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食人植物
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俺は昔戦争に出ていた事がある。
どこもかしこも酷い有様で、毎日が戦いの日々。
そんな中、出会ったのが彼女エレネアだった。
彼女は輪廻教徒のキメラとして、俺の仲間を大量に食い殺していた。
食い殺した死体は彼女の養分となり凄まじい表情をしたまま絶命して行ったのを今でも覚えている。
輪廻教徒との戦いが終わった時、彼女達キメラはその呪縛から解放され、自由の身となった者が多いが、所詮は知能のない者達が殆どで、それらが駆逐されていく中、エレネアのような知能あるキメラだけは母さんの計らいにより見逃される事となった。
俺は反対したのだが、戦いが終われば皆仲良くがモットーな母さんの主張には逆らえず、知能ある数体のキメラ達がクティル王国の地方へと散らばって行った。
そんな中、彼女エレネアが俺たち人間に呟いた言葉がある。
「私の...、本来送るはずだった私の人生を返してください...」
俺はこの言葉に思わず腹を立て叫んだ。
「お前が殺した俺の仲間だって同じ思いだったんだよ!」
と。
だが、そんな俺の言葉に怒りを覚えたのか、彼女は負けじと言い返してきた。
「私達だって!、あなた達人間に体を改造されてこんな姿になったのよ!、返してよ!私の人生を返してよ!!」
涙を流しながら訴えかける彼女だったが、当時の俺には全く響かない。
奴に何を言われようが、お前も俺の大切な仲間達を食い殺しただろう?。
その事実に変わりはないのである。
「ふざけんな!!!、お前が言っていい立場じゃないだろ!」
自分だけが犠牲者だとでもいいたいのか?、笑わせるな!。
戦争に勝つため、お互いの知力武力、そして兵器開発に明け暮れる毎日で皆疲弊していたのだろう。
俺が攻撃的な言葉を次々に投げかけていくと、それを母さんに止められ、こう呟きながら頭を下げる聖人。
「エレネアちゃん...、人類全員の代表として私こと賢聖エルカが謝罪します...、本当にごめんなさい」
深々と頭を下げる母さんを見ているとなんとも言えない表情にならざるおえない俺。
「母さん!こんな奴に謝る必要は...」
俺がそこまで言いかけると、母さんが俺の方を向いて威圧してきた。
(こんな母さんの表情は見たことがない)
その時の母さんの表上が明らかに怒っていて、俺を完全に黙らせるだけの凄みを感じた。
格上の威圧。
それは視線を合わせることもためらうほどの重圧。
俺はただ黙りこくり、彼女に謝罪した。
「...悪かったよ...言いすぎた」
だが、俺が謝ろうと彼女の心境が揺らぐはずがなく、以下のように述べる。
「あなた達人間には人としての心がないの?、謝って許される事じゃないよね?、勝手に人の体を化け物にしておいて、もういい...、私は人間が嫌い...、大っ嫌い!」
彼女の心からの叫びも、当時の俺には全く響かない。
寧ろ謝った俺に対し、その態度があまりにも感に触り、そちらに腹がたった俺は彼女を追いかけようとした。
「あっ、おい!」
俺は駆け出して行く彼女の手を取ろうとしたが、またもや母さんに阻害された。
「ローシュよしなさい、彼女の心は今壊れているの...、自分の意思ではなく他人の欲望の為に動かされ、大量の人を殺害してしまった事実を受け止めるにはそれ相応の時間と癒しが必要なのよ...、それはきっと戦争を知る私たちの世代ではできない事なの...」
物悲しそうな表情で俺を見やる母さんでしたが、それは遠回しに...。
「母さんのその言い方だと、今から生まれてくる後の世代に危険生物であるキメラを任せるって事かよ...、俺は反対だぜ...、あいつらは『今』処分しておかないと絶対に後悔する日が来る...」
俺の言葉を聞いた母さんは、俺の肩を持ちこう呟いた。
「今は母さんの言葉の意味が分からなくていい...、ただねローシュ、これだけは覚えておいて...、誰しもが貴方のように自分の意思で戦争に加担していた訳ではないという事に...」
優しい言葉使いでそう言われると俺でしたが、その心境は余りにも複雑でした。
(わかんねぇよ...、母さんの思想が思いが...、俺にはわかんねぇ...)
