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戻ろう...町に!
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「歩きながらでいいから聞いてくれ、プラム姉さんはどう思う?」
兄さんが歩きながらプラム先生に聞いています。
「さっき見た蚊のような魔物...、明らかに自然発生したとは考えにくい、外殻が魔法で強化されていた、自然に発生する魔物であんな魔法を使える奴はこの辺りにはいないはず...」
「と...いう事はやっぱり...」
2人だけでなにやら難しげな話を続けていますが、フレイ君がその話に割って入りました。
「先生、今は一刻も早く町に生徒達と戻るのが先決だと思います」
彼の言い分は正しい、私も兄さんが倒した蚊の魔物を見たが、あんなのがうようよしていると思うと一刻も早く町の中に戻りたくなってしまう。
皆のいる広場に戻ると、待ちくたびれて入る生徒達が首を長くした様子で私達を見てきた。
「カリンちゃん!大丈夫だった!?なかなか戻ってこないから心配したんだよ!」
リタが私の側に近づいてきて必死の形相で体を見回している。
「ちょっと怖いよリタ...」
余りにも顔が近かったので思わず手を前に出した。
「ごめん...でも本当に心配したんだからね!」
彼女の手が私に触れた時、じわっとした汗が濡れていたのがわかった。
この子はこの子で不安だったのが分かると、少し笑った。
「リタ、手汗すごいよ」
「あ...ごめん」
手を離して服で手汗を拭く仕草を見ると少し可愛く見える。
「ねえ、見たところフレイ君もトウマもいるみたいだし、早く帰ろうよ」
呑気にあくびをしているヤヨイに少しイラついたが、当然彼女はトウマとフレイ君がピンチだった事は知らないのでこの態度は仕方ない。
実際問題、予定していた時間よりも遅くなっている。
本当ならば、今頃学校について解散していてもおかしくない時間だ。
トウマとフレイ君の迷子から思ったより時間が経っていることに今更気がついた。
もう夕日が辺りを照らしていて、今日という日の終わりを示唆している。
「もうこんな時間なんだ...」
私は思わず呟いていた。
楽しいはずの遠足がまさかこんな形になるなんて思っても見なかったからだ。
今回は兄さんがいたからなんとかなったが、もしも兄さんがいなかったら確実に2人の命はなかっただろう。
帰り道を皆と歩きながらも、私は今日起きた事を繰り返し頭でシュミレーションする。
でも、何度今日を繰り返そうと私が彼らを止めれるビジョンが見えない。
結果を知っていれば止められるかもしれないが、そんな都合の良い能力を持てるのはライトノベルの世界だけだ。
ここは今の私にとって現実。
現実で何かを守りたいのであれば、自分が強くなるしかないのだ。
そう思った私は、先生に近寄りこう呟いた。
「私は、せめて友達を守れる位には強くなりたいです、先生これからもご指導の程お願いします」
私の熱意が伝わったかはわからないが、先生は静かに笑っていた。
兄さんが歩きながらプラム先生に聞いています。
「さっき見た蚊のような魔物...、明らかに自然発生したとは考えにくい、外殻が魔法で強化されていた、自然に発生する魔物であんな魔法を使える奴はこの辺りにはいないはず...」
「と...いう事はやっぱり...」
2人だけでなにやら難しげな話を続けていますが、フレイ君がその話に割って入りました。
「先生、今は一刻も早く町に生徒達と戻るのが先決だと思います」
彼の言い分は正しい、私も兄さんが倒した蚊の魔物を見たが、あんなのがうようよしていると思うと一刻も早く町の中に戻りたくなってしまう。
皆のいる広場に戻ると、待ちくたびれて入る生徒達が首を長くした様子で私達を見てきた。
「カリンちゃん!大丈夫だった!?なかなか戻ってこないから心配したんだよ!」
リタが私の側に近づいてきて必死の形相で体を見回している。
「ちょっと怖いよリタ...」
余りにも顔が近かったので思わず手を前に出した。
「ごめん...でも本当に心配したんだからね!」
彼女の手が私に触れた時、じわっとした汗が濡れていたのがわかった。
この子はこの子で不安だったのが分かると、少し笑った。
「リタ、手汗すごいよ」
「あ...ごめん」
手を離して服で手汗を拭く仕草を見ると少し可愛く見える。
「ねえ、見たところフレイ君もトウマもいるみたいだし、早く帰ろうよ」
呑気にあくびをしているヤヨイに少しイラついたが、当然彼女はトウマとフレイ君がピンチだった事は知らないのでこの態度は仕方ない。
実際問題、予定していた時間よりも遅くなっている。
本当ならば、今頃学校について解散していてもおかしくない時間だ。
トウマとフレイ君の迷子から思ったより時間が経っていることに今更気がついた。
もう夕日が辺りを照らしていて、今日という日の終わりを示唆している。
「もうこんな時間なんだ...」
私は思わず呟いていた。
楽しいはずの遠足がまさかこんな形になるなんて思っても見なかったからだ。
今回は兄さんがいたからなんとかなったが、もしも兄さんがいなかったら確実に2人の命はなかっただろう。
帰り道を皆と歩きながらも、私は今日起きた事を繰り返し頭でシュミレーションする。
でも、何度今日を繰り返そうと私が彼らを止めれるビジョンが見えない。
結果を知っていれば止められるかもしれないが、そんな都合の良い能力を持てるのはライトノベルの世界だけだ。
ここは今の私にとって現実。
現実で何かを守りたいのであれば、自分が強くなるしかないのだ。
そう思った私は、先生に近寄りこう呟いた。
「私は、せめて友達を守れる位には強くなりたいです、先生これからもご指導の程お願いします」
私の熱意が伝わったかはわからないが、先生は静かに笑っていた。
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