つまりは女子高生が最強

amama

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第6章

ツンデレは18歳まで

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部活が終わって光の機嫌が悪いと言ってたのを思い出して、駅の近くのケーキ屋で光が好きなモンブランを買う。
完全にご機嫌取りである。チビたちも買ってかないとうるさいからたくさんはいってるクッキーの詰め合わせも購入。一泊の出費がでかいぞ...

ケーキ買っちゃったんだし、早く帰ろ。

早足で家へと向かっていくとうちの制服を着た背の高い人がなんか女の子と揉めてるのが目についた。
女の子めっちゃ怒ってて泣きながら走り去ってった。
うわー、今の若い子って恋愛偏差値というかなんか色々早いよなー...高校生で愛だの恋だのすげぇと思うわ。付き合うとかもよくわかんないし。みんな精神年齢高くない?恋愛とかに関して。異性の先輩の家に外泊した私が言えたもんじゃないけどマジでなんもなかったしな。それはそれでどうよ。いいや、なんか悲しくなってくるから考えないようにしよ。

もう日は落ちて真っ暗な河川敷で足が止まってしまう。

川を見ながら帰ってからのことを考えた。ずっと、朝からずっと考えてたけど答えなんてでてこなくて正直どうしたらいいかわからない。
また先輩にシンデレラ気取りと怒られてしまいそうだ。

ぼーっとするの好きだな私。


「...なにみてんの?」

「うわ、びっくりしたー。なんだ和兄か...ちょっとぼーっとしてただけだよ。帰ろ」

「唯ちゃん」

「ん?」

「俺家族に正直こだわりとかねーけど、俺の母親はそういうのすげぇ大事にしてるし唯ちゃんに感謝してると思うぜ」

「...どしたの、急に」

「んー?別に。昨日久々に会ってそう思ってさ」

「そうだといいんだけどね。」


ぼんやりしてたら後ろから声かけられて和兄だったので帰ろうと歩き出す。
呼び止められて振り返るとまるで私が家に帰るのを戸惑ってるのがバレてるみたいで、この人やっぱモテんだろうなと思った。
家のすぐ近くまで来て、いつもより賑やかなのに気づいた。
無意識に足が止まっていたようで、和兄が手を引っ張ってくれた。


「ただい「ゆっちゃんー!」

「うわぁあ重い重い、さすがに三人は重いよ...三人?」


玄関に入るとチビたちが飛びついて来た。なんか重てぇなと思ってたらなんか一人多い。なんかでかい人が多い。
よく見るとチビと美子さんで、ちょっとフリーズした。
え?なにしてんのこの人?

和兄がチビと美子さんを引っぺがしてくれたけど理解できなくてフリーズしてた。


「おー、おかえりー。唯も久しぶりだな」

「....う、うん」

「かっ彼氏いるならいるで親に紹介くらいしなさい!帰ってこないなんて不良よ!もうホンット可愛くない!」

「彼氏じゃねーしかーさんその性格どーにかしろよマジで」


リビングからなんだか久しぶりに見た気がする父がおかえりと言ってくれた。
目の前でぷんすか怒る美子さんが本気で理解できなくて呆然としてしまった。
私が嫌われてるって思ったのは父さんと美子さんが話しているのを聞いてしまったからだ。
その時も、美子さんは私のことを子供らしくない、可愛くないって...


「....心配かけてごめんなさい。これおみやげ。」

「こっこ、子供が変な気使わないでよ!お菓子で許すと思ってるんじゃないでしょうね!許さないから!」

「.......美子さんが好きな店でしたよね、ここ。」

「なんで覚えてるのよ!嬉しくなんてないからね!」

「かーさんいい加減にしろよ、唯ちゃんのどこが可愛くねーって?」

「かっかか、か...早く入りなさい!いつまで玄関にいるの!」


私が買って来たクッキーを渡すとギャーギャーいいながら嬉しくないと喚いてた。
あれ、なんか、おかしいような...あれ、これおかしいな...
困惑してたら和兄が私の両肩を掴んで美子さんの前へと引っ張った。
美子さんはプイッとリビングへ引っ込んでしまった。


「え、ちょっと、え?」

「あーいう人だから誤解してっかなーって。ただのいい歳した痛いツンデレだから。唯ちゃんが気にすることなんもねーよ」

「......私ずっと勘違いしてたってことですか」

「...ドンマイ」


美子さんはあれが素なのだろうか。
いや素じゃなきゃ痛すぎる。なんかすごく疲れた。この家族キャラ濃すぎだろ。
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