キメラという存在自体が許せない俺と、戦争の被害者全てを救おうとする母さんのぶつかり合いは、今でも続いているのだった...。
どこもかしこも酷い有様で、毎日が戦いの日々。
そんな中、出会ったのが彼女エレネアだった。
彼女は輪廻教徒のキメラとして、俺の仲間を大量に食い殺していた。
食い殺した死体は彼女の養分となり凄まじい表情をしたまま絶命して行ったのを今でも覚えている。
輪廻教徒との戦いが終わった時、彼女達キメラはその呪縛から解放され、自由の身となった者が多いが、所詮は知能のない者達が殆どで、それらが駆逐されていく中、エレネアのような知能あるキメラだけは母さんの計らいにより見逃される事となった。
俺は反対したのだが、戦いが終われば皆仲良くがモットーな母さんの主張には逆らえず、知能ある数体のキメラ達がクティル王国の地方へと散らばって行った。
そんな中、彼女エレネアが俺たち人間に呟いた言葉がある。
「私の...、本来送るはずだった私の人生を返してください...」
俺はこの言葉に思わず腹を立て叫んだ。
「お前が殺した俺の仲間だって同じ思いだったんだよ!」
と。
だが、そんな俺の言葉に怒りを覚えたのか、彼女は負けじと言い返してきた。
「私達だって!、あなた達人間に体を改造されてこんな姿になったのよ!、返してよ!私の人生を返してよ!!」
涙を流しながら訴えかける彼女だったが、当時の俺には全く響かない。
奴に何を言われようが、お前も俺の大切な仲間達を食い殺しただろう?。
その事実に変わりはないのである。
「ふざけんな!!!、お前が言っていい立場じゃないだろ!」
自分だけが犠牲者だとでもいいたいのか?、笑わせるな!。
戦争に勝つため、お互いの知力武力、そして兵器開発に明け暮れる毎日で皆疲弊していたのだろう。
俺が攻撃的な言葉を次々に投げかけていくと、それを母さんに止められ、こう呟きながら頭を下げる聖人。
「エレネアちゃん...、人類全員の代表として私こと賢聖エルカが謝罪します...、本当にごめんなさい」
深々と頭を下げる母さんを見ているとなんとも言えない表情にならざるおえない俺。
「母さん!こんな奴に謝る必要は...」
俺がそこまで言いかけると、母さんが俺の方を向いて威圧してきた。
(こんな母さんの表情は見たことがない)
その時の母さんの表上が明らかに怒っていて、俺を完全に黙らせるだけの凄みを感じた。
格上の威圧。
それは視線を合わせることもためらうほどの重圧。
俺はただ黙りこくり、彼女に謝罪した。
「...悪かったよ...言いすぎた」
だが、俺が謝ろうと彼女の心境が揺らぐはずがなく、以下のように述べる。
「あなた達人間には人としての心がないの?、謝って許される事じゃないよね?、勝手に人の体を化け物にしておいて、もういい...、私は人間が嫌い...、大っ嫌い!」
彼女の心からの叫びも、当時の俺には全く響かない。
寧ろ謝った俺に対し、その態度があまりにも感に触り、そちらに腹がたった俺は彼女を追いかけようとした。
「あっ、おい!」
俺は駆け出して行く彼女の手を取ろうとしたが、またもや母さんに阻害された。
「ローシュよしなさい、彼女の心は今壊れているの...、自分の意思ではなく他人の欲望の為に動かされ、大量の人を殺害してしまった事実を受け止めるにはそれ相応の時間と癒しが必要なのよ...、それはきっと戦争を知る私たちの世代ではできない事なの...」
物悲しそうな表情で俺を見やる母さんでしたが、それは遠回しに...。
「母さんのその言い方だと、今から生まれてくる後の世代に危険生物であるキメラを任せるって事かよ...、俺は反対だぜ...、あいつらは『今』処分しておかないと絶対に後悔する日が来る...」
俺の言葉を聞いた母さんは、俺の肩を持ちこう呟いた。
「今は母さんの言葉の意味が分からなくていい...、ただねローシュ、これだけは覚えておいて...、誰しもが貴方のように自分の意思で戦争に加担していた訳ではないという事に...」
優しい言葉使いでそう言われると俺でしたが、その心境は余りにも複雑でした。
(わかんねぇよ...、母さんの思想が思いが...、俺にはわかんねぇ...)
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