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第6章
因果応報って言ったやつ出てこい
しおりを挟む「唯ちゃんって俺にドライすぎねぇ?」
正直堪えるわけですよ、さすがの俺でも。
俺がどんだけ本気で口説こうが好きって言おうが唯ちゃん一切本気にしてない。
ちょいちょい真面目に伝えてはいるけど全く相手にされてないわけで。
それが俺自身を相手にしてないなら納得できる。
でもそうじゃなくて、からかってると思われる。
確かによくからかったりするけど、結構本気の時に流されるとまじでヘコむ。
俺がいくら聞いてもマトモに聞いてくれなそうだから、仕方なく姉貴に聞いてる。
情けなくて泣けてくる、こんな内容を姉へと話終える。
「......いや、そりゃ、あれっすよ、和也さん」
「姉貴そんな喋り方じゃなくね」
「...原因なんてわかりきってるじゃないっすか」
「わかんねーから聞いてんだけど」
「そうだね...順を追って説明しようか。
和也最初みんなで暮らすってなった時グレてたじゃん。」
「不良みてーにいわれると心外」
「黙って聞けよチャラ男。
そんな和也くんを唯だけ見捨てなかったじゃないっすか。正直みんな戸惑ってたしぎこちなかった中で唯だけあんたのこと構ってたじゃん。
その時あんた唯にひっどいこと言ったの覚えてる?」
「.......どのことかわかんねー。でもあれはちゃんと謝ったぜ」
「いっぱいいったのか。一回往復ビンタされてこい。
そん時から私と唯ともう結構仲良しだったのよ。だから和也のせいで傷付いた唯を見てらんなかったの。結構しょんぼりしてて本当に申し訳なくなったよね。
.....だからまぁ、ほら、...あれっすよ。」
「だからそのあれが何なんだよ」
「和也さんの彼女列伝とかね、そのへんをお話しさせて頂いてあんなクズの言うことなんか気にしちゃダメだし近付いたらセクハラされるから何言われても相手にしちゃダメって助言致しました。あんな落ち込んでる唯見たらあんたに腹立ったってのもある。ぶっちゃけ自業自得だよね。
....逆に考えようよ。あんたの彼女列伝聞かされてちゃんと向き合って話してくれる唯凄くない?それでも見捨てない唯やばくない?」
一瞬時間が止まったかと思った。
姉貴のことだからそりゃあ包み隠さず生々しくお話ししたんでしょうね、そうだろうな。
自業自得、なのはわかってるけどそんなこと話さなくていいのに、と姉貴を恨んでしまう。
あの時の俺をぶん殴ってでも止めてくれればよかったのに。姉貴なら躊躇いなくぶん殴れたろ、絶対。
やり場のない怒りがデカイため息になってカラオケの密室に響く。
「....お姉様」
「うわキモいなに」
「高二の時のことは本気で反省してる。」
「お、おう...」
「自分でもタイムリープしてやらかす前に存在消してやろうと思うくらい後悔してる。」
「黒歴史すぎるもんな、特に彼女列伝」
「でも今マジで唯ちゃん一筋です」
「私に言われても。あんたの真面目な顔怖いからやめてお昼吐きそう」
「...俺が今言っても本気にされねーんだって。こんなこと姉貴に頼むの違うってわかってんだけど、高二の時の俺のヤバい人のイメージをどうにか払拭して欲しいです。てか全人類の記憶から俺の高二のそこだけ消して欲しい。」
「お前は私を魔女かなんかだと思ってんのか。出来るわけねーだろ。.....まぁ、今は...ちょっとだけマシになってるって唯とは話をして見てあげる。」
「...ありがと」
俺が結構な無茶振りをしたら姉貴はなんだかんだ渋い顔をしながらでも協力はしてくれた。あー、やっぱ俺恵まれてんだな。
原因わかったし、話したくなかったけど結果オーライってやつだな
「....いつからちゃんとお礼言えるようになったの?お姉ちゃんびっくり」
「最初っから言えっから。そのクズで定着させようとすんの何なんだよ。」
でもやっぱ姉貴はウマが合わない。
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