優しい。

 ゲートの外から来たアルシェちゃんと言う方と恋仲だとか...。

 私も恋の一つくらいしてみたいな。

 そう思っていると愛川さんからこんな事を言われた。

「ねぇ小鳥遊さん」

「なに?」

「あなたは私たちボードゲーム部の主力がもう1人いたとは思わないかしら?」

「...急になに? 私たちは5人で主力だったでしょ?」

「...そうよね。ごめんなさい。変な事を聞いて」

 そう言いながら後ろを向く彼女の笑みはどことなく邪悪だと感じるのでした。
しおりを挟む

処理中です...