187 / 361
ローシュの真実
しおりを挟む
フゥとため息を吐いた俺は親父に聞く。
「どうして俺の居場所が分かったんだ?、あの時ミライの結界内に閉じ込められていたから外からは見えなかったと思うんだが...」
その問いに対して彼はこう答えた。
「ああそれなら普通に見えてたぞ、というか広間の中心に球体の様な物が浮かんでいたら普通調べるだろ?」
...。
(ミライって意外とアホなのか?、普通結界を展開した場合、その場所を隠すもんなんだが...、まあそのお陰で助かったけど...)
俺はハハッと間抜けな対戦相手を笑った。
...、いや...待てよ...、もしかしたら全て掌の上じゃなかったのか?。
俺は深く考え込む。
もしかして俺を餌に父さんか母さんかを釣って実力を見ておくとかが目的だったのかもしれない。
そう考えれば俺を相手にしてあれだけ戦闘を長引かせたのにも合点が行く。
ただ、聖人相手に一対一ではどうあがいても太刀打ち出来る物ではないとここに住む全人類が知っているはずなんだが...。
やっぱりただのアホなんじゃ...と考えずにはいられない。
無策では無かったとは言え、一対一で善戦できる者など同じ聖人でもなければ不可能だ。
もしくは...。
「親父」
「なんだ?」
「昔戦ったって言ってた魔神てどの位強かったんだ?」
「何を今更」
「俺はあの時別の所で戦ってたからな、魔神の恐ろしさを直に見ていた人に聞くのが1番早いと思ってな」
「なるほど、そう言う事なら教えてやろう」
親父はその場で腕を組み片手を頰に置いて話始めた。
「まあ、だいぶ昔の事で私もまだ若かったとは言え、私とエルカとレイン、つまり3聖人の力を集結してようやく倒せた難敵だったな」
「...、わかってちゃいたけどやっぱり魔神ってつぇぇんだな...」
「ふっ、今なら一対一でも負けはしないだろうが、できることなら3体1の状況を作り出して戦った方がいい難敵だとは言い切れるな」
親父にそこまで言わせる魔神には少し興味がある。
実際に力比べをして見たい所だが、ミライ相手にあのザマでは恐らく1分と持たないだろう。
俺がいくら強くなったとは言え、まだまだ親父の足元にも及ばないのだから...。
少し悔しくなって行く感情が止められなくなり床をバンっと蹴る。
「親父...」
「なんだローシュ」
「もう一度俺に稽古を付けてくれ」
「残念ながらそれは不可能だ」
それを聞くと無性に腹が立った。
「なんでだよ!、あの時からそうだ!、あの時からあんたは俺に一切剣を教えてくれなくなった!」
嫌な空気が辺りに立ち込めてくる。
「なんでなんだよ...、俺はもっと強くなりたいのに...」
「お前は充分に強くなったさ...、後は私たち“聖人”のやるべき事であり、お前は関わらなくていい」
その言葉を聞くと余計に怒りがこみ上げてきて、つい言葉に出してしまう。
「そうか...、つまりあんたは俺にこう言いたいんだな...」
眉を少し動かす親父。
「なんだ?」
「...、別に自分の子供じゃない奴に教える事はもうないって言いたいんだろ...」
「ローシュ...」
妙な雰囲気にしてしまった。
そう、俺は剣聖フォロスと賢聖エルカの本当の子供ではない。
見た目が妙に剣聖に似ていた事から、影武者の様に育て鍛えられたのが俺だ。
だが、この事に関しては別に怒っていない。
孤児だった俺に生きる意味と場所を提供してくれた事に関しては感謝している。
途中で剣の教えをしてくれなくなった事を除けばだが...。
悠久の魔女との戦いが終わると俺は影武者の任を解かれ自由にしても良いと言われたのだが、その時に言った事がある。
~俺を...、フォロスさんの息子にしてください...~
今思うと少しむず痒いが、当時の俺にとってそれは大願であり叶えたい願いに他ならなかった。
俺は居ても立ってもいられなくなり駆け出した。
「ローシュ!」
父さんが俺の名前を呼ぶ声がしたのだが止まる気は無い。
逃げる様に走り去る俺。
(かっこ悪いな俺...)
ただそれを心の中で呟くだけで心が錆びついて行くのを感じた。
「どうして俺の居場所が分かったんだ?、あの時ミライの結界内に閉じ込められていたから外からは見えなかったと思うんだが...」
その問いに対して彼はこう答えた。
「ああそれなら普通に見えてたぞ、というか広間の中心に球体の様な物が浮かんでいたら普通調べるだろ?」
...。
(ミライって意外とアホなのか?、普通結界を展開した場合、その場所を隠すもんなんだが...、まあそのお陰で助かったけど...)
俺はハハッと間抜けな対戦相手を笑った。
...、いや...待てよ...、もしかしたら全て掌の上じゃなかったのか?。
俺は深く考え込む。
もしかして俺を餌に父さんか母さんかを釣って実力を見ておくとかが目的だったのかもしれない。
そう考えれば俺を相手にしてあれだけ戦闘を長引かせたのにも合点が行く。
ただ、聖人相手に一対一ではどうあがいても太刀打ち出来る物ではないとここに住む全人類が知っているはずなんだが...。
やっぱりただのアホなんじゃ...と考えずにはいられない。
無策では無かったとは言え、一対一で善戦できる者など同じ聖人でもなければ不可能だ。
もしくは...。
「親父」
「なんだ?」
「昔戦ったって言ってた魔神てどの位強かったんだ?」
「何を今更」
「俺はあの時別の所で戦ってたからな、魔神の恐ろしさを直に見ていた人に聞くのが1番早いと思ってな」
「なるほど、そう言う事なら教えてやろう」
親父はその場で腕を組み片手を頰に置いて話始めた。
「まあ、だいぶ昔の事で私もまだ若かったとは言え、私とエルカとレイン、つまり3聖人の力を集結してようやく倒せた難敵だったな」
「...、わかってちゃいたけどやっぱり魔神ってつぇぇんだな...」
「ふっ、今なら一対一でも負けはしないだろうが、できることなら3体1の状況を作り出して戦った方がいい難敵だとは言い切れるな」
親父にそこまで言わせる魔神には少し興味がある。
実際に力比べをして見たい所だが、ミライ相手にあのザマでは恐らく1分と持たないだろう。
俺がいくら強くなったとは言え、まだまだ親父の足元にも及ばないのだから...。
少し悔しくなって行く感情が止められなくなり床をバンっと蹴る。
「親父...」
「なんだローシュ」
「もう一度俺に稽古を付けてくれ」
「残念ながらそれは不可能だ」
それを聞くと無性に腹が立った。
「なんでだよ!、あの時からそうだ!、あの時からあんたは俺に一切剣を教えてくれなくなった!」
嫌な空気が辺りに立ち込めてくる。
「なんでなんだよ...、俺はもっと強くなりたいのに...」
「お前は充分に強くなったさ...、後は私たち“聖人”のやるべき事であり、お前は関わらなくていい」
その言葉を聞くと余計に怒りがこみ上げてきて、つい言葉に出してしまう。
「そうか...、つまりあんたは俺にこう言いたいんだな...」
眉を少し動かす親父。
「なんだ?」
「...、別に自分の子供じゃない奴に教える事はもうないって言いたいんだろ...」
「ローシュ...」
妙な雰囲気にしてしまった。
そう、俺は剣聖フォロスと賢聖エルカの本当の子供ではない。
見た目が妙に剣聖に似ていた事から、影武者の様に育て鍛えられたのが俺だ。
だが、この事に関しては別に怒っていない。
孤児だった俺に生きる意味と場所を提供してくれた事に関しては感謝している。
途中で剣の教えをしてくれなくなった事を除けばだが...。
悠久の魔女との戦いが終わると俺は影武者の任を解かれ自由にしても良いと言われたのだが、その時に言った事がある。
~俺を...、フォロスさんの息子にしてください...~
今思うと少しむず痒いが、当時の俺にとってそれは大願であり叶えたい願いに他ならなかった。
俺は居ても立ってもいられなくなり駆け出した。
「ローシュ!」
父さんが俺の名前を呼ぶ声がしたのだが止まる気は無い。
逃げる様に走り去る俺。
(かっこ悪いな俺...)
ただそれを心の中で呟くだけで心が錆びついて行くのを感じた。
0
あなたにおすすめの小説
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しに満ちた気ままな旅の物語!
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
150年のりんご採取で異世界最強の大魔導士になった私は、林檎の聖女と讃えられ可愛い弟子たちと平和なスローライフを満喫します!
風戸輝斗
ファンタジー
「誰かのためにがんばれる子になりなさい」という母からの教えを忠実に守り過労死した降幡理央は、プリオリという若々しい少女となって魔法やモンスターが存在する異世界に転生する。
彼女が転移した地は「林檎の森」と呼ばれる(結界が張られているために世界からは隔絶されている)場所だった。
どれだけ採取しても底尽きることのないりんごであふれるその森で、プリオリはりんご採取の日々に明け暮れる。その間、彼女のスキルである【採取】が機能し、それによりりんごを採取するだけで経験値が入る。
そんな日々を150年繰り返し、プリオリは異世界最強の魔導士となる。
結界の存在を知らず異世界に存在する人間は自分ひとりだけだと思っていたプリオリだが、意図せず結界を壊したことで世界が拓け、人間と交流を育むようになる。
林檎の森が突如現れた謎の地であるため、そこに住んでいたプリオリは魔女だと恐れられ皇女から処刑宣告までされてしまうが、人間と魔族の争いに終止符を打つことで不信感は払拭される。そして、世界を救った林檎の聖女だと人間と魔族双方から讃えられるようになる。林檎の森の聖女様だから、林檎の聖女である。
こうしてはじまる林檎の聖女となったプリオリの新たなスローライフ。
ダンジョンの奥底で助けた謎の金色もふもふペットメープルとふたりで過ごす日常に、盗みたくないけど盗みを繰り返していた13歳の少女モカモカが弟子として加わり、魔族王妃の娘であり人類滅亡を悲願とする13歳の少女ギルティアも弟子として加わって……。
これは、異世界最強の魔導士である林檎の聖女様がスローライフを満喫しようとする物語。
あるいは、お師匠様として、お母さんとして、ふたりの少女を幸せに導こうと奮闘する物語。
※「小説家になろう」「カクヨム」様にもマルチ投稿しています。
精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~
舞
ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。
異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。
夢は優しい国づくり。
『くに、つくりますか?』
『あめのぬぼこ、ぐるぐる』
『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』
いや、それはもう過ぎてますから。
転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。
桜城恋詠
ファンタジー
聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。
異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。
彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。
迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。
「絶対、誰にも渡さない」
「君を深く愛している」
「あなたは私の、最愛の娘よ」
公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。
そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?
命乞いをしたって、もう遅い。
あなたたちは絶対に、許さないんだから!
☆ ☆ ☆
★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。
こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。
※9/28 誤字修正
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる