俺達が侍女になった件

知花虹花

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その2 アリス

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 私は王立学園の生徒だけど、実はコネ枠で入った令嬢だ。

 政治の圧力の関係で、親の知り合いの公爵令嬢のお友だち枠として、私ともう一人が選ばれた。

 金持ち枠ってやつだ。

 お金持ちの貴族に学園から直接話が来るそうだ。

 お金さえ持っていれば、もちろん誰でも大丈夫だ。

 私と一緒に選ばれたもう一人のご令嬢も、学園に入れるほどお金持ちでも、頭もよくなかったが、彼女に場合は玉の輿に乗る情熱があふれてたので、公爵令嬢にうまく取り入って取り巻きの一人になっていた。

 私達二人が選ばれたのは、本当に、ご令嬢の単なる気まぐれでしかない。

 もう一人の取り巻き係はうまくやっていたが、現に、入学したら私は、取り巻きとしては、お払い箱になってしまった。

 なんか、上手く引き立て役ができなかったからだろう。

 学園生活は、学力試験ではいってないので、授業受けても、ちんぷんかんぷんだけど、そもそも、私達のクラスでは、まともな授業がほとんどなかった。

 クラスには私以上に問題児が揃ってる。

 脳筋の騎士見習いとか、結婚相手を探しに来ただけの令嬢など。

 私も、もし学園に来なければ、幼馴染みと結婚するため、社交界デビューする前に、すぐに幼馴染みの商人の家に花嫁修業予定だった。

 要は、贅沢なことを知らないうちに嫁にとのことだったが、例のご令嬢が我儘を言ってくれて、社交界デビューもしてしまった。

 すると、親が、少し欲が出たのか、幼馴染との婚約話を白紙にした。

 幼馴染みは商人だったため、早い結婚を望んでた。

 結婚相手は、今思うと私じゃなくてもよかったんだと思う。

 幼馴染みは優しかったけど、甘い雰囲気になることは決してなかった。
 
 なので幼馴染はあっさりと他の人と結婚した。

 私といえば、学園を卒業できるのは五年後だし、普通の結婚適齢期は過ぎてしまうことになる。

 ただ王立学園内のお金持ち枠では、暗黙の了解でお見合い制度のようなものがあり、学生生活をおくりながら相手を見つけることができるのである。
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