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勇者と魔王の村作り2
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「…………」
「…………」
村に着いたルシアと気絶しているクレアを除く二人が絶句していた。
理由は簡単で、村というにはあまりに何もないからだ。
「ここから村を作っていく……わけだが、見ての通り何もない」
「なのです……」
話しながら簡易的に作った家の空いているスペースにクレアを寝かせる。
「あるのは草と木だけだ。水場もないぞ」
「おい、ルシア……」
ガンドの言わんとしていることを理解しつつもルシアは言葉を続ける。
「村を作るんだよ。俺たちの手でな……他に行く当てもないし、仕方ないだろ……」
そう言ってみせるルシアに対して、ガンドは呆れたように額に手を当てた。
「……とりあえず、何をする?」
「ひとまず家を建てるための下準備だ。まず地面を家が建てれるくらいにこの草を退けなくちゃな」
「わかったのです。やりましょうルシア様!」
「そうだな、行く当てもないしな」
三人で話しながら、作業を始めることにした。
「まずは、この家の周辺から刈っていこう、アリス頼んだぞ」
「りょうかいなのです」
アリスの返答を聞いて満足げに、作業を始めようとルシアはガンドへと指示を出す。
「俺は水場を作るから、ガンドは邪魔な木を退かしてくれ」
「なあ、それならこのあたりの草を焼いてしまった方がいいんじゃねえか?」
ガンドの言葉に一瞬考えて、ルシアは頷いた。全部刈っていたら時間がかかってしまうが、焼き払えば確かに時間の短縮はできるだろう。
「わかった、じゃあ俺が草を焼き払おう。アリスはこのあたり一帯の木をガンドと共に退かしてくれ」
「わかったのです」
「それと、木は後から家作りに使うからさ。ひとまとめにしておいて貰っていいか?」
「了解だ」
ガンドとアリスの返事を聞いて、ルシアは小瓶から黒い丸薬を取り出して再び魔王化する。ユノ達が戻ってくるまでにはまだ幾分時間はあるはずだ。
「さて、始めるか」
その言葉と共にルシアは右手を突き出して魔力を貯める。地味な作業だが、重要な作業だ。
「ヘルフレイム……」
自分たちが作った小屋まで焼いてしまわないように気をつけながらルシアはその炎を慎重に操作して草を燃やしていく。
ルシアの力で焼かれた草は灰すら残さず、その場を何もない大地へと変えていく。
「んっ……」
アリスとガンドはルシアの指示通りに、炎がまだ来ていない範囲の木を根元から綺麗に抜いて、ルシアが草を焼き払った場所へと運んでいく。
「……あっ」
村のために数区画焼き払ったところで、元の姿に戻ってしまった。正直、この魔力が戻る劇薬を使い切ってしまうには惜しいが手作業でやっていたらいつまでたっても終わらないだろう。
さすがにクレアが起きてからやらせるのも酷だ。
「まあいいか」
再び、丸薬を呑んで魔力を取り戻して焼いていく作業を繰り返す。
「まだ、終わらねえのかよ……」
文句を言いながら、ガンドは木を二本同時に抜いて木を置いておくスペースへと運んでいった。
たった三人での作業だと言うのに、作業を始めてから一時間ほどで村を作れるだけのスペースを開くことに成功した。
「にしても、これは反則だろうな」
置いた木に座り込みながらガンドがぼそりと呟く。
正直、これが人間だけの力だったらこうはいかなかっただろう。だが、今は魔族が四人いる。一人はダウンしているが、この人数が集まれば人間よりも早いペースで終わらせる事が出来るだろう。
「反則か? 使える力を使っているだけだろう。それにしても、魔王の力を造成の道具にしたのも前代未聞だがな」
言っていて、ルシアもため息をついた。このような使い方をするものではないだろうとは自分でも思っていた。
「人間にはできないことをやってるんだ。十分反則だろうよ」
「まあ、人間からすればそうだろうな」
ルシアはふと自身の持っている丸薬を見た。だいぶ数が減ってしまってきている。
「ルシア様、次は何をするのですか?」
「これで家を建てる準備ができたわけだが、さっきも言ったように、水場が必要になる。それに、気を抜いたに空いている穴をなんとかしないとな」
「水場ですか……」
ルシアの言葉にアリスが思案する。
「方法は二つだ。魔界でやってた時とはそう変わらないが川から引っ張ってくるか、水が出てくるまで土を掘るかだ」
「川から引いてくるとなれば、かなり大がかりになるだろうな」
そう言いながらも、ルシアは地面へ絵を書いて説明をする。この二人にはしっかりと理解をしてもらいたい。
「それは俺もそう思っている。だが、水が出てくるまで掘ると言うのであれば途中で岩が出てきた場合でもガンドやアリスの力なら岩をうち砕ける」
「確かに、岩くらいなら可能なのです」
「川からだと衛生上の問題もあるからな、何が混ざっているかわからん……」
どうやらガンドも同意見のようでルシアはそっと胸をなでおろした。
「で、結局どうするんだルシア?」
「一旦土を掘って水を出してから、人手が増えて街が潤ったら川から引くのがよさそうだな」
「で、掘っていくのはいいが、場所はどうする?」
「そうだな……」
「できれば村の中心にそこそこの大きさものが一つ欲しいところだ」
「それではこのあたりなのですか?」
アリスが丁度、草木がなくなった一角で中心になりそうな場所に立った。
「そうだな、そのあたりが中心か」
「了解だ」
「さすがに手では掘り続けられないだろう」
「何か道具があるのですか?」
「いや、その道具自体をユノに買いに行ってもらってるんだが……」
そう言いながらもまた掘ることで時間がかかることをルシア自信はわかっていた。手の中に収まっている小瓶を見る。
「しかたない、もう一回使うか……」
本日、何度目になるかわからない魔王の姿に戻った。
「グランド・アースホール」
ルシアが言い放つと同時に地面がどんどんと穿たれ、穴が広がっていく。
「本来は穴の中に相手を落としこんで、地中に閉じ込める魔法なんだがな……」
そうして、一回技を放つと同時に元の姿へと戻っていた。
「水は出てそうか?」
「濁っていて、使えるかどうか微妙だぞ?」
ガンドが穴の中を覗き込んで、中を確認する。
「一回くみ出してみるか……」
再び魔王の姿に戻って、ルシアは穴の中に貯められている水を出すための魔法を選ぶ。
「ウォーターコントロール」
「すごいのですっ! 泥水があっという間に出ていくのです」
アリスの言葉通り、地中からルシアの魔力によって泥水がどんどんと草むらの方へ空中を伝って流れていく。
「だいぶ綺麗になってきたんじゃねえか?」
「もうちょっと、やる必要がありそうだな……ユノが帰ってくる前に」
まだ水が濁っているのを見て、ルシアは丸薬を口に含む。
「ウォーターコントロール」
先ほどと同じように泥水を草むらの方へと流しているとだんだんと土砂が少なくなり色も透明へと変わっていった。
「飲んでも臭みもないし大丈夫そうだ」
そう言いながら、ルシアは取りだした水を手にとって一口、口に含んでから呟いた。
「さて、問題はこの後だな……」
「どういうことだ?」
「家を作る前にさ、やらなければいけない事がある」
二人を自分の正面に移動させて、ルシアは地面に絵を書き始める。
「現状で優先するべき事が三つある。まず、一つ目だ。この水場だが、このままの状態にすると穴の途中が崩落するかもしれないし、誰かが落ちてしまうかもしれない。二つ目、自分たちが家で使った水がそのまま地面に流れてしまっては家の木などが腐ってしまうかのせいもある、そこでそう言った排水を流す物を作る必要があるだろう。そして三つめ、流石に綺麗になったとはいえこのあたりは穴だらけだ、整地する必要があるだろう」
ルシアは地面に書いた絵を丸で囲んで優先順位を着けた。
「最初は水場、次が整地、最後が排水だ」
「わかった。お前の指示に従おう」
「その前にだ。ガンド、お前魔力封印されているか?」
さっそく作業に移ろうとしていたガンドをルシアは止めて、聞いた。
その言葉に、ガンドは首を横に振る。
「大丈夫だ」
「じゃあ、すまないが魔界へ行って魔石を調達してきてくれ」
「魔石ってなんの魔石なのですか?」
ルシアとガンドの会話にしばらく入ってこれなかったアリスが首をかしげながら口をはさむ。
「浄化の魔石……それと、水源の魔石だ」
「浄化と水源の魔石ねぇ……?」
そんなもの何に使うのかと言いたげな怪訝な表情でガンドはルシアの方を見た。
「二つとも使い道はそれぞれだが、とりあえず浄化の魔石は大きいものを二つ、水源の魔石はできるだけ多く頼む……できるか?」
「誰に行ってる、任せておけ」
ルシアの言葉ににやりと表情をゆがめ、ガンドが笑いルシアに背を向けた。
「もう行くのか」
「なるべく早くあった方がいいんだろう?」
「頼んだ」
その一言を背中に受けてガンドはゆっくりと遠ざかっていった。
「…………」
村に着いたルシアと気絶しているクレアを除く二人が絶句していた。
理由は簡単で、村というにはあまりに何もないからだ。
「ここから村を作っていく……わけだが、見ての通り何もない」
「なのです……」
話しながら簡易的に作った家の空いているスペースにクレアを寝かせる。
「あるのは草と木だけだ。水場もないぞ」
「おい、ルシア……」
ガンドの言わんとしていることを理解しつつもルシアは言葉を続ける。
「村を作るんだよ。俺たちの手でな……他に行く当てもないし、仕方ないだろ……」
そう言ってみせるルシアに対して、ガンドは呆れたように額に手を当てた。
「……とりあえず、何をする?」
「ひとまず家を建てるための下準備だ。まず地面を家が建てれるくらいにこの草を退けなくちゃな」
「わかったのです。やりましょうルシア様!」
「そうだな、行く当てもないしな」
三人で話しながら、作業を始めることにした。
「まずは、この家の周辺から刈っていこう、アリス頼んだぞ」
「りょうかいなのです」
アリスの返答を聞いて満足げに、作業を始めようとルシアはガンドへと指示を出す。
「俺は水場を作るから、ガンドは邪魔な木を退かしてくれ」
「なあ、それならこのあたりの草を焼いてしまった方がいいんじゃねえか?」
ガンドの言葉に一瞬考えて、ルシアは頷いた。全部刈っていたら時間がかかってしまうが、焼き払えば確かに時間の短縮はできるだろう。
「わかった、じゃあ俺が草を焼き払おう。アリスはこのあたり一帯の木をガンドと共に退かしてくれ」
「わかったのです」
「それと、木は後から家作りに使うからさ。ひとまとめにしておいて貰っていいか?」
「了解だ」
ガンドとアリスの返事を聞いて、ルシアは小瓶から黒い丸薬を取り出して再び魔王化する。ユノ達が戻ってくるまでにはまだ幾分時間はあるはずだ。
「さて、始めるか」
その言葉と共にルシアは右手を突き出して魔力を貯める。地味な作業だが、重要な作業だ。
「ヘルフレイム……」
自分たちが作った小屋まで焼いてしまわないように気をつけながらルシアはその炎を慎重に操作して草を燃やしていく。
ルシアの力で焼かれた草は灰すら残さず、その場を何もない大地へと変えていく。
「んっ……」
アリスとガンドはルシアの指示通りに、炎がまだ来ていない範囲の木を根元から綺麗に抜いて、ルシアが草を焼き払った場所へと運んでいく。
「……あっ」
村のために数区画焼き払ったところで、元の姿に戻ってしまった。正直、この魔力が戻る劇薬を使い切ってしまうには惜しいが手作業でやっていたらいつまでたっても終わらないだろう。
さすがにクレアが起きてからやらせるのも酷だ。
「まあいいか」
再び、丸薬を呑んで魔力を取り戻して焼いていく作業を繰り返す。
「まだ、終わらねえのかよ……」
文句を言いながら、ガンドは木を二本同時に抜いて木を置いておくスペースへと運んでいった。
たった三人での作業だと言うのに、作業を始めてから一時間ほどで村を作れるだけのスペースを開くことに成功した。
「にしても、これは反則だろうな」
置いた木に座り込みながらガンドがぼそりと呟く。
正直、これが人間だけの力だったらこうはいかなかっただろう。だが、今は魔族が四人いる。一人はダウンしているが、この人数が集まれば人間よりも早いペースで終わらせる事が出来るだろう。
「反則か? 使える力を使っているだけだろう。それにしても、魔王の力を造成の道具にしたのも前代未聞だがな」
言っていて、ルシアもため息をついた。このような使い方をするものではないだろうとは自分でも思っていた。
「人間にはできないことをやってるんだ。十分反則だろうよ」
「まあ、人間からすればそうだろうな」
ルシアはふと自身の持っている丸薬を見た。だいぶ数が減ってしまってきている。
「ルシア様、次は何をするのですか?」
「これで家を建てる準備ができたわけだが、さっきも言ったように、水場が必要になる。それに、気を抜いたに空いている穴をなんとかしないとな」
「水場ですか……」
ルシアの言葉にアリスが思案する。
「方法は二つだ。魔界でやってた時とはそう変わらないが川から引っ張ってくるか、水が出てくるまで土を掘るかだ」
「川から引いてくるとなれば、かなり大がかりになるだろうな」
そう言いながらも、ルシアは地面へ絵を書いて説明をする。この二人にはしっかりと理解をしてもらいたい。
