初恋♡リベンジャーズ

遊馬友仁

文字の大きさ
20 / 454

第3章〜白草四葉センセイの超恋愛学演習・基礎〜③

しおりを挟む
====================
いいね!を見る
clover_field 竜馬ちゃんねるの編集スタジオにお邪魔する前にお土産を購入!
紙袋の中身は、みんなも知ってる、あのお店の世界一売れているフィナンシェです。
ホーネッツ1号さん&2号さんが、甘いモノ好きだったらイイな(ハート)

#新企画近日発表
#打ち合わせの手土産購入
#ア◯リ・シャルパンティエ
====================

 投稿された文章には、完璧な角度から自撮りされた白草四葉本人と、洋菓子店のロゴがバッチリと印象付けられる構図の画像が添えられていた。
 自宅からの移動中に更新されたであろうミンスタの投稿を確認し、「あ~」と声を発した壮馬の苦笑の度合いは、一層、濃くなる。

「スゴいね……白草さんとコラボするだけで、ボクたち《竜馬ちゃんねる》のカラーが、一気にパステル調のピンク色に染まって行く感じだ……こういうの古いネットスラングで、なんて言うんだっけ? 文字通り『スイーツ(笑)』?」

「昔のネット用語のことは知らんが、自分たちの身近な人間が、白草のミンスタをフォローしていないことを祈るばかりだ……」

「え~!? わたしとしては、ぜひ、黒田クンの家族にも見てほしいんだけどな~」

 転入生は澄ました表情で、冗談とも本気ともつかないようなことを口にする。

「白草、正気か? ナニが悲しくて、家族にSNSの投稿を見られなきゃならないんだよ。特に、あの母親にはな……」

 苦虫を噛み潰したような竜司の発言に、楽しげな笑みを見せたあと四葉は、

「さて、それじゃあ、今日の本題に入りましょうか?」

と、話題とともに、表情を切り替えた。
 恋愛アドバイザーとして、講師然とした表情に切り替わった転入生の様子に、準備が整ったことを察した壮馬が、クロームブックを取り出した。

「昨日と同じように、今後のために、記録を取らせてもらうよ」

 そう語るクラスメートに、うなずきながら、白草四葉は、「では……」と、一言発してコホンと可愛く咳払いをしたあと宣言する。

「それじゃ、まずは、黒田クンが最初に取るべき行動について話していこっか?」

 ※

 超恋愛学の講義が始まることを予告した白草は、小道具として、わざわざ赤いフレームの伊達メガネを取り出して装着した。
 昭和時代の特撮変身ヒーローではないが、彼女なりのスイッチの切り替えのつもりなのだろうか?
 まるで、予備校の講師のような存在感を醸し出しはじめた白草四葉は、こんな言葉で講義を開始した。

「まず最初に、一度フラレた異性に再告白する時の大事なポイントを三つ挙げておくね」

 彼女の言葉に、オレはうなずき、かたわらでは、壮馬がカタカタとクロームブックのキーボードをタイプし始める。
 
「一つ目は、今までと変わらない態度で相手と接すること」

「ニつ目は、しつこく連絡したり、フラレた理由を聞いたりしないこと」

「三つ目は、すぐに再告白せず、成功するための機会をジックリと待つこと」

 オレたち二人のようすを確認しながら、白草は、彼女が考える三つのポイントをゆっくりと語った。

「それを守れば、絶対確実……とまでは言えないかも知れないが、告白に成功する確率が高くなる、と考えてイイのか?」

 確認するように、彼女にたずねると、超恋愛学の講師は、ニッコリと微笑み、

「ええ、そう考えてくれて問題ない」

と、断言したあと、

「――――――と、言っても、黒田クンの場合、それ以前にクリアしなきゃいけないことがあるけどね」

そう言って、クスクスと笑った。
 この講義が始まる前までなら、オレは、彼女のそんな態度に憮然としたところだろうが、いかにもデキる講師役という雰囲気と、なぜか説得力を感じさせる彼女の言動に素直に応じる。

