美しき狼

献残屋藤吉郎

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探偵物語

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貯砂を  大衆娯楽小説「探偵物語」 献残屋藤吉郎書房


〇大衆娯楽小説「探偵物語」

(1)探偵事務所を開く

東京の片隅で、探偵事務所を開い
た、、、伊達政男28歳の物語。
男気のある正直者だが、金はない。。。そして、探偵事務所といっても何でも屋だった。
新宿区早稲田1丁目にある木造アパートの1室であり、、、学生時代からの住まいに電話を1っ本
引いただけの事務所兼住居であった。アルバイトしてためた金で中古の軽トラックを1台用意したで
ある。
そして、携帯1個の商いであり、、、広告は携帯で宣伝していた。
彼の容姿は身長1
80cm、体重75kgといった頑丈そうであり、、、「探偵事務所」と言っても、
資格も何もない。
そこで始めは「片付け手伝いから、引っ越しまでをお手伝いします」と言って、、、注文を待った。
事務所を開いてから、、、1か月くらいはあるので、、一間の事務所兼住まいで電話が鳴るのを待った。
彼は金がなくても貧乏とは思わなかった、、、、学生時代もアルバイトしながら、大学を卒業したので、、、
そして、なぜ探偵事務所を開いたからというと、、、規則正しい会社勤めが嫌いだったのであり、、、誰にも
束縛されずに生きたかったのであった。
東京の空は春らしく青空を見せていた。広告はだした、、、、
伊達政男は電話が鳴るのを待っていた。。。。部屋で待つより仕方がなかった。
何の組織力もなく、後ろ盾もなく、ましてや「コネ」があるわけじゃない、、、ただ、ひたすら電話が鳴るのを
待つよりほかになかった、、、、独り身であり、食べることに困っているわけじゃないで、、、それでよかった。
待つこと7日間かな、、、待望の電話が鳴った。
伊達政男は笑みを浮かべながら、電話に出た。
「はい、、、伊達探偵事務所です、、、ご用件はなんでしょう、、、」と、、、
「もしもし、、、そちらは探偵事務所ですか、、、何でも引き受けますという、、、片付け、引っ越しでも」
「はい、、そうです、、、仕事はどんなことでしょうか」と、、、
聞き返すと、、、、
「東京でなくても、、、地方でも来てくれますか、、、」
伊達政男が用件を詳しく聞いた。
仕事内容は東京の世田谷区から京都府丹波市までの引っ越しで、荷物は年寄り一人分で、引っ越した先での
片付け整理もしてもらえるかという依頼であった
先方が言うには小型トラック一台分ぐらいだとのことであり、、、初めての仕事なので引き受けた。
お客様は、神田道子と言って、、、引っ越し先の住所、引き取り先まで連絡してきた、、、そして、
荷物量も正確でなく、運搬距離も分からないので、、、とりあえず、手付金として10万円を振り込んできた。
そして、運搬日を決めて、電話で仕事を引き受けた。


(2)初めての仕事、、、引っ越し片付け
伊達政男は最初の仕事の準備をした。
小型トラックのレンタルの手配、、、次に労働力の手伝い助手を、、、、
運搬のための労働力をいつも手伝ってくれるホームレス広場にたむろしてる「五郎」を探した。
そして、その日も昼飯をおごって、承諾させた。
「五郎、、、京都府丹波市まで引っ越しを引きうけたので手伝ってくれ、、」
暇な五郎は引き受けてくれた、、、、
五郎はホームレスをしてるけど、、、伊達政男とは気ごころあって、学生時代から付き合っていた。
ホームレス広場にビニールハウスを作り、気ままに暮らしていた、、、そんなある時に町のごろつきに
絡まれていたのを伊達政男が助けたのであった。
伊達政男は空手有段者であり、、そんな伊達を五郎は何となく尊敬していた。
五郎も正業に就くことなく、気ままにホームレスをしているのが好きだった。
そして、今回も伊達政男の初仕事でもあるので、手伝ってくれることになったのである。

(3)引っ越し運搬当日

伊達政男は五郎を連れて、世田谷区成城の家に向かった。
世田谷区成城は立派な戸建ての屋敷が多かったが、、、向かった先は古い屋敷だった、、、、そして、
思ったよりは瀟洒な平屋建てで、老人が一人で住んでいそうな所だった。
目的地についた伊達政男は、、、、まだ、人が住んでいるらしかったので、、、玄関先に立って、
「ごめんください、、、引っ越しに来ました伊達ですが、、、誰かいますか、、」と、、、
中から、一人の初老のおばあ出てきて、、、
「ご苦労様、、、娘から話は聞いていますので、、、よろしくお願いします、、、どうぞ、
中へ入ってください、、」
と、言われて、伊達政男は家の中に入った。
部屋の中はきちんと整理されていて、、、引っ越す荷物もまとめてあった。
伊達政男は五郎を使って、運搬する荷物をトラックに積み込んでいった。荷物も少なかったので前中で済んだ。
積み込みが終わると、立ち合ったくれたおばあさんが、、、「ご苦労様でした、、、」と、、、
お茶を入れてくれた、、、汗をかいた後の熱いお茶は旨かった。
積み込みがおわり、、、部屋の中も片づき、、、伊達政男が引き上げようとしたら、、、
おばあさんが、、、、「すいませんが、、、丹波まで乗せて言って、もらえないでしょうか。。。なんとかお願いします」
「私は今までにひとりで遠出をしたことがないので、、、心ぼそいんですよ、、、」
そんなことで、伊達政男は、、、腹の中では
偉いことになったなと思いながら、、、きついトラックに3人で乗ることにした。
京都丹波市までの珍道中がはじまった。

(4)80歳のおばさんとの車旅
世田谷区成城から京都府丹波市迄のトラック旅であるから、目的地の到着は夜になるようだった。
東名高速で京都まで走り、丹後有料道路を丹後まで向かう。。。
年寄りが一人便乗しているので、インターへの寄り道が多かった。トイレの使用で、、、、
午後6時ごろに浜松のインターにより、、、夕食をとった。
おばあさんがウナギをご馳走してくれるというので、甘えて食べた、、、二人とも久しぶりのご馳走であった。
おばあさんの名前は、浅田きみえで、、、、東京の世田谷で夫である浅田武夫と二人暮らしをしていたそうだ、
きみえは夫が亡くなってから、、、3年ぐらい独り暮らしであったが、京都府丹波市に住む娘から、一緒に住むように
誘われて、、今回引っ越すことになったのである。
最近の物騒な世の中で、、、白昼強盗などもあり、、、さらには年寄りで病気などのことも心配で、
娘が呼び寄せたのであった。。。。
きみえは一人暮らしが気ままでよかったのであるが、、、娘の強い要望もあり、、、早い話が
「おしがましい親孝行」に押し切られてしまったのであった。
きみえは伊達に言った、、、、
「運転手さん、、、年寄りは子供が思うほど、、、やわではないよ、、、あはあはあはー」
そして、、、「余りにも心配するからね、、、老いては子にしたがえ、、の心だよ」
「伊達さん、、、一番美味しいウナギを食べなさい。。。」
と、言ってくれた。
浜松のインターでうなぎを食べて、、、丹波へ向かった。
車中、きみえおばあさんはいろいろな話をしてくれた、、、おかげで眠くなることはなかった。

(5)丹波市に到着
東京からのトラック長旅も,もうすぐ終わりになる、、、
丹波市に入る手前、と言っても随分手前だけど京都で遅めの夕食をすることにした。
京都市内、祇園にある寿司屋で、、きみえおばさんが知っている「祇園寿司」に連れていかれた。。。
「ここは昔から知っているお寿司屋さんで、ハブ料理が美味しいの、、、ご馳走すらから」と、、、
寿司屋の暖簾をくくった。
伊達は感心した、、、このおばさんは通なんだ、、、遊び人だなと、、、
「どう、、、美味ししでしょう、伊達さん、、」
「はあーーー食べたことありませんよ、、、こんな高級な寿司などは、、、なあ、五郎」
と、相槌を相棒の五郎に求めた。
そんな美味しいし食事をご馳走になりながら、、、夜の丹波路を生きなおばさんと目的地に向かった。
東京を出たのが遅かったから、、、、丹波市の引っ越し先着いたのが午後10時を過ぎていた。
「きみえおばあちゃん、、、夜も遅いので荷物は明日下ろしますよ、、、今夜、俺たちは車のなかで寝ますから
、、、娘さに挨拶だけしてきますよ、、」
と、言って伊達は車から降りた。
そして、、、「こんばんわ、、、神田さん、、、遅くなりましたけど、、、頼まれた荷物を運んできましたけど、、
きみえおばあちゃんも連れれ来ましたよ。」
着いた家の神田さんはびっくりしてた。
「ええーお母さんも一緒ですか、、、まったく、相変わらず無茶をするんだから、、、」と、、、
挨拶をしながら、びっくりで、、、「本当にすいません、、、無理を言ってごめんなさいね」
それから、伊達は説明をして、、、荷物は明日下ろすことにした。
その夜は神田さんの計らいで、泊めてもらうことにした。


