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第6章
少しくらいサボってもいい
しおりを挟む今日は和兄が用があるらしく、監視の目から逃れて伸び伸びと部活をして、帰るわけなのだが。
「足重...」
久しぶりに一人で帰る帰り道はやけに寂しくて、やけに短く感じる。
二人とももう帰ってるのかな、まぁもう夜だしいるか...あー帰るのだるい。
疲れてなんていないけど、河川敷に座り込んで休憩を言い訳にぼーっとしてみる。
あ、あのお金マジでどうしよう.....夕飯ほとんど昨日作っといたし別に急がなくていいし...ばーちゃんいるし...
「秋月?」
「...おお、海藤先輩だ。さっきぶりですねー」
「何してんだお前。んなとこ座り込んで」
後ろから声をかけられて、振り返ったら海藤先輩がスーパーの袋さげて反対の手には少年を連れてた。
まってまってつり目なのは海藤先輩と同じだけどくっそ可愛いんだけどなんなのこの子。
「ちょっと疲れて休憩してましたー。そちらの可愛らしい少年は弟さんでいらっしゃいますか?」
「あ?あぁ...陽。ほれ」
「陽くんかー!はじめましてー、唯っていいますー」
私が座ったまま陽くんと視線を合わせて挨拶をしたら陽くんはデカイ目を見開いて私をガン見してきた。
先輩のズボンを握りしめてて可愛すぎた。
何才くらいだろー、5歳くらいかなー。
「...かのじょ?」
「あ?んなわけあるか、こんなめんどくせぇ女」
「海藤先輩子供にそんな本気で否定しなくても」
「俺の名誉に関わる」
「ひでぇ」
「つーか何してんだよ、とっとと帰れ。人の帰り道に目障りだ」
「そんなことよりまさか海藤先輩がご飯作るんですか」
「うち片親で帰ってくんのおせーからしょうがねーだろ」
「...ちゃんと作れるんですか?焦げた物体とか米だけとかカオスな状態になってないですか大丈夫ですか」
「殴られてーのかお前」
「純粋に心配して...あっそっか...察した、陽くん元気出して」
どうしても海藤先輩が料理をしてる姿が思い描けなくて突っ込んで聞いて見たら陽くんがそれはもう不満そうな顔で海藤先輩を見上げるので想像通りなのだと悟った。
ガサツそうだし人ってやっぱ向き不向きがあると思うんだ。
「...先輩、押しかけ女房していいですか」
「やめてください」
「敬語やめてください。ご飯だけ作ったらすぐお暇するんで。陽くんのこんな...こんな悲しそうな顔を見て見て見ぬ振りなんて出来ません。安心してください、料理だけは出来ます」
「お前話聞いてた?ウチは俺と親父と陽だけなんだよ。んな男所帯に女一人で上がりこむとかもーちょい考えろボケ」
「先輩私にミジンコほども興味ないじゃないですか」
「どれだけ興味も好意もなくても常識的に考えろ」
「先輩のそういうところ好きです」
「だったら言うこと聞........おい陽」
「子供って時に残酷なほど正直なんですよね、わかります。先輩の弟のくせに可愛すぎ」
陽くんが海藤先輩と繋いでいた手を離して私に抱きついてきたので立ち上がって抱き上げた。なんだこの子先輩と違って無口で可愛いな。
海藤先輩の顔が人殺しそうな顔してたけどマジで兄弟なの、この二人
「陽。離れろ、帰るぞ」
「.......」
「...あの、先輩、さすがにそんな引っ張られたら私の胸が引きちぎれますマジで。痛い痛い痛い!」
「陽、いい加減にしろ」
海藤先輩が私に抱きついたままの陽くんを引き剥がそうと引っ張るが断固として私から離れようとしない陽くん。
なんだこの子意外に力ありすぎでしょ、びびったわ。
「せ、先輩...私も胸引きちぎられたくないんで、ご飯だけ作って即座にお暇するのでお家ついてっていいっすか...?何も悪いことしないんで...あいでででで!」
「...チッ、秋月ホントめんどくせぇ」
海藤先輩舌打ちのし過ぎでベロ火傷すんじゃねーかな、私といたら
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