「また、一年のときみたいに、紅野と話せるようになれるかな……」

 オレ自身が、もっとも不安に感じていることを口にすると、白草は澄ました表情で返答する。

「そのために、紅野サンと同じクラス委員になってもらうようお膳立てしたんだから、そこはがんばってもらわないとね!」

「もしかして、新学期初日から、オレを地獄の底に蹴落とすような、あの所業は、この企画のためだったのか……?」
 そう問い返すと、彼女はしたり顔のまま、

「なんだっけ? 『獅子はカワイイ我が子を千尋の谷(?)に突き落とす』っていうでしょ?」

と、自身の行動が、計画に沿ったものだと断言した。
 その言動の計画性もさることながら、彼女の教育方針がスパルタ式であることが予想され、今後の講義と実践に対する緊張感が増す。
 
 ゴクリ――――――。

 緊張と不安から、思わず固唾を飲み込むと、こちらの張り詰めた感情が伝わったのか、白草は穏やかな表情をつくり、これまでになく優しい口調で、諭すように語った。

「心配しなくても、大丈夫……黒田クンの話しだと、紅野サンは、『変わらずに話してくれると嬉しい』ってメモを残してくれてたんだよね? なら、黒田クンは、彼女に嫌われているわけじゃないと思うよ」

「そ、そうなのか……?」

 今後の展開に大いなる希望を持つことができそうな言葉に、すがるように問い返すと、彼女は、柔らかな表情のままうなずいて、

「今回みたいなケースの場合、黒田クンが、最初にするべきことは、紅野サンとの関係を再構築することだから、しっかりしてね」

そう言ってから、オレの二の腕にポンポンと二度触れた。
 長袖の衣服ごしにも関わらず、彼女に触れられた箇所に熱を感じながら、

「でも……具体的にどうすれば良いんだ?」

講師役の転入生に、再びたずねる。
 すると、白草は、「ん~、そうだな~」と、左手を顎のあたりにあて、考える仕草をしながら、

「まずは、春休み前に、彼女の気持ちを考えずに、急に告白したこと、それから、出来れば動画の件についても、キッチリと謝罪しないとね」

と、笑顔を見せる。
 異論をはさむ余地のない言葉に、

「あぁ、たしかに、そうだな……」

素直にうなずくと、彼女は、こちらの柔順な態度に納得したように首を縦に振って、 

「そして、最後に『これからも、クラスメートとして、委員の仕事を一緒に行う共同作業者として、変わらずに接してもらいたい』と告げること。まずは、ここまでを目標にしましょう」

と言って、最初の講義を締めくくった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~

root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。 そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。 すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。 それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。 やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」 美人生徒会長の頼み、断れるわけがない! でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。 ※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。 ※他のサイトにも投稿しています。 イラスト:siroma様

ほのぼの学園百合小説 キタコミ!

水原渉
青春
ごくごく普通の女子高生の帰り道。 帰宅部の仲良し3人+1人が織り成す、ほのぼの学園百合小説。 ♪ 野阪 千紗都(のさか ちさと):一人称の主人公。帰宅部部長。 ♪ 猪谷 涼夏(いのや すずか):帰宅部。雑貨屋でバイトをしている。 ♪ 西畑 絢音(にしはた あやね):帰宅部。塾に行っていて成績優秀。 ♪ 今澤 奈都(いまざわ なつ):バトン部。千紗都の中学からの親友。 ※本小説は小説家になろう等、他サイトにも掲載しております。 ★Kindle情報★ 1巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B098XLYJG4 2巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09L6RM9SP 3巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09VTHS1W3 4巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNQRN12P 5巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHFX4THL 6巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9KFRSLZ 7巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0F7FLTV8P Chit-Chat!1:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTHQX88H Chit-Chat!2:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FP9YBQSL ★YouTube情報★ 第1話『アイス』朗読 https://www.youtube.com/watch?v=8hEfRp8JWwE 番外編『帰宅部活動 1.ホームドア』朗読 https://www.youtube.com/watch?v=98vgjHO25XI Chit-Chat!1 https://www.youtube.com/watch?v=cKZypuc0R34 イラスト:tojo様(@tojonatori)

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

カオルとカオリ

廣瀬純七
青春
一つの体に男女の双子の魂が混在する高校生の中田薫と中田香織の意外と壮大な話です。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...