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第6章
寡黙な奴は天才かコミュ障
しおりを挟む陽くんが私に引っ付いたまま離れないので押しかけ女房しようと海藤先輩の家に突撃したわけだが。
「...先輩。いくら男所帯でもこれはアカン」
「......しょーがねぇだろ。お前は俺の親父が家事炊事洗濯出来ると思ってんのか」
「出来ないと思ってましたけどここまでとは。夕飯作りつつちょっと片付けますよ。拒めると思わないで下さいね、このざまで」
先輩のお家は普通のマンションだったのだが、物が床に散乱しまくってる。
洗濯物放置しすぎてる。惣菜系のタッパーそのまんま。
一体何がどうしたらこうなるのかと。
これはまずいな、私一人じゃ無理だ。
「よーし陽くん、お手伝い出来るよね?私陽くん家のお片づけわかんないんだー...教えてくれる?」
胸に引っ付いたままだった陽くんにお願いすると彼は目を輝かせて片付けながら教えてくれた。
あーもう何この子素直可愛い...!
人参の皮むきながら陽くんの片付けを見守っていると海藤先輩が私を化け物見る目でみてきた。失礼すぎやしないか。
「...陽が自分で片付けてんの初めて見た」
「先輩はお手本なんですからちゃんと片付けて下さいよー!陽くんこんないい子なんだからー!...そういえば先輩って名前なんでしたっけ?」
「お前に名前呼ばれんの嫌なんだけど」
「先輩って私のこと嫌いすぎませんか?」
「気のせいだろ」
先輩って私といる時大体機嫌悪いけどマジでなんでこんな嫌われてんだろ、公式戦じゃなくて練習で何度か手合わせしてるけどそん時は普通なのに。
なんかやらかしたっけなー...
「おい、家に連絡入れとけよ。」
「今テレパシーで送っといたんで」
「嫌われてる自覚あんなら人のことおちょくんのやめろ」
「もう、先輩はワガママなんだから...ちょっと電話失礼します。....あ、美佳姉ごめんー。今日ちょっと遅くなるねー。ちょっとねー。夕飯いいや。うん。じゃあねー。......ダーリンと密会ってことになりました」
「今すぐ訂正しろ」
「あだだだだだ!!先輩それ私の頭ですゴミじゃないんですけど!」
ちょっとふざけただけで頭鷲掴みにされてゴミ袋に突っ込まれそうになった。やばい先輩の握力まじやばい。
あと美佳姉の勘違いぱねぇ。ダーリンだったら頭割られそうにならないでしょうよ...
人参折れたらどうすんだよもー...
とりあえず下ごしらえが終わったので食事ができる+快適に暮らせる程度に片付けさせる。カレーにしたから楽だし...。
というか、手伝いながら思ったけど....,
陽くん無口すぎない?
いや、私の家のチビたちがうるさいだけなのかもしれないけど、めちゃくちゃ静か。
光も今は静かだけどこのくらいの時は泣き喚いたしうるさかったんだけどなぁ...
人の家のことだからあんまり突っ込むのもあれだけど心配になったので甘やかすことにした。
「陽くーん、もうすぐお夕飯準備できるから手伝って欲しいなぁー」
私が声をかけるとすぐ駆け寄ってきてくれた。
ある程度片付いてきたので、夕飯の準備をする。
陽くんにお皿出してもらったり出来ることを手伝ってもらう。
こんなにお手伝いしてくれるとは...招来有望だなぁこの子
なんか今更だけど人の家のキッチン慣れない。
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