6 / 9
十四才 夏 吾がぁ月にどないされても構へんよ。
しおりを挟む
前の軍議から四日が経った。
カンカン照りの中、月丸は巻き藁に木刀を打ち込んでいた。叩く音が庭に響く。汗が額を伝い、目に染み入る。
「ふう」
前髪をかきあげて一息つく。
月丸は休憩することにした。木刀を置いて、木陰の方へ向かう。そこには、湧水を引き込んだ溜め井があった。その水を月丸は頭から被って、体を冷やした。
夏はまだ始まったばかりである。木漏れ日の向こうから、油蟬の鳴き声が聞こえた。
苔生した石の上に腰掛ける。水が滴って、毛先に水滴ができる。
「月は男前やな」
不意に後ろから声が聞こえた。振り向くと、千草が立っている。
「なんや」
怪訝な顔をして答える月丸。その目は、千草と合わないよう泳いでいた。
「吾がも涼みに来たんや」
「ほうか。そんわりには涼しそうな顔しとるけどな」
「へへ」
千草は笑って月丸の横に座り込んだ。
「屋敷おったら喧しゅうてしゃあない。せやかて外おったら暑いからな」
突然の接近にどきりとする。腰と腰が、着物越しに触れ合っていた。互いの体温すら分かるほどだった。
「なあ、月はいつからここおるん」
「え、」
「紀州の人違うやろ。京か」
「……河内の北や。ここに来たんは二年前」
「へえ……」
「……」
「鹿鳴瀬殿はええ人か」
「……うん。心底、感謝しとる」
「ほうけ。吾がは山鍋家に仕えとる家の出でな。忠誠の証なんやと。嫁がせる娘が水尾家に生まれんかったから、代わりに長男の吾がぁ山鍋殿んとこに遣られた」
月丸はふと、山鍋と千草の夜を覗いてしまったことを思い出した。
「猛景殿は怖いとこもあるけど根は優しい人や。吾がぁ、定められた主君であること以上に、猛景殿を好いとる」
蝉の声。忙しない足音。
「……」
言葉が出ない。月丸には、何を言えば良いのか分からなかった。
「こんなん……言うたん初めてやけどな。月には、その、……色々見られてもうたからな」
今でも鮮明に思い出せる。千草の白い肌に食い込む赤い縄が。
語るにはあまりに強い感情が、膠のように重苦しい空気を作る。静かだった水面が、大きく揺らぐような眩暈を覚えた。
「……せやから言うて……、誰かてあないなことするもんでもない思うけどな……」
乾いた喉で、答えをひり出す。それは、どこか自傷的な面もあり、また千草もそれに気づいた。
「ほな」
千草は、月丸に肩を寄せ、顔を近づけ、問うた。
「月はなんで村正殿に身体許したんや」
それは、月丸が口籠った言葉への返しとしては、あまりにも明け透けすぎた。
月丸は千草のさらなる接近にどきりとした。そしてすぐに、村正との関係を知られていることに焦り身を引いた。
「なっ……なんで」
「何人も見とったら分かる。手を出した主君、惚れとる小姓」
引いた月丸の身体を、背中に回された千草の腕が引き寄せる。
「月の顔は分かりやすい。のう」
そう言われて初めて、月丸は千草と目を合わせた。改めて千草の顔を見る。
切れるような上目蓋に長い睫毛が揃って生えていて、その中に猫のような栗色の瞳が輝く。小さな鼻、幼い唇、それらには間違いなく美しさが含まれている。月丸と同い年であるのに、なぜか少し大人びていて、綺麗な長髪が似合う顔立ちであった。
千草は目を細めて笑う。月の掌の上に、千草の手が重ねられる。
違う、違う、「違、違うっ」
月丸は思わず手を引っ込める。
「何も違わん。月は、好色者や」
「……っ」
払い除けられた千草の手が、今度は月丸の腿に添えられる。千草はさらに身を寄せた。
「ほんまは淫らなくせに」
耳元で囁く。
「吾がぁ月にどないされても構へんよ」
温かい呼気が月丸の耳に掛かる。
月丸には、どっどっどっ、という自分の心臓の鳴る音が聴こえた。呼吸の音もいつもよりうるさい気がする。
