つまりは女子高生が最強

amama

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第1章

異世界って案外近くにあるもん

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「さぁどうぞ。さて、何からお話し致しましょうか?」

「ありがとうございます」


彼女はこれまたデカイ城の入り口の門を通って豪華で嫌味なくらい長い廊下を通って可愛らしくデコレーションをされた部屋へと通された。
部屋には2人のメイドさん(しかも美女)がいて高価そうなティーカップに美味しそうなクッキーを用意してくれた。なんだここは天国か。
この部屋に来るまでにメイドやら兵士っぽい人と通りすがったが、特に私に触れることもなくなんのリアクションもしてこなかった。
なんなの私そんな存在感ないの?


「とりあえずお姉さまのお名前はなんですか?」

「あら、これは失礼いたしました。私レイルート・フェリルと申します。どうぞフェリルと呼んでくださいまし。貴女のお名前も教えて下さる?」


「秋月唯といいます。美女は名前すらもお美しいんですね素敵です」

「えっ?」

「あ、申し訳ございません、気にしないでください。あの、私家の井戸に落ちたはずなんですが何故かフェリル様のお庭にいまして、状況が全くわからなくて...勝手に侵入して申し訳ございません。信じて頂けないかもしれませんが、私も正直何がなんだか...」

「いいのよ、お顔をあげて。唯は何にも悪くないの。」


つい私の悪い癖が出てしまった。
私は可愛い物や可愛い人が大好きだ。女性に至っては美人も大好きだ。
可愛い人や美人さんをみるとついナンパみたいなことをしてしまう。自重しなければ。
悪癖を直そうと決意し、正直に起こったことを話し頭を下げると彼女は慌てて否定をした。
美人で優しいとかマジ女神....


「ここはね、チキュウと繋がった違う世界なの。稀にチキュウからこちらへ迷い込んでしまう人もいるのよ。
唯と同じニホンジンも迷い込んだこともあるわ。
チキュウの時空の歪みがどこにあるのかはわかっていないけれど、この世界からチキュウへ繋がっている時空間はあるからいつでも帰れるわ。
唯はただの迷子で保護される立場なのよ。
わかったら心配しないで、この偶然の出会いを楽しみましょう?」


私の聞きたかったことを全てフェリル様が答えてくれた。
慣れているのだろうか、私が心配していたことを全て払拭してくれた。
保護されたのが金髪美...フェリル様だなんて本当に運が良かった。
時空が歪んでるとか、信じられないような話だけど、目の前にいる金髪美女を見たら信じるしかない。こんな美人が嘘つくわけない。


「ありがとうございます。フェリル様と出会えて良かった。...いただきます。」


安心したらひどく喉が渇いたので用意してくれた紅茶に口をつけた。
すぐ帰れるっていってたし、少し美人とお茶するくらいならいいよね。夕飯までまだ時間あるし...

悠長にそんなことを考えていたらバタバタと足音が聞こえてきた。
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