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とりあえず...、飯にするか!

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「こっちに親鳥肉一つ追加で!」

 お兄ちゃんが肉屋さんでそう叫びました。

(やっぱりお兄ちゃん食べ方綺麗だな~...、よしっ私も恥ずかしくないようにしないと...)

 エルシーさんもいるので余計に気合が入るのですが、やはり私はそこまで綺麗に食べられません。
 食べ終わる頃には口の周りが油まみれになってしまった所を皆に見られてしまい笑われます。
 笑われたことに恥ずかしさを得た私はすぐさま口を拭いて平気な顔をしますが、恥ずかしい事に変わりはありません。

「むぅ...」

 ちょっと怒った顔をしますが、別に怒ってはいません。
 ただ...、なかなかタネ明かししてくれないのでちょっとムッとしてるだけです。
 それを怒っていると言われればそれでお終いですが、私は怒っていません!。
 早く『ドッキリ!』と書かれた看板を母さん辺りが出してきてくれるのを期待して食事を進めます。

「カリン...」

「えっ...とエルシーさん何ですか?」

(そろそろタネ明かしかな!?)

 一応驚く準備をしておきます。

「エリサとはどうだったの?」

(いきなりその質問する!?)

「ああ~...えっと...」

 頭を掻きながら言葉を考える私。

(なんて言えばいいのかわからないんだけど!)

 勝手に一人で焦っていると...。

「すまなかった...」

 急に頭を下げられてなおの事焦る私。

「はっ...!?、えっ!?」

 テンパってしまい言葉が出ないでいると、彼女はゆっくりと顔を上げてこう呟きました。

「悪いとは思ったけど貴方の後をローシュと一緒に着けて見ていたの...、貴方は本当にエリサと仲が良かったんだよね...、すまないことをした...」

「いや...、エルシーさんが謝る事ないですよ!、結局エリサが悪いことしていたのは事実なんですよね?、私もこの耳でちゃんと聞きました、あの子が輪廻教徒だと自分の口で発言した事で私の中のモヤモヤも晴れたのでもう大丈夫です!」

 ビシッと決める私でしたが...。

「いや...そうじゃないんだカリン...、貴方とエリサは本当に仲の良い友達だったんだなっと思ってさ」

「あ...、まあ...」

 ああ...この人はそこに気負いを感じ、今こうして謝っているのか...と。
 そう思えば不思議とエルシーさんに対する怒りのようなものはほとんどなくなりました。

「大丈夫ですよ...、私...エリサとはもう友達やめたんで...」

 私がその言葉を出した時、彼女はなぜか気分がさらに落ち込んでいました。

「カリン...!、ごめんなさい...」

 その表情はとても苦しそうで、今にも涙を流し出しそうです...。

(出す言葉間違えたかな...?)

「あっ!でもエルシーさんがお兄ちゃんと付き合うんですよね!?、そしたらエルシーさんがエリサの代わりになってくれれば嬉しいかな~...なんて...」

 あははと笑いながらフォローを入れると、彼女は真剣な表情で私の顔を見てきました。

「ええ...、必ず...」

(なんか怖いんだけど!)

「ほらほら!カリンもエルシーもそんなしけた顔してないでどんどん食べようぜ!」

 こちらの気も知らないお兄ちゃんが笑う声にナイスを出す私!。

「あっ!そうだよね!とりあえず食べましょう!」

 なんとかこの暗い雰囲気から抜け出す私でしたが、彼女からくる寂しそうな視線が途絶える事はありませんでした。



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