つい、手が千草の二の腕に伸びる。触れた薄い着物の下には月丸と同じか、それよりも細い身体がある。月丸はしばらく、そうして千草の身体に、布越しではあるが触れ続けた。
それに応えるように、月丸の膝に添えられた千草の手は、腿を撫ぜる。その指は、着物の合わせの隙間に入り、夏ゆえにその直下にあった素肌に触れる。
内腿の薄い皮の下に流れる血を、千草は掌に感じた。それを擦ると、月丸は面白いくらいに声を漏らし、身体を震わせた。二の腕を握る手に力が入る。
千草の指は、内腿を沿って下帯(現代の六尺褌)に触れる。布の中に、硬くなったまらがあった。それは、猛景の男根よりもずうと小さかったが、下帯の中で精一杯張り詰めていた。
千草はそれを、布越しに掻いた。
かり、かり、かり……。次第に先走り汁が溢れて濡れてくる。月丸は陰茎への快楽に耐えられず、千草の肩に顔を埋めた。肌は赤くなり、全身から発汗し、喉からか細い喘ぎ声を上げた。
「ちぐさ……待っ……」
快楽に悶えながら、必死に訴えかけようとする月丸だが、言葉にならない。
「うっ……うう」
肩の中でうめき声が漏れる。
「なあ、なんで……」
月丸は、頬を紅潮させ、涙目で顔を上げる。
涙と鼻水で濡れたその面に、千草は唐突に顔を近づけ──
唇と唇が優しく触れ合う。
「っ……」
目を見開く月丸。
身体を引こうとするが、後頭部に回された千草の腕がそれを許さない。
不意の接吻。混乱する頭をさらにかき乱すように、月丸の口内に舌が侵入する。それと呼応するように、陰茎への責めはさらに強くなる。
月丸は必死に千草へしがみつきながら、足をじたばたさせて身悶えた。
暫くの間、溜井には蝉の声のほか、粘り気のある水音、くぐもったうめき声が鳴り続けた。
「ぷはぁ……」
ようやく、千草は唇を離す。千草の舌と、まさに犯されていた月の唇の間に唾液の橋が架かる。
「ひっ……うん……っ、ぁあっ」
口が解放されてもなお、陰茎を苛める手は止まらない。月丸は未だ言葉にならぬ声を上げる。
「こんなことにしてもうてごめんなぁ」
千草は月丸の耳元でそう囁く。下帯には先走りが溢れ、千草の指と糸を引いていた。
「責任取るから堪忍やで」
「ん……っ。せき……にん……?」
涙で光る瞳を上げて、月丸は尋ねた。
「ほうや。出してまわんと辛いやろ」
「ん、んぅ……」
月丸の弱々しい返事を聞いて、千草の目は笑うように細くなる。
「手と──」
陰茎を苛める動きが一層激しくなる。
「口と」
湿っぽい唇が真っ赤になった月丸の耳に触れる。
「どっちしかええ」
「……~~っ」
耳にかかる吐息が鼓膜を強く震わせ、何倍にも膨らんだ刺激が頭の中で火花のように散る。
「く……──」
「口?」
言い淀んだ月丸の言葉を千草が継いで、月丸は必死な顔で小さく頷いた。
「正直で偉いのぅ」
月丸の頭を撫でて、千草はそう言った。
彼は腰を浮かせ、そして石に腰掛ける月丸の前に屈み込んだ。千草の腕を掴んでいた月丸の両手は、名残惜しそうに離れた。
「ほうれ。見せてみい」
乱れた着物の間から、山を張った下帯を覗く。その頂点はすっかり染みを作って濡れてしまっている。近づいた千草の鼻腔を、少し饐えたような、汗と、垢と、幼さの臭いが擽る。
すんすんと執拗に臭いを吸う千草の頭に、月丸は羞恥心から押し退けようと両手を載せるが、千草は暫くそのまま退こうとはしなかった。
殿とは違う……匂いも、形も。確かめるように鼻を押し当てる。
「千草……もうあかん……」
そう言われて、顔を上げる。涙で顔を濡らした月丸がいた。
「しゃあないのう」
千草は月丸の腰に手を回して、下帯の捻じりを解いた。月丸が一つも抵抗しなかったため、拍子抜けするほど簡単に、股間を覆う下帯は剥がされていった。
露わになる月丸の陰茎。外された布と鈴口の間に、透明な糸が引く。それは、親指ほどの大きさで、勃起しても皮を被っていた。頬のように透き通った血色の良い桃色は、まだ何にも使われていないことの象徴のように思われた。陰毛がなく、睾丸袋は瑞々しく張りがあったこともまた、月丸の男根が未熟であることを際立たせた。
その、小さな陰茎を包み込むように、千草のこれまた小さな舌が伸びる。棒の先端、半ばと舌が這い、口の中にすっぽり収まってしまう。猛景殿のものは、亀頭を口に含むだけでも大変やのに、と千草は思う。
余裕な、ともすれば退屈そうに咥える千草とは対照的に、月丸は初めて得る快感に顔を歪ませていた。まだ咥えられただけなのに、口の熱と唾液のぬめりと舌の圧迫感に、月丸の身体は達してしまいそうだった。
口腔内で、千草の舌は包皮の中に侵入する。はじめ、鈴口を擦った舌先は、皮と亀頭の隙間に入り込み、貼りついたそれらを剥がすように動く。
「千草……っ。もう出してまいそうやっ──」
千草の頭にしがみついて言う。
「おう、ええよ」
咥えたまま返事をすると、千草は舌をさらに速く動かし始めた。
「あっちぐっ──やめ……っ」
「出して」
じゅぶ、じゅぶ。粘り気のある水音が空間を占める。
「あぁ……もう……っあかっ──」
ぎゅうと千草の髪を握り、月丸は吐精した。とくとくと、精液が滲み出る。
「はあ、はあ」
息を荒げながら、月丸は身体を震わせる。精液とともに、下半身から力が抜けていくのを感じた。
千草は口に出された汁を、啜って、飲み込んだ。薄く、少ないものだったが、月丸を果てさせた満足感に酔いしれていた。
「え……」
「ん……っぐ……。なんや」
千草はまた喉を鳴らして、月丸の目を見る。
「の……飲んだん」
「おん、せっかく口に出してもろたんやからな。……んっ……せやけどまだほん少し喉に引っかかっとるわ」
「みっ水は……」
月丸は慌てて溜井の水を掬う。
「飲ませてくれるか──」
そう言って、千草は月丸の手から水を啜った。
「ん……」
「おおきに」
膝をついて水を飲む千草の背中は、少し猫のように見えた。
カンカン照りの中、月丸は巻き藁に木刀を打ち込んでいた。叩く音が庭に響く。汗が額を伝い、目に染み入る。
「ふう」
前髪をかきあげて一息つく。
月丸は休憩することにした。木刀を置いて、木陰の方へ向かう。そこには、湧水を引き込んだ溜め井があった。その水を月丸は頭から被って、体を冷やした。
夏はまだ始まったばかりである。木漏れ日の向こうから、油蟬の鳴き声が聞こえた。
苔生した石の上に腰掛ける。水が滴って、毛先に水滴ができる。
「月は男前やな」
不意に後ろから声が聞こえた。振り向くと、千草が立っている。
「なんや」
怪訝な顔をして答える月丸。その目は、千草と合わないよう泳いでいた。
「吾がも涼みに来たんや」
「ほうか。そんわりには涼しそうな顔しとるけどな」
「へへ」
千草は笑って月丸の横に座り込んだ。
「屋敷おったら喧しゅうてしゃあない。せやかて外おったら暑いからな」
突然の接近にどきりとする。腰と腰が、着物越しに触れ合っていた。互いの体温すら分かるほどだった。
「なあ、月はいつからここおるん」
「え、」
「紀州の人違うやろ。京か」
「……河内の北や。ここに来たんは二年前」
「へえ……」
「……」
「鹿鳴瀬殿はええ人か」
「……うん。心底、感謝しとる」
「ほうけ。吾がは山鍋家に仕えとる家の出でな。忠誠の証なんやと。嫁がせる娘が水尾家に生まれんかったから、代わりに長男の吾がぁ山鍋殿んとこに遣られた」
月丸はふと、山鍋と千草の夜を覗いてしまったことを思い出した。
「猛景殿は怖いとこもあるけど根は優しい人や。吾がぁ、定められた主君であること以上に、猛景殿を好いとる」
蝉の声。忙しない足音。
「……」
言葉が出ない。月丸には、何を言えば良いのか分からなかった。
「こんなん……言うたん初めてやけどな。月には、その、……色々見られてもうたからな」
今でも鮮明に思い出せる。千草の白い肌に食い込む赤い縄が。
