10 / 22
勇者と魔王のダンジョン攻略4
しおりを挟む
噛み砕いた破片が口の中へと消えた。
「まあ、本当はなこんな所で姿をさらす気などなかったんだが……」
闇に包まれていくルシアの体長は膨れ上がる。魔力による衣服の変換。
「仕方がないな……」
野太く、そして力強い慟哭が響いた。まるで竜に睨まれるかのように、ヴォーパルバニーは萎縮する。
地面に深く埋もれる重厚な足と爪。バキバキと肩を鳴らしながら、ルシアはヴォーパルバニーへと近づいていく。
――足りないな……封印される前の十分の一程度か……。
二本の角と一対の黒い翼。封印されて全盛期の力にまったく及ばないが、それでも他を圧倒するには十分すぎる魔力だ。
「魔王……様?」
呟くようなクレアの一言がルシアの翼が開く音でかき消された。
「おい、野うさぎ……なんでお前、人間界にいる?」
一歩踏み出す。その一歩で周りの空気が重くなり、周りの岩肌はパラパラと地面へと落ちていく。
ヴォーパルバニーの足がすくみ、ガタガタとゆれ始める。
「俺が聞いている、答えろ」
再び一歩歩みを進める。紅い瞳孔が細くなり、ヴォーパルバニーの体が、圧力に耐え切れずに地面へと崩れた。
「なんだ? 答えられないのか?」
更に一歩、ルシアは地面に踏みしめる。ヴォーパルバニーが更に地面へとめり込んでいく。
それは圧倒的な力の象徴といわれる魔王然とした姿だった。
「ん……?」
そうして、ひれ伏させてからヴォーパルバニーの異変に気がつく。
「なるほど……やってくれるな人間……」
そういいながら、ルシアは目の前にひれ伏すヴォーパルバニーの首を掴んで起こしあげる。すでに気絶しているようで、口の端から泡を吹いて痙攣していた。
ヴォーパルバニーの首についていた首輪をいともたやすくルシアは自らの爪で切って外す。
「こいつが原因みたいだな……」
いいながら、ヴォーパルバニーを地面へと降ろして首輪をまじまじと見つめる。
シンプルなデザインの赤い色をした首輪だが、その真ん中には紫色の宝玉があしらわれている。
「――ッ! もう時間切れか……」
体から魔力が抜け落ちていく感覚を覚えて一瞬で先ほどまでの人間の姿に戻ってしまったので、仕方なく弓も閉まう。
――ひとまず大丈夫だろう。
「ま、魔王様……」
ふと、後ろから恐々とかけられた声に振り返ると、小刻みに震えながらクレアが立っていた。
「どうした?」
何気なく、先ほどまでと同じように返した瞬間、急にクレアは地面に片膝をついて下を向く。どこかの国の岸のようだが、その顔は見るまでもなく恐怖に怯えていた。
「ぃ、今までのご無礼、誠に……誠に申し訳ございませぬ。不詳この命を持って償わせていただく所存です!」
そう言いながら、どこからか取り出した短刀で自分の腹を突き刺そうと勢いよく振りかぶる。
「待て待て待てっ!」
――いったい何をする気だ。
内心でため息をつきながら、必死に今にも自分を殺そうとしているクレアの腕に飛び掛る。
「やめてくださいませ魔王様っ! 魔王様への口の聞き方、わらわはわらわが許せませぬっ!」
しかし、やはり魔力で強化されていない体はクレアの手を止めるどころかクレアが自分の腕を振り回すたびに、つられてからだが揺られてしまう。
「ちょっ……ちょっとまっ、腕……止めて……お願い……」
取り乱してクレアが揺れるたびに体ごと揺られてしまうルシアの顔面は真っ青になっていた。
「本当に……もう……む……り」
勢いよく振り回されて腕も吐き気も限界になったルシアは舞った。朝食べた胃の中身を吐き出しながら、岩肌に叩きつけられる。
「魔王様っ!」
ルシアが岩に叩きつけられて目を回したことでようやく正気を取り戻したクレアが、慌ててルシアの元へと駆け出していく。
「むり……本当に無理……」
「申し訳ありませぬ。わらわが主……」
目を回したルシアの傍らで、クレアがその頭を膝に乗せてちょこんと座る。
「ですが、ようやく見つけましたぞ」
そっと、ルシアの額で口付けを落とすクレアに気がつかないまま時間は過ぎていった。
※
「あれ……気を失っていたか……」
――どれくらいたった……あれ、やわらかい?
目の前に見えるクレアの顔を見て、ルシアは岩肌に叩きつけられたことを思い出して、首をまわして確認する。
「おい……この感触って」
前にも一度同じような感覚を味わったことを思い出して、その場から立ち上がる。
「ようやく起きましたか、わらわの主様」
「何だよわらわの主様って!」
出会ってから今までの態度と激変したクレアの態度を怪しみ、クレアに対してルシアは怪訝な表情を向けるた。
「魔王様、わらわの願いは聞いていたでありましょう?」
「聞いてたけどさ……」
言いながらばつが悪そうに顔を背ける。
――使っちまった……。記憶を消しておいたほうが言いか……。
後ろ手にポケットの中に入れたままにした小瓶の中のものをひとつ手にとってすぐに口に入れられる体制を整える。
「大丈夫なのじゃ。この事は他言いたしませぬ」
――正直、信じることはできない。
自分を裏切った魔族の一員だ。信じられるわけがない。
「わらわは魔王様に……」
――だが、本当にそうだろうか。本当に信じることはできないだろうか。
一度だけ、救いの手を差し伸べてくれたユノと同じように信じてみよう。もし、何かあったとしてもこの薬があれば何とでもなる。
「わかった。このことを他言したら、本当の絶望を味わわせる」
その一言で十分だろうと、ルシアはクレアに対して突きつけるようにはき捨てる。
「はいっ! 感謝いたしますわらわの主様」
「ここまではいいとして、問題はそこじゃないんだよな」
ルシアはちらりと転がっているヴォーパルバニーに目を向ける。白い体毛に転がったせいで見える小さく丸い尻尾。どうみても魔族で、それをどうしようかと悩む。
「起きるみたいですぞ、わらわの主」
かすかに目が動いたことをクレアは見逃さなかったようだ。
「ん……っ、ぁ……?」
目を覚ますと同時に大人の体つきだったヴォーパルバニーの姿が煙を上げて小さくなっていく。着ていたものはそのままで体だけが小さくなる。
「ぁ……れ……?」
完全に目を覚まして起き上がった姿は、どうにも子供じみた容姿だ。人間の少女にウサギの耳と尻尾が生えた灰色の少女。一部は体毛が生えているが、ほとんど人間と大差ない。
「ま、魔王様!? も、申し訳ございません……私も混乱していて……あのっ! そのっ!」
だいぶ混乱しているようで、言葉がうまく出てこないヴォーパルバニーにルシアはやれやれとため息をつく。
「キャッ!? わ、私……は、裸っ! 魔王様、見ないでくださいなのですっ!」
唐突に自分の状況を理解したのか、ヴォーパルバニーは自分の体を両手で隠し始めた。
「どういうことじゃヴォーパルバニー?」
「原因はコレだな」
そう言いながらルシアは目の前に転がっている首輪を拾い上げる。先ほどヴォーパルバニーから外した首輪だ。
「それは何でございますか?」
ヴォーパルバニーに関心をなくして、嬉々として目を輝かせながらこちらに詰め寄ってこようとするクレアの頭を抑えて距離を離す。
「落ち着けっ! これは恐らくだが、魔族を強制的に従わせる道具だな……この真ん中についている魔石にインプットされた内容を実行するようにできている。この様子を見る限りだと、その間の記憶も残っているようだがな」
「ふむ……魔王様の言っていることは本当かのヴォーパルバニー?」
「はい……その通りです。首輪をかけられた瞬間、殺さなければという衝動のようなものに駆られたのです……」
ヴォーパルバニーの言葉を聴いて、ルシアは首をかしげる。
――人間が使うダンジョンに強制的に殺戮衝動を植えつけられた魔族……どうにもきな臭いな。
「そち、名前はなんと申す」
「はい、私はヴォーパルバニー族のアリスと申します……です」
「そうか、アリス。では少し質問をしていいか?」
「はっ、はいっ! 何でもお答えいたします」
あわあわと慌てるしぐさをしながらもルシアのほうをしっかりと向くアリスにルシアも同じように真剣に見つめる。
「この首輪は誰にかけられたか覚えているか?」
「覚えていないのです……でも、あの靴は人間だったと思うのです……」
「じゃあ、次の質問だ。この死体はアリスがやったのか?」
未だに奥のほうで転がっている死体を指差しながらルシアが問うとぶんぶんと勢いよくアリスが首を振った。
「違うのです。ここに来たのは昨日なのです……この手の血は、自分の拳が岩にぶつかった時に切れたものなのです……」
「なるほどな」
ルシアはアリスの言葉に目を細める。本当か嘘か、それを見抜くよりもやらなければ行けないことがある。
ルシアは着ていた上着をアリスにかけた。
「まあ、本当はなこんな所で姿をさらす気などなかったんだが……」
闇に包まれていくルシアの体長は膨れ上がる。魔力による衣服の変換。
「仕方がないな……」
野太く、そして力強い慟哭が響いた。まるで竜に睨まれるかのように、ヴォーパルバニーは萎縮する。
地面に深く埋もれる重厚な足と爪。バキバキと肩を鳴らしながら、ルシアはヴォーパルバニーへと近づいていく。
――足りないな……封印される前の十分の一程度か……。
二本の角と一対の黒い翼。封印されて全盛期の力にまったく及ばないが、それでも他を圧倒するには十分すぎる魔力だ。
「魔王……様?」
呟くようなクレアの一言がルシアの翼が開く音でかき消された。
「おい、野うさぎ……なんでお前、人間界にいる?」
一歩踏み出す。その一歩で周りの空気が重くなり、周りの岩肌はパラパラと地面へと落ちていく。
ヴォーパルバニーの足がすくみ、ガタガタとゆれ始める。
「俺が聞いている、答えろ」
再び一歩歩みを進める。紅い瞳孔が細くなり、ヴォーパルバニーの体が、圧力に耐え切れずに地面へと崩れた。
「なんだ? 答えられないのか?」
更に一歩、ルシアは地面に踏みしめる。ヴォーパルバニーが更に地面へとめり込んでいく。
それは圧倒的な力の象徴といわれる魔王然とした姿だった。
「ん……?」
そうして、ひれ伏させてからヴォーパルバニーの異変に気がつく。
「なるほど……やってくれるな人間……」
そういいながら、ルシアは目の前にひれ伏すヴォーパルバニーの首を掴んで起こしあげる。すでに気絶しているようで、口の端から泡を吹いて痙攣していた。
ヴォーパルバニーの首についていた首輪をいともたやすくルシアは自らの爪で切って外す。
「こいつが原因みたいだな……」
いいながら、ヴォーパルバニーを地面へと降ろして首輪をまじまじと見つめる。
シンプルなデザインの赤い色をした首輪だが、その真ん中には紫色の宝玉があしらわれている。
「――ッ! もう時間切れか……」
体から魔力が抜け落ちていく感覚を覚えて一瞬で先ほどまでの人間の姿に戻ってしまったので、仕方なく弓も閉まう。
――ひとまず大丈夫だろう。
「ま、魔王様……」
ふと、後ろから恐々とかけられた声に振り返ると、小刻みに震えながらクレアが立っていた。
「どうした?」
何気なく、先ほどまでと同じように返した瞬間、急にクレアは地面に片膝をついて下を向く。どこかの国の岸のようだが、その顔は見るまでもなく恐怖に怯えていた。
「ぃ、今までのご無礼、誠に……誠に申し訳ございませぬ。不詳この命を持って償わせていただく所存です!」
そう言いながら、どこからか取り出した短刀で自分の腹を突き刺そうと勢いよく振りかぶる。
「待て待て待てっ!」
――いったい何をする気だ。
内心でため息をつきながら、必死に今にも自分を殺そうとしているクレアの腕に飛び掛る。
「やめてくださいませ魔王様っ! 魔王様への口の聞き方、わらわはわらわが許せませぬっ!」
しかし、やはり魔力で強化されていない体はクレアの手を止めるどころかクレアが自分の腕を振り回すたびに、つられてからだが揺られてしまう。
「ちょっ……ちょっとまっ、腕……止めて……お願い……」
取り乱してクレアが揺れるたびに体ごと揺られてしまうルシアの顔面は真っ青になっていた。
「本当に……もう……む……り」
勢いよく振り回されて腕も吐き気も限界になったルシアは舞った。朝食べた胃の中身を吐き出しながら、岩肌に叩きつけられる。
「魔王様っ!」
ルシアが岩に叩きつけられて目を回したことでようやく正気を取り戻したクレアが、慌ててルシアの元へと駆け出していく。
「むり……本当に無理……」
「申し訳ありませぬ。わらわが主……」
目を回したルシアの傍らで、クレアがその頭を膝に乗せてちょこんと座る。
「ですが、ようやく見つけましたぞ」
そっと、ルシアの額で口付けを落とすクレアに気がつかないまま時間は過ぎていった。
※
「あれ……気を失っていたか……」
――どれくらいたった……あれ、やわらかい?
目の前に見えるクレアの顔を見て、ルシアは岩肌に叩きつけられたことを思い出して、首をまわして確認する。
「おい……この感触って」
前にも一度同じような感覚を味わったことを思い出して、その場から立ち上がる。
「ようやく起きましたか、わらわの主様」
「何だよわらわの主様って!」
出会ってから今までの態度と激変したクレアの態度を怪しみ、クレアに対してルシアは怪訝な表情を向けるた。
「魔王様、わらわの願いは聞いていたでありましょう?」
「聞いてたけどさ……」
言いながらばつが悪そうに顔を背ける。
――使っちまった……。記憶を消しておいたほうが言いか……。
後ろ手にポケットの中に入れたままにした小瓶の中のものをひとつ手にとってすぐに口に入れられる体制を整える。
「大丈夫なのじゃ。この事は他言いたしませぬ」
――正直、信じることはできない。
自分を裏切った魔族の一員だ。信じられるわけがない。
「わらわは魔王様に……」
――だが、本当にそうだろうか。本当に信じることはできないだろうか。
一度だけ、救いの手を差し伸べてくれたユノと同じように信じてみよう。もし、何かあったとしてもこの薬があれば何とでもなる。
「わかった。このことを他言したら、本当の絶望を味わわせる」
その一言で十分だろうと、ルシアはクレアに対して突きつけるようにはき捨てる。
「はいっ! 感謝いたしますわらわの主様」
「ここまではいいとして、問題はそこじゃないんだよな」
ルシアはちらりと転がっているヴォーパルバニーに目を向ける。白い体毛に転がったせいで見える小さく丸い尻尾。どうみても魔族で、それをどうしようかと悩む。
「起きるみたいですぞ、わらわの主」
かすかに目が動いたことをクレアは見逃さなかったようだ。
「ん……っ、ぁ……?」
目を覚ますと同時に大人の体つきだったヴォーパルバニーの姿が煙を上げて小さくなっていく。着ていたものはそのままで体だけが小さくなる。
「ぁ……れ……?」
完全に目を覚まして起き上がった姿は、どうにも子供じみた容姿だ。人間の少女にウサギの耳と尻尾が生えた灰色の少女。一部は体毛が生えているが、ほとんど人間と大差ない。
「ま、魔王様!? も、申し訳ございません……私も混乱していて……あのっ! そのっ!」
だいぶ混乱しているようで、言葉がうまく出てこないヴォーパルバニーにルシアはやれやれとため息をつく。
「キャッ!? わ、私……は、裸っ! 魔王様、見ないでくださいなのですっ!」
唐突に自分の状況を理解したのか、ヴォーパルバニーは自分の体を両手で隠し始めた。
「どういうことじゃヴォーパルバニー?」
「原因はコレだな」
そう言いながらルシアは目の前に転がっている首輪を拾い上げる。先ほどヴォーパルバニーから外した首輪だ。
「それは何でございますか?」
ヴォーパルバニーに関心をなくして、嬉々として目を輝かせながらこちらに詰め寄ってこようとするクレアの頭を抑えて距離を離す。
「落ち着けっ! これは恐らくだが、魔族を強制的に従わせる道具だな……この真ん中についている魔石にインプットされた内容を実行するようにできている。この様子を見る限りだと、その間の記憶も残っているようだがな」
「ふむ……魔王様の言っていることは本当かのヴォーパルバニー?」
「はい……その通りです。首輪をかけられた瞬間、殺さなければという衝動のようなものに駆られたのです……」
ヴォーパルバニーの言葉を聴いて、ルシアは首をかしげる。
――人間が使うダンジョンに強制的に殺戮衝動を植えつけられた魔族……どうにもきな臭いな。
「そち、名前はなんと申す」
「はい、私はヴォーパルバニー族のアリスと申します……です」
「そうか、アリス。では少し質問をしていいか?」
「はっ、はいっ! 何でもお答えいたします」
あわあわと慌てるしぐさをしながらもルシアのほうをしっかりと向くアリスにルシアも同じように真剣に見つめる。
「この首輪は誰にかけられたか覚えているか?」
「覚えていないのです……でも、あの靴は人間だったと思うのです……」
「じゃあ、次の質問だ。この死体はアリスがやったのか?」
未だに奥のほうで転がっている死体を指差しながらルシアが問うとぶんぶんと勢いよくアリスが首を振った。
「違うのです。ここに来たのは昨日なのです……この手の血は、自分の拳が岩にぶつかった時に切れたものなのです……」
「なるほどな」
ルシアはアリスの言葉に目を細める。本当か嘘か、それを見抜くよりもやらなければ行けないことがある。
ルシアは着ていた上着をアリスにかけた。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる