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しおりを挟む「そのご本はなにが書いてあるかわかりません」
「ふふ、そうだね。ツェイには難しいかも」
「むっ、私もテオドール様に白魔術を教えていただけたら使えるようになりますか?」
「うーん、なるかもしれないけど。ツェイには必要ないでしょう?」
「むむ……」
ベッドで並びながらテオドールが読む分厚い魔術書をツーツェイが覗き込む。膨れたツーツェイの頬を手の甲で撫でれば、萎んでいくのに可笑しそうに笑う。
その手の甲が唇をなぞってから、顔が近づいてそっと触れ合う唇。
「ん……ふっ…んん…」
「はっ……ツェイ……」
(はっ!! だめだめっ、しっかりしないと!)
気持ちのよいキスに微睡む意識を無理やり取り戻して、いつもぐるぐる巻きにされる布団を掴んで床に投げ捨てる。そんなツーツェイにテオドールは唇を離してなにがあったのかわからず目を丸くしている。
(お、女は度胸!!)
「ツェイ? ……わっ!?」
セリニアの指南を思い出して、テオドールの身体をベッドに押し倒して足の間に挟んで膝立ちする。下から驚いたようにツーツェイを見上げるテオドール。
銀色の柔らかな髪がベッドに広がって綺麗な瞳が真下に見える。このアングルも堪らないと息を飲むけれど、そんな場合じゃなかったと自身を奮い立たせた。
――――プチ……。
薄い寝間着のボタンを上から外していく。呆然と眺めていたテオドールだけど、すぐに意識を取り戻したのか、いきなりボタンを外し始めたツーツェイの手を掴んで止める。
「な、なにしてるの!?」
「私は限界なのです!!」
「え? 限界?」
「あんな寸止めを繰り返されて我慢できるとお思いですか! それともなんですか!? あなたは見悶える私を見るのが好きなんですか!?」
「えっ!? なに言っ……」
「優しそうにみえてめちゃくちゃ鬼畜!! 鬼! テオドール様のド変態!」
もうこの際だからすべてぶちまけてしまえとツーツェイはまくし立てる。そんなツーツェイにテオドールが今まで見たなかで一番、目を大きく開いて停止している。
「うぅ、こ、こんなこと言うつもりなかったのに……馬鹿ぁ、テオドール様の馬鹿ぁ……うわーん!!」
「えぇ!? つ、ツェイ、泣かないで!?」
「うわーん! 破廉恥になってしまったのも全部テオドール様のせいだ! ひっく……酷い!!」
「あぁ、ご、ごめん!? お願いだから泣かないで」
ぎゅうと抱きしめて頭を優しく宥めるように撫でる。『絆されないんだから』と心の中で思うけれど、優しい大きな手のひらに徐々に涙が収まってくる。
(我ながらちょろい女……)
「落ち着いた?」
ツーツェイが抱き締め返して頬を擦り付けてきたのにほっと安心する。それと同時にテオドールを襲ってくる罪悪感と後悔。
ツーツェイを怖がらせたくないがゆえに先に進まない選択をしたけれど正解ではなかったことに頭が痛くなる。なんだったら本当ならすぐに抱きたかった。めちゃくちゃシたいのを必死に抑えていた自身が馬鹿らしいと思ってくる。
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