語るにはあまりに強い感情が、膠のように重苦しい空気を作る。静かだった水面が、大きく揺らぐような眩暈を覚えた。
「……せやから言うて……、誰かてあないなことするもんでもない思うけどな……」
乾いた喉で、答えをひり出す。それは、どこか自傷的な面もあり、また千草もそれに気づいた。
「ほな」
千草は、月丸に肩を寄せ、顔を近づけ、問うた。
「月はなんで村正殿に身体許したんや」
それは、月丸が口籠った言葉への返しとしては、あまりにも明け透けすぎた。
月丸は千草のさらなる接近にどきりとした。そしてすぐに、村正との関係を知られていることに焦り身を引いた。
「なっ……なんで」
「何人も見とったら分かる。手を出した主君、惚れとる小姓」
引いた月丸の身体を、背中に回された千草の腕が引き寄せる。
「月の顔は分かりやすい。のう」
そう言われて初めて、月丸は千草と目を合わせた。改めて千草の顔を見る。
切れるような上目蓋に長い睫毛が揃って生えていて、その中に猫のような栗色の瞳が輝く。小さな鼻、幼い唇、それらには間違いなく美しさが含まれている。月丸と同い年であるのに、なぜか少し大人びていて、綺麗な長髪が似合う顔立ちであった。
千草は目を細めて笑う。月の掌の上に、千草の手が重ねられる。
違う、違う、「違、違うっ」
月丸は思わず手を引っ込める。
「何も違わん。月は、好色者や」
「……っ」
払い除けられた千草の手が、今度は月丸の腿に添えられる。千草はさらに身を寄せた。
「ほんまは淫らなくせに」
耳元で囁く。
「吾がぁ月にどないされても構へんよ」
温かい呼気が月丸の耳に掛かる。
月丸には、どっどっどっ、という自分の心臓の鳴る音が聴こえた。呼吸の音もいつもよりうるさい気がする。
つい、手が千草の二の腕に伸びる。触れた薄い着物の下には月丸と同じか、それよりも細い身体がある。月丸はしばらく、そうして千草の身体に、布越しではあるが触れ続けた。
それに応えるように、月丸の膝に添えられた千草の手は、腿を撫ぜる。その指は、着物の合わせの隙間に入り、夏ゆえにその直下にあった素肌に触れる。
内腿の薄い皮の下に流れる血を、千草は掌に感じた。それを擦ると、月丸は面白いくらいに声を漏らし、身体を震わせた。二の腕を握る手に力が入る。
千草の指は、内腿を沿って下帯(現代の六尺褌)に触れる。布の中に、硬くなったまらがあった。それは、猛景の男根よりもずうと小さかったが、下帯の中で精一杯張り詰めていた。
千草はそれを、布越しに掻いた。
かり、かり、かり……。次第に先走り汁が溢れて濡れてくる。月丸は陰茎への快楽に耐えられず、千草の肩に顔を埋めた。肌は赤くなり、全身から発汗し、喉からか細い喘ぎ声を上げた。
「ちぐさ……待っ……」
快楽に悶えながら、必死に訴えかけようとする月丸だが、言葉にならない。
「うっ……うう」
肩の中でうめき声が漏れる。
「なあ、なんで……」
月丸は、頬を紅潮させ、涙目で顔を上げる。
涙と鼻水で濡れたその面に、千草は唐突に顔を近づけ──
唇と唇が優しく触れ合う。
「っ……」
目を見開く月丸。
身体を引こうとするが、後頭部に回された千草の腕がそれを許さない。
不意の接吻。混乱する頭をさらにかき乱すように、月丸の口内に舌が侵入する。それと呼応するように、陰茎への責めはさらに強くなる。
月丸は必死に千草へしがみつきながら、足をじたばたさせて身悶えた。
暫くの間、溜井には蝉の声のほか、粘り気のある水音、くぐもったうめき声が鳴り続けた。
「ぷはぁ……」
ようやく、千草は唇を離す。千草の舌と、まさに犯されていた月の唇の間に唾液の橋が架かる。
「ひっ……うん……っ、ぁあっ」
口が解放されてもなお、陰茎を苛める手は止まらない。月丸は未だ言葉にならぬ声を上げる。
「こんなことにしてもうてごめんなぁ」
千草は月丸の耳元でそう囁く。下帯には先走りが溢れ、千草の指と糸を引いていた。
