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第8章~フェリスはある朝突然に~②
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「なになに!大きなリアクションに見えたけど。何か面白い話ししてんの?」
そう言って会話に加わってのは、一年A組の朝日奈愛理沙。
栗色がかった髪はユルく巻かれ、肩を越す長さ。人目をひく顔立ちには、校則に抵触しない程度のメイクが施されている。
単位制一二〇名の中でも、最も華のあるグループの一人だ。
彼女の問いには、舞が応じた。
「朝日奈さん、有間が坂野クンたちと昼休みに校内放送で映画について話してるのは知ってる?」
「うん、あの放送、何となくは聞いてるよ。放送してるのは、金曜日やったっけ?」
「そう!そこで、有間と坂野クンが話すのを『イチャイチャしてる様に見える』って、一緒に放送してる吉野さんが言ってて……」
「えっ!?有間と坂野って、そういう関係なん!!」
女子二人のトークのスピードに乗り遅れていた秀明は、ここでようやく、
「そんな訳ないやろ!!!」
とツッコミを入れる。
「あ、ゴメンな~!勝手に話してしまって」
と笑いながら、謝る愛理沙。
「でも、そしたら、なんで吉野さんは、そんなこと言うの?」
疑問を口にする愛理沙に、舞も同調する。
「それが、わからなくて、有間に聞いてみようと思ってん。何か、吉野さん曰く、『有間は、坂野クンの想いを受け入れてる』らしいし……」
「えっ!?有間って、そういう趣味なん!!」
先ほどと同じような反応を返す愛理沙。
「なんでやねん!!!」
再び、秀明はツッコミを入れる。
アハハと笑いながら、
「冗談やって!有間はノリが良いな」
と愛理沙。
「ほとんど話したことない男子を呼び捨てできる朝日奈さん程じゃないけどな」
秀明も間髪いれずに応じる。
「あ~、ゴメン!気になる?」
少し悪びれた様子で謝る愛理沙に、
「いやいや、全然、気にならへんけど。朝日奈さんのキャラなら許されるやろ?」
秀明が返すと、
「それ、有間の中で、私どんなキャラなん?」
と、愛理沙は、再び笑って答えた。
すると、
「ちょっと、二人だけで話しを進めんといてくれる?私の疑問は、どうなったん?」
と舞が割って入った。
「ああ、ショウさんゴメンな!話しをそらすつもりはなかってん。───で、その話し、オレなりに、『多分こういうことやろう?』と言う見解はあるんやけど、話したが方が良い?」
と、秀明が彼女に答えると、
「何か、わかってることがあるのなら、聞きたいな」
と舞も返答する。
「了解しました。当事者の立場で、しかも、『オトコが女子に解説する様な話しなのか?』とも思うけど……」
ここで、一拍間をおいて、
「ショウさんには、前期の埋め合わせと日頃お世話になってる借りもあるから、自分なりの見解と言うか想像を説明させてもらうわ」
秀明がそう語ると、舞と愛理沙が二人そろって
「「うん、お願い!」」
と答える。
二人にそこまで言われたら仕方ないな、と秀明は語り始めた。
「ところで、二人ともマンガの『スラムダンク』は読んでる?」
秀明の問いに、
「読んでるよ!単行本やけど」
と答える舞に続いて、
「私も、この前、弟が買って来た二十五巻を読んだばっかりやわ」
と愛理沙が答える。
「それなら、話しはしやすい!」
と秀明は応じて、話しを続ける。
「本筋のバスケの話しから少し外れるけど、あのマンガで、《花道はゴリの妹の晴子さんのことが好き》《でも晴子さんは流川のことが好き》《花道と流川は犬猿の仲》って人間関係が描かれてるやろ?」
「うんうん」
「そうやな~」
「でも、それがどう関係あるん?」
と舞と愛理沙が交互に口にする。
「これは、一見、ありがちな三角関係やけど、『スラムダンク』は、恋愛をテーマにしたマンガではないし、ぶっちゃけ、晴子さんが最終的に誰を好きになって付き合うかとか、わりとどうでも良くない?それより、『花道と流川って、最初は嫌いあってる様に見えるけど、最後は試合の良い場面で、二人が、どんなスゴいプレーを見せてくれるんやろう?』って期待の方が上じゃない?」
秀明が二人にたずねると、
「ああ、それは何かわかる気がする!」
「花道と流川の関係性って、何かイイもんな~」
と二人からは返事が返ってくる。
「そう、まさに、『この二人の関係性って、イイよね~』って、見方をクローズアップして、マンガを読んでいるヒト達がいるのよ」
秀明が解説すると、
「そうなんや」
「まあ、何となく、そういう見方をする気持ちもわかる気がするな~。お互いに言葉を交わさなくても成立する男子同士の友情ってイイなって言うか」
二人の答えを聞いて、秀明は結論を述べる。
そう言って会話に加わってのは、一年A組の朝日奈愛理沙。
栗色がかった髪はユルく巻かれ、肩を越す長さ。人目をひく顔立ちには、校則に抵触しない程度のメイクが施されている。
単位制一二〇名の中でも、最も華のあるグループの一人だ。
彼女の問いには、舞が応じた。
「朝日奈さん、有間が坂野クンたちと昼休みに校内放送で映画について話してるのは知ってる?」
「うん、あの放送、何となくは聞いてるよ。放送してるのは、金曜日やったっけ?」
「そう!そこで、有間と坂野クンが話すのを『イチャイチャしてる様に見える』って、一緒に放送してる吉野さんが言ってて……」
「えっ!?有間と坂野って、そういう関係なん!!」
女子二人のトークのスピードに乗り遅れていた秀明は、ここでようやく、
「そんな訳ないやろ!!!」
とツッコミを入れる。
「あ、ゴメンな~!勝手に話してしまって」
と笑いながら、謝る愛理沙。
「でも、そしたら、なんで吉野さんは、そんなこと言うの?」
疑問を口にする愛理沙に、舞も同調する。
「それが、わからなくて、有間に聞いてみようと思ってん。何か、吉野さん曰く、『有間は、坂野クンの想いを受け入れてる』らしいし……」
「えっ!?有間って、そういう趣味なん!!」
先ほどと同じような反応を返す愛理沙。
「なんでやねん!!!」
再び、秀明はツッコミを入れる。
アハハと笑いながら、
「冗談やって!有間はノリが良いな」
と愛理沙。
「ほとんど話したことない男子を呼び捨てできる朝日奈さん程じゃないけどな」
秀明も間髪いれずに応じる。
「あ~、ゴメン!気になる?」
少し悪びれた様子で謝る愛理沙に、
「いやいや、全然、気にならへんけど。朝日奈さんのキャラなら許されるやろ?」
秀明が返すと、
「それ、有間の中で、私どんなキャラなん?」
と、愛理沙は、再び笑って答えた。
すると、
「ちょっと、二人だけで話しを進めんといてくれる?私の疑問は、どうなったん?」
と舞が割って入った。
「ああ、ショウさんゴメンな!話しをそらすつもりはなかってん。───で、その話し、オレなりに、『多分こういうことやろう?』と言う見解はあるんやけど、話したが方が良い?」
と、秀明が彼女に答えると、
「何か、わかってることがあるのなら、聞きたいな」
と舞も返答する。
「了解しました。当事者の立場で、しかも、『オトコが女子に解説する様な話しなのか?』とも思うけど……」
ここで、一拍間をおいて、
「ショウさんには、前期の埋め合わせと日頃お世話になってる借りもあるから、自分なりの見解と言うか想像を説明させてもらうわ」
秀明がそう語ると、舞と愛理沙が二人そろって
「「うん、お願い!」」
と答える。
二人にそこまで言われたら仕方ないな、と秀明は語り始めた。
「ところで、二人ともマンガの『スラムダンク』は読んでる?」
秀明の問いに、
「読んでるよ!単行本やけど」
と答える舞に続いて、
「私も、この前、弟が買って来た二十五巻を読んだばっかりやわ」
と愛理沙が答える。
「それなら、話しはしやすい!」
と秀明は応じて、話しを続ける。
「本筋のバスケの話しから少し外れるけど、あのマンガで、《花道はゴリの妹の晴子さんのことが好き》《でも晴子さんは流川のことが好き》《花道と流川は犬猿の仲》って人間関係が描かれてるやろ?」
「うんうん」
「そうやな~」
「でも、それがどう関係あるん?」
と舞と愛理沙が交互に口にする。
「これは、一見、ありがちな三角関係やけど、『スラムダンク』は、恋愛をテーマにしたマンガではないし、ぶっちゃけ、晴子さんが最終的に誰を好きになって付き合うかとか、わりとどうでも良くない?それより、『花道と流川って、最初は嫌いあってる様に見えるけど、最後は試合の良い場面で、二人が、どんなスゴいプレーを見せてくれるんやろう?』って期待の方が上じゃない?」
秀明が二人にたずねると、
「ああ、それは何かわかる気がする!」
「花道と流川の関係性って、何かイイもんな~」
と二人からは返事が返ってくる。
「そう、まさに、『この二人の関係性って、イイよね~』って、見方をクローズアップして、マンガを読んでいるヒト達がいるのよ」
秀明が解説すると、
「そうなんや」
「まあ、何となく、そういう見方をする気持ちもわかる気がするな~。お互いに言葉を交わさなくても成立する男子同士の友情ってイイなって言うか」
二人の答えを聞いて、秀明は結論を述べる。
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