3 / 15
仮面の魔術師
仮面の魔術師(3)
しおりを挟む
「よう、帰ったぜ」
ウォルフの声に椅子に座っていた男がガタンと立ち上がった。
「ウォルフ!無事だったか」
がしっと抱きつかれてウォルフはため息をついた。
「暑苦しいって、ディラン。男に言い寄られても嬉しくないっての。まったくこれでも王家の血を引くお坊ちゃまかね」
口ではそう言ったものの、こういう男だから、ウォルフはディランに従うことをよしとしている。盗賊家業をやめてこんな危なっかしいことに首を突っ込んでいるのは、勿論今の王家のやり方が腹に据えかねたのが一番の理由だが、新王を名乗っているのがこのディランだったというのも大きな理由の一つだ。
「街が騒がしくなったようだったからな。もう帰ってこないのではないかと心配した」
「……ああ。俺は無事だけど、残り二人は帰ってこないぜ」
「……そうか……」
ディランが苦虫を噛み潰したような顔をして、再び椅子へと腰掛ける。
数秒目をきつく閉じ、それから振り切ったようにウォルフに視線を戻した。
「それで首尾は?」
「この通り」
ウォルフは指輪をディランに放った。
ディランは受け取った指輪をまじまじと見つめた。
「ああ。これに間違いない。……あの日……だまし討ちにされ、奪われた親父の指輪。シオン王家の血筋を証明する指輪だ」
「これでオイゲン候が求めてきた協力の為の条件は満たしましたね」
ディランの隣に立っていた眼鏡の男が言う。
「……しっかし、おまえも無理ばっかり言うよな。サミュエル。たった三人で盗み出してこいとかさ。……二人、犠牲になったぜ」
「……気の毒なことをしたとは思ってますよ。ですが、頭数が多ければ成功するというものでもないでしょう。それに、犠牲がでるならできるだけ少ない方がいい」
「相変わらず冷血だよな。おまえは。言い分はもっともだけどさ」
ウォルフは不満げに頬を膨らませた。
サミュエルは平然としている。
「しかし、貴方が無事に戻ってきてくれてよかった。死ぬならともかく、ここを知っている貴方が万が一神軍に捕まったりしたら、大急ぎでここから逃げねばならないところでした」
ウォルフは本格的に鼻白らんだ。
「おまえは俺らの心配より、そっちの心配かよ」
「ここを知られれば、今ここに来ているディランまで捕まることになりますからね。何しろ――異端審問官を前に口を割らずにいられる者などほとんどいない」
捕らえられ、そして色々なことを漏らした仲間は何人もいた。そしてそのたびに、危うい綱渡りを繰り返すはめになった。
だが、しゃべってしまった人間を責めることはできないだろう。異端審問で行われているその内容を考えれば。
「……正直俺もやばかったんだ。神軍の奴等に囲まれてさ。仮面の魔術師が来なきゃ、あの世行きだった」
「また現れたのか」
「ああ。神軍七人退けるのに唱えた呪文はたった一言。あとは呪文詠唱なしで術を行使した。どう考えてもその辺に転がってていい術者じゃねえよな」
「で、また殺しませんでしたか。仮面の魔術師は」
「確かに殺してはないけどさ。鼻の骨は折れてたぜ、たぶん。・・なんだよ。こんなに何度も助けてもらってるのにまだ疑ってんのか?」
「今までの経験から言って、慎重に行動して、慎重すぎると言うことはないですから」
「ハイハイ。疑り深いサミュエルちゃんのために、こんなもんももらってきたぜ」
ウォルフは紙の束を差し出す。
「これは……」
サミュエルは目を見開く。
これが本物だとしたら、戦略的にその利用価値は計り知れない。
「そ。この都市に張り巡らされた地下水路の詳細な地図。すげーだろ?」
「……こんなものが現存していたと……?仮面の魔術師はいったいどこでこんなものを。いや、もしもこれが本物で現存したとするなら……」
「本物なのは間違いねーと思うけど。実際、俺は地下水路を使って街の東側から西側へと抜けたんだ」
「地下水路を通ったんですか!?」
「ああ」
「……そうですか。ほかに何か仮面の魔術師に関する新しい情報はありませんか?」
「いや。あいつ無口だもんなあ。話しかけても返事は一言で切り返されるし。ああ、そうだ。昨日あいつが食った晩飯のおかずなら知ってるぜ」
「……晩飯?ウォルフ、おまえ仮面の魔術師といったい何の話をしているんだ」
ディランがあきれたように言う。
「いや、成り行きでなんとなく。だって共通の話題ねーんだもん。どんな奴なのか全く知らないしさ」
「正体不明の仮面の魔術師か。……これで助けてもらったのは何回目になる?」
「俺が助けてもらっただけでも三回。新王軍全体ではこれで十一回ほど助けてもらったことになるぜ」
「……そうか。やはり、本拠地に戻る前にここで一度会っておきたいな。仮面の魔術師とは」
「私はお奨めしませんよ、ディラン。貴方の身にもしものことがあったらどうします」
「仮面の魔術師自体が敵の罠だって言いたいのかよ?」
「……まあ、その可能性は低いでしょうね。罠だとしたら、あまりにも重要な局面で我々に手を貸しすぎています」
「なら、いいじゃん。ディランが会っても」
「駄目ですよ。下手につなぎを持って、その上で仮面の魔術師が捕まるようなことになったらどうします。こちらまで危うくなる。・・そうでなくても……どうも仮面の魔術師はだいぶ危険な綱渡りをしているように見えますし……」
意味深げにサミュエルが言葉を濁す。
「……やはり、おまえもそう考えているのか。サミュエル」
「……ええ」
「どういうことだよ?」
「……向こう側の人間だということです」
「向こう側?」
「仮面の魔術師はおそらく……大教会か、国王軍魔導部隊。そのどちらかに所属し、それなりの地位を持つ人間」
「!」
ウォルフは目を見開いた。
「マジかよ?」
「出現のタイミングが少しよすぎるんです。事前に動くことを知っていた可能性がある。つまりそれだけの情報を得られる立場にいるということです。国王軍魔導部隊の動きも神軍の動きも知りえる立場となるとかなり限られます」
「疑われないようにもっとゆっくり動ければいいんだろうが、それでは俺たちを助けるのに間に合わない。だから俺たちを助ける為には、仮面の魔術師は知った情報を使わざるを得ない。それが自分の身分を特定する危険を犯すものであったとしても」
「こちらがそう考えるぐらいです。向こうはとっくに内部の可能性を疑っているでしょう。どれほどうまく立ち回ったとしても、捕まるのは時間の問題」
「お、おい!」
「わかっている。だからこそ、俺はその前にあたりをつけたいんだ。我々新王軍にとって仮面の魔術師は貴重な戦力となるだろうし――それに何より、何度も助けてもらっている。このまま黙って捕まるまで放っておくわけにはいくまい」
ウォルフの声に椅子に座っていた男がガタンと立ち上がった。
「ウォルフ!無事だったか」
がしっと抱きつかれてウォルフはため息をついた。
「暑苦しいって、ディラン。男に言い寄られても嬉しくないっての。まったくこれでも王家の血を引くお坊ちゃまかね」
口ではそう言ったものの、こういう男だから、ウォルフはディランに従うことをよしとしている。盗賊家業をやめてこんな危なっかしいことに首を突っ込んでいるのは、勿論今の王家のやり方が腹に据えかねたのが一番の理由だが、新王を名乗っているのがこのディランだったというのも大きな理由の一つだ。
「街が騒がしくなったようだったからな。もう帰ってこないのではないかと心配した」
「……ああ。俺は無事だけど、残り二人は帰ってこないぜ」
「……そうか……」
ディランが苦虫を噛み潰したような顔をして、再び椅子へと腰掛ける。
数秒目をきつく閉じ、それから振り切ったようにウォルフに視線を戻した。
「それで首尾は?」
「この通り」
ウォルフは指輪をディランに放った。
ディランは受け取った指輪をまじまじと見つめた。
「ああ。これに間違いない。……あの日……だまし討ちにされ、奪われた親父の指輪。シオン王家の血筋を証明する指輪だ」
「これでオイゲン候が求めてきた協力の為の条件は満たしましたね」
ディランの隣に立っていた眼鏡の男が言う。
「……しっかし、おまえも無理ばっかり言うよな。サミュエル。たった三人で盗み出してこいとかさ。……二人、犠牲になったぜ」
「……気の毒なことをしたとは思ってますよ。ですが、頭数が多ければ成功するというものでもないでしょう。それに、犠牲がでるならできるだけ少ない方がいい」
「相変わらず冷血だよな。おまえは。言い分はもっともだけどさ」
ウォルフは不満げに頬を膨らませた。
サミュエルは平然としている。
「しかし、貴方が無事に戻ってきてくれてよかった。死ぬならともかく、ここを知っている貴方が万が一神軍に捕まったりしたら、大急ぎでここから逃げねばならないところでした」
ウォルフは本格的に鼻白らんだ。
「おまえは俺らの心配より、そっちの心配かよ」
「ここを知られれば、今ここに来ているディランまで捕まることになりますからね。何しろ――異端審問官を前に口を割らずにいられる者などほとんどいない」
捕らえられ、そして色々なことを漏らした仲間は何人もいた。そしてそのたびに、危うい綱渡りを繰り返すはめになった。
だが、しゃべってしまった人間を責めることはできないだろう。異端審問で行われているその内容を考えれば。
「……正直俺もやばかったんだ。神軍の奴等に囲まれてさ。仮面の魔術師が来なきゃ、あの世行きだった」
「また現れたのか」
「ああ。神軍七人退けるのに唱えた呪文はたった一言。あとは呪文詠唱なしで術を行使した。どう考えてもその辺に転がってていい術者じゃねえよな」
「で、また殺しませんでしたか。仮面の魔術師は」
「確かに殺してはないけどさ。鼻の骨は折れてたぜ、たぶん。・・なんだよ。こんなに何度も助けてもらってるのにまだ疑ってんのか?」
「今までの経験から言って、慎重に行動して、慎重すぎると言うことはないですから」
「ハイハイ。疑り深いサミュエルちゃんのために、こんなもんももらってきたぜ」
ウォルフは紙の束を差し出す。
「これは……」
サミュエルは目を見開く。
これが本物だとしたら、戦略的にその利用価値は計り知れない。
「そ。この都市に張り巡らされた地下水路の詳細な地図。すげーだろ?」
「……こんなものが現存していたと……?仮面の魔術師はいったいどこでこんなものを。いや、もしもこれが本物で現存したとするなら……」
「本物なのは間違いねーと思うけど。実際、俺は地下水路を使って街の東側から西側へと抜けたんだ」
「地下水路を通ったんですか!?」
「ああ」
「……そうですか。ほかに何か仮面の魔術師に関する新しい情報はありませんか?」
「いや。あいつ無口だもんなあ。話しかけても返事は一言で切り返されるし。ああ、そうだ。昨日あいつが食った晩飯のおかずなら知ってるぜ」
「……晩飯?ウォルフ、おまえ仮面の魔術師といったい何の話をしているんだ」
ディランがあきれたように言う。
「いや、成り行きでなんとなく。だって共通の話題ねーんだもん。どんな奴なのか全く知らないしさ」
「正体不明の仮面の魔術師か。……これで助けてもらったのは何回目になる?」
「俺が助けてもらっただけでも三回。新王軍全体ではこれで十一回ほど助けてもらったことになるぜ」
「……そうか。やはり、本拠地に戻る前にここで一度会っておきたいな。仮面の魔術師とは」
「私はお奨めしませんよ、ディラン。貴方の身にもしものことがあったらどうします」
「仮面の魔術師自体が敵の罠だって言いたいのかよ?」
「……まあ、その可能性は低いでしょうね。罠だとしたら、あまりにも重要な局面で我々に手を貸しすぎています」
「なら、いいじゃん。ディランが会っても」
「駄目ですよ。下手につなぎを持って、その上で仮面の魔術師が捕まるようなことになったらどうします。こちらまで危うくなる。・・そうでなくても……どうも仮面の魔術師はだいぶ危険な綱渡りをしているように見えますし……」
意味深げにサミュエルが言葉を濁す。
「……やはり、おまえもそう考えているのか。サミュエル」
「……ええ」
「どういうことだよ?」
「……向こう側の人間だということです」
「向こう側?」
「仮面の魔術師はおそらく……大教会か、国王軍魔導部隊。そのどちらかに所属し、それなりの地位を持つ人間」
「!」
ウォルフは目を見開いた。
「マジかよ?」
「出現のタイミングが少しよすぎるんです。事前に動くことを知っていた可能性がある。つまりそれだけの情報を得られる立場にいるということです。国王軍魔導部隊の動きも神軍の動きも知りえる立場となるとかなり限られます」
「疑われないようにもっとゆっくり動ければいいんだろうが、それでは俺たちを助けるのに間に合わない。だから俺たちを助ける為には、仮面の魔術師は知った情報を使わざるを得ない。それが自分の身分を特定する危険を犯すものであったとしても」
「こちらがそう考えるぐらいです。向こうはとっくに内部の可能性を疑っているでしょう。どれほどうまく立ち回ったとしても、捕まるのは時間の問題」
「お、おい!」
「わかっている。だからこそ、俺はその前にあたりをつけたいんだ。我々新王軍にとって仮面の魔術師は貴重な戦力となるだろうし――それに何より、何度も助けてもらっている。このまま黙って捕まるまで放っておくわけにはいくまい」
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
悪役女王アウラの休日 ~処刑した女王が名君だったかもなんて、もう遅い~
オレンジ方解石
ファンタジー
恋人に裏切られ、嘘の噂を立てられ、契約も打ち切られた二十七歳の派遣社員、雨井桜子。
世界に絶望した彼女は、むかし読んだ少女漫画『聖なる乙女の祈りの伝説』の悪役女王アウラと魂が入れ替わる。
アウラは二年後に処刑されるキャラ。
桜子は処刑を回避して、今度こそ幸せになろうと奮闘するが、その時は迫りーーーー
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる