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第6章
ツンデレお手本とは
しおりを挟む「光ー...光くんやーい」
リビングへいくと案の定機嫌が最悪の光がいてさっきから何回も呼んでるのにフルシカトです。モンブランもフルシカトでどうしようもない。
目も合わせてくれない。喋りたくもない。そんな空気をひしひしと感じる。
「ねー光、心配かけたならごめんね。なに怒ってんのー」
「別に。...好きにしたら。ガキじゃないんだし」
「私光に嫌われるくらいなら子供でいたい」
「嫌ってない」
「じゃあなんでこっち向いてくんないの?」
「知らない」
「光くんや....お姉ちゃんちょっと心折れそう」
さっきからこの繰り返し。
本格的に拗ねてしまった。原因は昨日急に帰ってこなかったからだろうけど、和兄も光も心配しすぎじゃなかろうか。もう高校生だしそんなに過保護になんなくてもなー...
「光もガキじゃねーんだしほっとけばいんじゃね。」
「私が寂しい」
「唯ちゃん素直だよね」
和兄嫌味みたいに口出して来たので真顔で返してやった。
和兄は下の兄弟が可愛くないのだろうか、この女好きめ。私には光に拗ねられるとか由々しき事態だ。
「そーだ、光くん光くん。週末撮影終わったらだけど久しぶりに二人でデートしよ。光の好きなとこいこ」
「..........映画。」
「よしきた任せろ」
「唯ちゃん光甘やかしすぎじゃね」
「こんないい子を甘やかしてなにが悪いの」
「せめてデートっていうのやめて。俺のメンタルが虐められてるから」
私が駄目元で誘ったらまだ拗ねてはいるけど出掛けるのをおっけーしてくれた。
しかも映画なら多分光はこの前公開されたディズ○ーの映画だろう。見たいっていってたし、光○ィズニー好きだし。可愛すぎか。
和兄にケチつけられたけどちょっと何言ってるかわかんなかったからスルーした。
「たっだいまー...あ、唯じゃん。お疲れー、大変だったでしょー過保護共が拗ねてて」
「おかえりー。今光とデートで手を打ってもらったので何も問題ないよー」
「....よーし、じゃあ今度私とも女子会やろ。」
「するー」
「唯ちゃん俺にはー?」
「クッキー食べていいよ」
「...いや、嬉しいよ?嬉しいけどさ、扱い違くね?」
美佳姉が帰って来て心配してくれた。持つべきものは姉。
自分で食べつつクッキーの袋を和兄へ渡すとまた溜息をつかれた。なんだろ、疲れてんのかな。
「....週末、仕事ついてく」
「えっまじでか...光まじでか」
「いや?」
「ちょっやだなにそれ可愛すぎか!いいに決まってるでしょ!」
「....暑苦しい」
ぷんすこしてた光がぼそり、と撮影ついてくるとかいうからちょっと悩んだ。前もそうだが身内に見られてると恥ずかしい。
なんて言おうか困ってたら光がこっちみて眉を下げて聞いてくるから可愛すぎてとりあえず抱きしめといた。
いいっていっちゃったよ。くっそ、可愛いは正義だが紙一重で悪でもある。なんて罪な子。
暑苦しいとかいってるくせに背中に手を回してくる光が可愛すぎる。
すぐチビと美子さんが便乗して乗っかって来て団子状態になった。愛とは苦しいものですね、物理的に。
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