「責任取るから堪忍やで」
「ん……っ。せき……にん……?」
涙で光る瞳を上げて、月丸は尋ねた。
「ほうや。出してまわんと辛いやろ」
「ん、んぅ……」
月丸の弱々しい返事を聞いて、千草の目は笑うように細くなる。
「手と──」
陰茎を苛める動きが一層激しくなる。
「口と」
湿っぽい唇が真っ赤になった月丸の耳に触れる。
「どっちしかええ」
「……~~っ」
耳にかかる吐息が鼓膜を強く震わせ、何倍にも膨らんだ刺激が頭の中で火花のように散る。
「く……──」
「口?」
言い淀んだ月丸の言葉を千草が継いで、月丸は必死な顔で小さく頷いた。
「正直で偉いのぅ」
月丸の頭を撫でて、千草はそう言った。
彼は腰を浮かせ、そして石に腰掛ける月丸の前に屈み込んだ。千草の腕を掴んでいた月丸の両手は、名残惜しそうに離れた。
「ほうれ。見せてみい」
乱れた着物の間から、山を張った下帯を覗く。その頂点はすっかり染みを作って濡れてしまっている。近づいた千草の鼻腔を、少し饐えたような、汗と、垢と、幼さの臭いが擽る。
すんすんと執拗に臭いを吸う千草の頭に、月丸は羞恥心から押し退けようと両手を載せるが、千草は暫くそのまま退こうとはしなかった。
殿とは違う……匂いも、形も。確かめるように鼻を押し当てる。
「千草……もうあかん……」
そう言われて、顔を上げる。涙で顔を濡らした月丸がいた。
「しゃあないのう」
千草は月丸の腰に手を回して、下帯の捻じりを解いた。月丸が一つも抵抗しなかったため、拍子抜けするほど簡単に、股間を覆う下帯は剥がされていった。
露わになる月丸の陰茎。外された布と鈴口の間に、透明な糸が引く。それは、親指ほどの大きさで、勃起しても皮を被っていた。頬のように透き通った血色の良い桃色は、まだ何にも使われていないことの象徴のように思われた。陰毛がなく、睾丸袋は瑞々しく張りがあったこともまた、月丸の男根が未熟であることを際立たせた。
その、小さな陰茎を包み込むように、千草のこれまた小さな舌が伸びる。棒の先端、半ばと舌が這い、口の中にすっぽり収まってしまう。猛景殿のものは、亀頭を口に含むだけでも大変やのに、と千草は思う。
余裕な、ともすれば退屈そうに咥える千草とは対照的に、月丸は初めて得る快感に顔を歪ませていた。まだ咥えられただけなのに、口の熱と唾液のぬめりと舌の圧迫感に、月丸の身体は達してしまいそうだった。
口腔内で、千草の舌は包皮の中に侵入する。はじめ、鈴口を擦った舌先は、皮と亀頭の隙間に入り込み、貼りついたそれらを剥がすように動く。
「千草……っ。もう出してまいそうやっ──」
千草の頭にしがみついて言う。
「おう、ええよ」
咥えたまま返事をすると、千草は舌をさらに速く動かし始めた。
「あっちぐっ──やめ……っ」
「出して」
じゅぶ、じゅぶ。粘り気のある水音が空間を占める。
「あぁ……もう……っあかっ──」
ぎゅうと千草の髪を握り、月丸は吐精した。とくとくと、精液が滲み出る。
「はあ、はあ」
息を荒げながら、月丸は身体を震わせる。精液とともに、下半身から力が抜けていくのを感じた。
千草は口に出された汁を、啜って、飲み込んだ。薄く、少ないものだったが、月丸を果てさせた満足感に酔いしれていた。
「え……」
「ん……っぐ……。なんや」
千草はまた喉を鳴らして、月丸の目を見る。
「の……飲んだん」
「おん、せっかく口に出してもろたんやからな。……んっ……せやけどまだほん少し喉に引っかかっとるわ」
「みっ水は……」
月丸は慌てて溜井の水を掬う。
「飲ませてくれるか──」
そう言って、千草は月丸の手から水を啜った。
「ん……」
「おおきに」
膝をついて水を飲む千草の背中は、少し猫のように見えた。
0
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる