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白い追憶 野乃花のケース
ホントにユーレイじゃないよね?
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それから、シロちゃんは時折病院の庭に現れるようになった。
相変わらず何も言ってくれないし、私が話している途中に何処かへ行ってしまうのだけど、歳の近い話し相手が増えるのは純粋に嬉しかった。ほら、病院に入院してるのって、基本的におじいちゃんおばあちゃんだし。
そんな、ある日の事だった。
「先生、私そろそろまた学校に行きたいです」
診察を終えた私は、主治医の先生にお願いをしてみた。幸世の話を聞いてから、私もこの目で外の世界を体験したい、という想いがいよいよ抑えられなくなってきていたのだ。
先生は少し唸った後、こう返してくれた。
「そうだね、それもいいかもしれない」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、最近よく外に出歩いているようだし、体の調子も良さそうだから様子を見ながらになるけど、それでもいいかな?」
「もちろんです!」
「よし、分かった。ご両親には私から相談しておくよ」
「ありがとうございます!」
「はは、あまりはしゃぎ過ぎたらダメだよ?」
そう言われても、私は舞い上がらずにはいられなかった。やったやった! 学校に行くのなんていつぶりだろう? 夏休みに行ったきりだったから、半年ぶりかな? とにかく、また"学校で"皆に会えることが、私は嬉しかった。
父と母には先生から話してくれるとの事だったので、私はいの一番に幸世にこのことを話した。
『本当に!? いつ!? いつ来るの!?』
『まだ分かんないけど、近いうちに行くよ!!』
『そっか! また分かったら教えてね! 絶対だよ!!』
『うん、約束する!』
『よろしく...。野乃花、良かったね。本当に...グスッ...』
幸世は電話越しで泣いていた。幸世は本当に良い子だ。幸世のような友人を持てて私は本当に幸せだと思う。私も、つられて少し泣いてしまった。
◇
それからまた数日経ち、学校に行く日取りが決まった。阿瀬比さんにもそのことを話すと、「これからは私の仕事が減っちゃうかもねぇ」と言ってわっはっはと笑っていた。
そして、もうひとり話したい人がいたので、病院の庭に来てみたのだが…。
「おーい。シロちゃーん。おーい」
あの真っ白なシルエットはどこにも見当たらない。おかしいなぁ。いつもなら、この時間は大体いるんだけど。探しても見つからないのでベンチに座ってみるも、待てども暮らせどもシロちゃんはやって来ない。そうしているといよいよ空が赤く染まってきたので、病室に戻ることにした。
もちろん毎日毎日会えるわけではないけど、何かあったのだろうか。連絡を取ろうにも、シロちゃんはまだ子供だし、普段どこにいるのかも知らない。
そういえば、私ってシロちゃんの事、何にも知らないなぁ。
ここに入院しているのか、誰かの付き添いなのか、職員さんの連れ子なのか、にしてもあれだけ特徴的な子なら誰か知っていてもおかしくないはずなのに、シロちゃんの事を知る人は誰もいなかった。
『それ...本当に生身の子供だったのかなぁ...?』
『ねぇ、その子、足が透明だったりしなかった?』
看護師さん達の言葉を思い出して、身震いする。そういえば、幸世が持ってきた本にもそんな話があったような………。いやいやいやいや!
私はぶんぶんと頭を左右に振る。
私ももう長く病院で過ごしてきたけれど、そういう類のものを見たり、体験したことはなかった。ましてやあんなに話をしたり、触れ合ったりした子が、そんなはずは…ない! そう!! 絶対!!
シロちゃんに関しては、あまり深く考えない事にした。
相変わらず何も言ってくれないし、私が話している途中に何処かへ行ってしまうのだけど、歳の近い話し相手が増えるのは純粋に嬉しかった。ほら、病院に入院してるのって、基本的におじいちゃんおばあちゃんだし。
そんな、ある日の事だった。
「先生、私そろそろまた学校に行きたいです」
診察を終えた私は、主治医の先生にお願いをしてみた。幸世の話を聞いてから、私もこの目で外の世界を体験したい、という想いがいよいよ抑えられなくなってきていたのだ。
先生は少し唸った後、こう返してくれた。
「そうだね、それもいいかもしれない」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、最近よく外に出歩いているようだし、体の調子も良さそうだから様子を見ながらになるけど、それでもいいかな?」
「もちろんです!」
「よし、分かった。ご両親には私から相談しておくよ」
「ありがとうございます!」
「はは、あまりはしゃぎ過ぎたらダメだよ?」
そう言われても、私は舞い上がらずにはいられなかった。やったやった! 学校に行くのなんていつぶりだろう? 夏休みに行ったきりだったから、半年ぶりかな? とにかく、また"学校で"皆に会えることが、私は嬉しかった。
父と母には先生から話してくれるとの事だったので、私はいの一番に幸世にこのことを話した。
『本当に!? いつ!? いつ来るの!?』
『まだ分かんないけど、近いうちに行くよ!!』
『そっか! また分かったら教えてね! 絶対だよ!!』
『うん、約束する!』
『よろしく...。野乃花、良かったね。本当に...グスッ...』
幸世は電話越しで泣いていた。幸世は本当に良い子だ。幸世のような友人を持てて私は本当に幸せだと思う。私も、つられて少し泣いてしまった。
◇
それからまた数日経ち、学校に行く日取りが決まった。阿瀬比さんにもそのことを話すと、「これからは私の仕事が減っちゃうかもねぇ」と言ってわっはっはと笑っていた。
そして、もうひとり話したい人がいたので、病院の庭に来てみたのだが…。
「おーい。シロちゃーん。おーい」
あの真っ白なシルエットはどこにも見当たらない。おかしいなぁ。いつもなら、この時間は大体いるんだけど。探しても見つからないのでベンチに座ってみるも、待てども暮らせどもシロちゃんはやって来ない。そうしているといよいよ空が赤く染まってきたので、病室に戻ることにした。
もちろん毎日毎日会えるわけではないけど、何かあったのだろうか。連絡を取ろうにも、シロちゃんはまだ子供だし、普段どこにいるのかも知らない。
そういえば、私ってシロちゃんの事、何にも知らないなぁ。
ここに入院しているのか、誰かの付き添いなのか、職員さんの連れ子なのか、にしてもあれだけ特徴的な子なら誰か知っていてもおかしくないはずなのに、シロちゃんの事を知る人は誰もいなかった。
『それ...本当に生身の子供だったのかなぁ...?』
『ねぇ、その子、足が透明だったりしなかった?』
看護師さん達の言葉を思い出して、身震いする。そういえば、幸世が持ってきた本にもそんな話があったような………。いやいやいやいや!
私はぶんぶんと頭を左右に振る。
私ももう長く病院で過ごしてきたけれど、そういう類のものを見たり、体験したことはなかった。ましてやあんなに話をしたり、触れ合ったりした子が、そんなはずは…ない! そう!! 絶対!!
シロちゃんに関しては、あまり深く考えない事にした。
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