つまりは女子高生が最強

amama

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第3章

別に笑わせようと思ってない

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「貴様!!許さん、許さんぞ!!我らの崇高なる計画の邪魔をしておいて無事元の世界へ帰れると思うなよ!!」


私が悲鳴のする方へと向かうと案の定さっき倒した黒尽くめの人たちのリーダーらしき人が両穴から鼻血ブーの状態で超怒ってた。
見るに耐えない。


「今から私がするのは正当防衛であって、決して暴力なんかじゃない。」


ぽつり、と自分に言い聞かせるようにつぶやいた。


「死ね!異界の女!!」


黒尽くめの男が刀を振りかざして迫って来た。革命だの死ねだのなんだの...あぁもう、本当に...


「教育に悪いんだよ!!」

「ぐぶぁっ!!」

「人を殺めようとするやつが!なにが革命だ笑わせんな!....あの、すみません、どなたかロープ的なものを分けて頂けませんか?また動き出しちゃうかもしれないので...」


踏み込んで来た男の隙だらけの胴にフライパンを思いっきり入れてやった。
嫌な音がしたけど、人間肋骨が折れても死なないから大丈夫。スッゲー痛いだけで死なないからセーフ。
胴を入れたらそのままこっちに倒れ込んで来たので顎をフライパンで勢いよく空に向かって振り切った。
綺麗に人間が宙を舞ってそのまま畑に崩れ落ちた。
畑のお家の方ごめんなさい。

とりあえずまた動き出さないように縛り上げてやろうと思って町の方へ助けを求めて周囲を見渡す。

...見渡すと後ろに見覚えのある白いローブを着た人が肩を震わせて笑っていた。あ、なにこれデジャブ


「お久しぶりです。秋月唯さん。
ちょうど移動中にこの町で迷い人の報告があったので来たんですが...
あ、その人生きてるんですか?まぁどっちにしろもう動けないでしょうからロープは不要かと思います。」


しばらくして笑い終わった彼はにっこりと笑顔で話しかけて来た。
アイルさんは私のやることなすこと全て面白いらしい。
...そうだ。彼は保護官!


「あの、アイルさん!私の妹がこっちの世界に迷い込んじゃったみたいなんです!知りませんか!?」

「妹さんですか?お名前は?」

「希美です!まだ5歳の女の子なんです!こっちに来るのは迷惑だとわかってはいたんですが、どうしても心配で...」
 
「秋月さんは手が掛からないので大丈夫ですよ。秋月希美...まだ保護はされてないようですね。」



慌てて希美が保護されてるか聞くとアイルさんは手を広げてどこからか本を取り出した。
おそらく魔法かなんかなのだろうか。もうなにが起きてもあまり驚かなくなった。
その本をペラペラとめくってから希美の名前はないと教えてくれた。

保護されてないってことはどこか人のいないところへ飛ばされて泣いてるか、誰か優しくない人に...
想像するのが怖くてしゃがみこんで頭をかかえて次の行動を考えた。


「秋月さん。顔をあげてください。この町を守ってくれた御礼です。ご協力しますよ。」


片膝をついて私に視線を合わせてアイルさんが協力するといってくれた。
....楽観視はできないがこの人ならどうにかできそうだと思った。
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