「それは俺もそう思っている。だが、水が出てくるまで掘ると言うのであれば途中で岩が出てきた場合でもガンドやアリスの力なら岩をうち砕ける」
「確かに、岩くらいなら可能なのです」
「川からだと衛生上の問題もあるからな、何が混ざっているかわからん……」
どうやらガンドも同意見のようでルシアはそっと胸をなでおろした。
「で、結局どうするんだルシア?」
「一旦土を掘って水を出してから、人手が増えて街が潤ったら川から引くのがよさそうだな」
「で、掘っていくのはいいが、場所はどうする?」
「そうだな……」
「できれば村の中心にそこそこの大きさものが一つ欲しいところだ」
「それではこのあたりなのですか?」
アリスが丁度、草木がなくなった一角で中心になりそうな場所に立った。
「そうだな、そのあたりが中心か」
「了解だ」
「さすがに手では掘り続けられないだろう」
「何か道具があるのですか?」
「いや、その道具自体をユノに買いに行ってもらってるんだが……」
そう言いながらもまた掘ることで時間がかかることをルシア自信はわかっていた。手の中に収まっている小瓶を見る。
「しかたない、もう一回使うか……」
本日、何度目になるかわからない魔王の姿に戻った。
「グランド・アースホール」
ルシアが言い放つと同時に地面がどんどんと穿たれ、穴が広がっていく。
「本来は穴の中に相手を落としこんで、地中に閉じ込める魔法なんだがな……」
そうして、一回技を放つと同時に元の姿へと戻っていた。
「水は出てそうか?」
「濁っていて、使えるかどうか微妙だぞ?」
ガンドが穴の中を覗き込んで、中を確認する。
「一回くみ出してみるか……」
再び魔王の姿に戻って、ルシアは穴の中に貯められている水を出すための魔法を選ぶ。
「ウォーターコントロール」
「すごいのですっ! 泥水があっという間に出ていくのです」
アリスの言葉通り、地中からルシアの魔力によって泥水がどんどんと草むらの方へ空中を伝って流れていく。
「だいぶ綺麗になってきたんじゃねえか?」
「もうちょっと、やる必要がありそうだな……ユノが帰ってくる前に」
まだ水が濁っているのを見て、ルシアは丸薬を口に含む。
「ウォーターコントロール」
先ほどと同じように泥水を草むらの方へと流しているとだんだんと土砂が少なくなり色も透明へと変わっていった。
「飲んでも臭みもないし大丈夫そうだ」
そう言いながら、ルシアは取りだした水を手にとって一口、口に含んでから呟いた。
「さて、問題はこの後だな……」
「どういうことだ?」
「家を作る前にさ、やらなければいけない事がある」
二人を自分の正面に移動させて、ルシアは地面に絵を書き始める。
「現状で優先するべき事が三つある。まず、一つ目だ。この水場だが、このままの状態にすると穴の途中が崩落するかもしれないし、誰かが落ちてしまうかもしれない。二つ目、自分たちが家で使った水がそのまま地面に流れてしまっては家の木などが腐ってしまうかのせいもある、そこでそう言った排水を流す物を作る必要があるだろう。そして三つめ、流石に綺麗になったとはいえこのあたりは穴だらけだ、整地する必要があるだろう」
ルシアは地面に書いた絵を丸で囲んで優先順位を着けた。
「最初は水場、次が整地、最後が排水だ」
「わかった。お前の指示に従おう」
「その前にだ。ガンド、お前魔力封印されているか?」
さっそく作業に移ろうとしていたガンドをルシアは止めて、聞いた。
その言葉に、ガンドは首を横に振る。
「大丈夫だ」
「じゃあ、すまないが魔界へ行って魔石を調達してきてくれ」
「魔石ってなんの魔石なのですか?」
ルシアとガンドの会話にしばらく入ってこれなかったアリスが首をかしげながら口をはさむ。
「浄化の魔石……それと、水源の魔石だ」
「浄化と水源の魔石ねぇ……?」
そんなもの何に使うのかと言いたげな怪訝な表情でガンドはルシアの方を見た。
「二つとも使い道はそれぞれだが、とりあえず浄化の魔石は大きいものを二つ、水源の魔石はできるだけ多く頼む……できるか?」
「誰に行ってる、任せておけ」
ルシアの言葉ににやりと表情をゆがめ、ガンドが笑いルシアに背を向けた。
「もう行くのか」
「なるべく早くあった方がいいんだろう?」
「頼んだ」
その一言を背中に受けてガンドはゆっくりと遠ざかっていった。
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