(6)伊達政男ときみえおばあちゃん意気投合
神田道子さんの家に泊めてもらうことになった、伊達達ふたり、、、、
食事は済んでいたので、寝るだけだったが、、、すみえおばあちゃんが伊達を気に入ったのか、
世間話やら、家族の話を始めた。。。
更に、伊達のことをいろいろ聞き始めた。今は6畳一間のアパート住まいで、大学もアルバイトをしながら4年のところを6年かけて卒業したことを話した。。。
伊達は聞かれたので、、、家族は母一人で、どちらかというと貧乏暮らしであった。子供のころから母が苦労していたので、金の有難み、大事さは知っていた。
それでも貧乏は何とも思わなかったし、、、金が無いのも苦にはしていなかった。
生来が楽天家でもあり、、金は働けば稼げると思っていた。
仲間の五郎もホームレスであり、若くて、健康なので、働くことに生きがいをみい出していたのであった。
アルバイトをしながら早稲田大学法学部を出て、、、弁護士を目指していた。
時間はかかるけど、頑張るつもりだと、すみえおばあちゃんに話した。
「そうか、、、伊達、、、お前は男だな、、、なかなかいいよ、、、頑張れ。。
ところで、わしが住んでいた世田谷の家を売るから買え、、、」
と、突然言い出したのである。
理由は誰も住まないし、空き家にしておくのはもったいないからというのであった。
「何を言うのですか、、、とても、俺には買えませんよ」
「いいから、、、買え、、、あの家をお前に売るよ、、、どうだ、10万円で」と言われた。
わしがもっていても、後を継いで住んでくれるものが居ないというのだった。
娘の神田道子は結婚して、その旦那と丹波市に家を作って済んでいるからと、、、
そんな訳で話が進み。。。伊達政男は家持ちになったのである。
偶然だが、、、神田道子の旦那は弁護士だった。
「よし、決まった、、、伊達政男はわしの孫みたいなものだ、、、頑張れよ、、、
それからわしが当分の間はお前のスポンサーになってやるからな。。」
話はトントン拍子で進んだ。
丹波市で引っ越し片付けが終わり、、、伊達達は丹波を引き上げた
人とは面白い不思議だ、、、親切に対応すると、飛んでもないいいことがあるもんだと、
伊達政男は思った。
思いがけなく家が手に入ったのであった。
今後の人世で伊達政男は覚えた、、、、人には親切にやさしくすることを。


(7)丹波からの帰り道
伊達政男は気分がよかった、、、偶然というか、、奇跡的に、幸運にも家が手に入ったのである。
内心思った、、、ついていると。
これが運がいいというのだ。これからの人世道で、さいさきがいいというような気がしてきた。
相棒の五郎と何とかなるまでは、二人で引っ越し片付け専門で頑張ろうと思った。
世の中のいろんな人と巡り合い、、人間関係を勉強していこうと、、、
きっと、弁護士の道にも通じると思った。
多くの人々と知り合い、人の情け、冷たさを知ることが、、、人の心を知ることが必要だと。
学問上の勉強も知識も、、社会の人が生きる知識もいいのだと、、、
伊達政男は社会学を世の中を知ることが大事なことと。
「五郎、、、お前も俺のところへ来いよ、、、そして、共同生活をしよう」
と誘った。
ホームレスをしている五郎は喜んで参加することにして、、、二人の共同生活が始まった。
東京への帰り道、、、二人は色々と夢を語り合った。
まずは二人は譲り受けた家を見に行って、、、改めて、その家を見て心が弾んだ。
「五郎、、、二人で稼いで、まずは中古でもいいから運搬車、そうだな2トン車を買って、
頑張ろうぜ、、、庭も広いし、、車庫が付いているようだしな」
「五郎、、、自分たちの引っ越しだな、、、」
「兄貴、宜しく頼むぜ、、、何があってもついていくから。。」
と、、それぞれの荷物を運びこんだ。
二人の荷物を運びこんでも部屋は広く、、、余裕であった。
引っ越しが終わった、その晩は新しいこれからの家で伊達政男たちは寝た。
これからの夢を見ながら、、最高の夜を過ごした。


