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第7章
自己中って自覚ないのが腹立つ
しおりを挟む「あの、私に出来ることならばご協力したいと思いますが......ちょっと無理だと思います。むこうの世界でお相手を探してください。」
「いえ、私には貴女しか考えられないのです。一緒に来ていただけないのなら、辞退しようと思っております。辞退などしたら私への非難はありますでしょうが...仕様がありません。」
「....あの、私達一度お会いしただけですよね?なんで私じゃなきゃダメなんですか?それにわざわざ異世界から連れてくるなんて、絶対怒られますよ」
「愛に時間など不要、世界の違いなど私たちの間には些細なことではないですか」
うっわこいつめんどくせぇ。
いちいち髪をかきあげてポーズをとる彼はそれはそれは美しい。人間か疑うほど美しい。だがとんでもなくめんどくせぇ。
はっきりと断ろうと彼を見上げると、生暖かい雫が落ちて来た。
...えっ泣いてるんだけどこの人。びっくりしすぎてなにも言えなくなってしまう。
「もし...舞踏会へ一人で向かうなどということになれば、これ幸いと父や母が私へ身を固めろと、女性を紹介してくるでしょう。ですが、私は気付いたのです。初めてお会いした時....私の守るべき人はこの方なのだと。」
「........まだ結婚しないで遊んでたいから異世界のやつ連れてきゃいーや、ってことでいいですか?」
「美しいだけでなく聡明でもいらっしゃるのですね!」
びっくりしたけどただの泣き落としだったようで本当にイラついた。
この人本当に自分大好きなんだろうな、隠せよそんなこと。そこは私が好きってことで通せばいいじゃん。少しでもドキドキした自分が本当に嫌になるわ。
涙を流しながら感動いたしました!と手を握ってくる彼の手を振りほどいた。
「おや、怒ってしまいましたか?申し訳ございません。ですが私は本気です。都合がいい、というのもありますが、私が今女性として意識しているのは貴女だけなのです。どうか、私の願いを叶えて頂けませんか?」
私がイラついているのに気付いたのか、涙を引っ込ませて綺麗に微笑むと跪いて頭を下げられた。
.......正直めんどくさいしまたあちらへ行かなければならないのかと思うと断りたい。
ただ、彼には命を助けてもらった恩や案内してもらった恩がある。
1分ほど、考えまくった結果...
「.........その舞踏会は、いつやるんですか。」
「今から三日後、といったところですね。」
「どのくらいの時間やるんですか?」
「二時間ほどお付き合いをして頂ければ舞踏会に参加したことになります。」
「....三日後にそっちへいきます。二時間したら帰してくれますか?」
「ええ!もちろんです!では、私と来てくださるのですね」
「でもそんな都合よくいけます?私向こうの時間軸とかわからないし、向こうの世界のどこに出るかわからないじゃないですか。」
「ご安心下さい。この耳飾りをつけていて下されば、私と会話ができます。」
「...トランシーバー的なものですか?」
「魔法の小道具ですね。私が舞踏会が始まる頃に連絡を差し上げます。あちらにさえ来ていただければ、私がお迎えにあがります。」
「....わかりました。お願いだからこれが終わったら関わらないでもらえますか。」
「......約束いたしかねますが、努力は致しましょう。」
こんな綺麗な人なのに、なんか好きになれない。
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