(8)伊達政男、五郎を連れて中古トラックを探しに

世田谷の住まい兼住宅の一戸建てで、目を覚ました伊達政男はこの新居で、仕事が出来ることが嬉しかった。。。。生れて始めてかも知れない、幸せだと心から思ったことは、、、
今回のことでは「すみえばあちゃん」には感謝しなくてはならないと、、つくづく思っていた。
その為にも、頑張らないと、何が何でもやり遂げて、すみえばあちゃんにお礼をしないと、、、、
新居で目が覚めた、伊達政男は。。。五郎と新居で初めての朝食をとり、、軽トラックで出かけた。
世田谷通り、8号線を見て歩いた。
何せ、予算は40万円しか用意出来なかった、、今までに貯めていた虎の子と今回のすみえばあちゃんの引っ越し代金だけであったので、、、
「五郎、、安くて、いいトラックを見つけないとな、、、とにかく、いくつかの中古センターを見て回ろうか。。。」と話しながら、トラック探しを始めた。
「そうだよな、、、兄貴のなけなしの金だものな、、、よく見て回ろう」
と、、、二人で中古トラックを探した。
なかなか、いいものが見つからなかった、、、
「五郎、、腹減ったな、、、ラーメンでも食うか」
環状8号線通りにあるラーメン屋に入った、、、伊達政男は好きな餃子と醤油ラーメンを頼んだ。。。五郎も同じものを頼んだ。
そのラーメン屋の店内に張り紙があった、、、五郎が見つけて。。
「兄貴、、、トラック譲ります、、って、書いてあるよ。」
「おお、、ラーメン食べたら見に行くか。。」ということになり、、、二人で腹ごしらえをして見に行くことにした。
伊達政男がラーメン屋の店主に聞いてからということで、、、
「そのトラックを売るやつは、俺の友達だから紹介してやるよ。。」
となり、場所も教えてもらい行くことにした。
先方に連絡もしてくれて、その場所にある会社に出かけた。



(9中古トラックが縁で、運送会社の下請けを始める。

伊達政男は五郎と、ラーメン屋に紹介された自動車修理をしている町工場を訪ねた。
「こんにちわ、街道ラーメン屋で紹介されて来ました、伊達と言います、、売りに出てる
トラックを見に来たんですが、見せてもらいますか、、、」
「おう、ラーメン屋から話は聞いている、、、その売り物のトラックはこれだよ、」と言って、
見せたくれた、、、、
そして、運送屋もやっいるので、荷台にはシートが付いていた、、、、シートといってもほろ付きであった。。
伊達政男はトラックは色あせて古いようだったが、、、値段が合えばいいかなと思い、
「いくらですか、、、」と尋ねた。
「兄ちゃん、、、何に使うんだい、、、気にいたら安くするよ」とその自動車屋の人が言ってくれた。、、、
「はい、、、引っ越し屋をやるんですが、、、ほろも付いているのでいいですね、、」
「そうかい、引っ越し屋か、、、仕事はあるのか、、」と、、聞くので、仕事は探しながらだと答えた、、、
自動車修理屋のおやじは、、、
「どうだ、、、うちの下請けをしないか、、、運送屋もやっているので、」と言われて、
伊達政男は乗り気になった。
その自動車修理屋の話に興味をも持って、、話を聞いて、伊達政男はその車を買う気になった。
そして、下請けをしてくれるなら、、20万円で譲ってくれるというので、商談はまとまった。
伊達政男はその自動車修理屋、商店名は「坂東修理紹介」というところから買うことにした。
奇策な店主で、車検も残っているので、代金支払いが済んだら、、、
「今日、車を持って行ってもいいよ。」ということになった。
中古トラックの売買契約もすませた。
名義は変えておくので、必要な書類は届けて置く様にとなり、、、そのあとで下請け契約も
してくれた。
そして、車の修理は面倒を見てくれるということになり、、、伊達政男は五郎と引き上げた。
伊達政男は五郎と買ったトラックと、、軽自動車を運転して帰った。
伊達政男はつくづく思った、、、ついていると、、、自分にも人世運が向いてきたようなと。。。
人生はまじめに、真剣に前を向いて歩いていると、、、努力をすれば、少しづつではあるが、前進するのだと、、、
世田谷の自宅に戻り、、五郎と話をした。。。予算より安く手に入ったので、色あせた、古い車の塗装の相談を、、、自分たちで広告を書き込んで行くことにした。
「五郎、、ちょつとだけ、、、俺たちの夢が前に進んだな、、、頑張ろうな」
と、、、塗装のペンキを買いに出
その夜は将来の夢を語りながら夜が更


(10)伊達政男と五郎は購入したトラックと軽自動車に名前を書き込んだ。

伊達政男と五郎は購入したトラックに「伊達探偵&運搬コンサル」と名前を書き込み、自分たちでトラックに色付けをした。
同時に宣伝文句を入れた。
「引っ越し専門、、何でも相談、探偵業務を引き受けます、、、そして連絡先電話を書き込んだ」
一日がかりで仕上、その日は二人ともペンキ塗れになり疲れたが、夜はなけなしの金で、外食をして、仕事始めのお祝いの真似事をした。
翌日から、トラックを買った「坂東修理商会」へ行ってこれからの仕事の打ち合わせをした。
坂東社長から運送業務、1週間分の予定表を渡され、指示に従った。
「おはよう、、、仕事は1週間分ずつに分けて予定票を渡すから、自宅から直接にやってくれ、、」
そして、毎日電話連絡をしろよ」
伊達政男と五郎は仕事を始めた。
最初の仕事は、東京板橋から茨城県守谷市までの引っ越し荷物であった。そして、そのあとは守谷市から水戸市、仙台市と泊まり込みの運搬だった。
守谷市の引っ越し仕事は単身赴任の仕事だったが、水戸市の引っ越し仕事は女性の引っ越しで、その女性の仕事は水商売らしく、、、荷物も洋服等が多かった。
そして、その女性の話だと、、、「兄ちゃん、、、ゴミ一つ残さないようにね、、兎に角、引っ越し先が分からないように、、、旦那から逃げるんだから」と、,
荷物の持ち出しに神経を使っていた。
荷物を積んだら、、自分の車の後をついてきてくれと言うのだった。
伊達政男は人世いろいろだと思いながら、その女の車の後をついていった。
行く先は石岡市で、、、途中で食事をしながら、目的地のアパートに着いた。
予定より時間、距離が増えた分は超過料金を貰うことにしたが、料金より多く払ってくれた。
仕事が終わり、、次の目的地、仙台に向かった。
「兄貴、、あんないい女の旦那って、何してるんだろうな、、、金もかかるし、、一人も女がいない奴から見たらうらやましいな、、、」
と、、五郎は話しかけてきた。
世の中、矛盾してる、、、金があれば自分の女房以外に女を作ったり、、、贅沢が出来る。
この世の中、金次第だ、、、なんといっても金を稼がないと思った。
「いや、、、俺は馬鹿なことはしないよ、、、結婚したら、、一緒になった女を大事にして、
家族を守るから
と、、、五郎は言っていた。


(11)伊達政男と五郎は東北へ出かける。
今回の伊達探偵事務所の仕事は、東京板橋から仙台松島の観光明媚な松島のホテル街の一つである、松島観光第一ホ陽テルの跡取り息子たちのおぼちゃま大学である名前も知らない遊び大学を卒業しての帰郷であった。
引っ越し荷物は贅沢なものばかりで、勉学には不必要のなものが多い。
伊達は、うらやましく無いが無駄なような気がした.
伊達の場合は6畳一間の風呂なし、トイレなしの木造アパートであり、実家から布団だけを持ってきた学生生活だった。
引っ越し相手が学生の場合には、どうしても比較してしまうのである。
引っ越しが終わっ後で、その学生の親であるホテル社長の海音寺東寺と会って、挨拶をしながら清算をしてもらった。
その時に頼まれた、、、
「あんた、、探偵もしているのか、、、一つ相談にのってもらえないかな」
と言いながら、身上調査を頼まれた。
伊達は東京に戻らず、資料を受け取り、五郎と二人で始めることにした。
非調査人は「海音寺一郎、、、ホテルの跡取り息子である、本来の調査依頼人は父親の
海音寺東寺であるが、息子の結婚相手の調査をするとともに、息子の大学時代の素行調査も
頼まれたのであった。
「五郎、嫁さんと、息子の調査はどっちからやるかな、、、」
五郎が応えた。。。。
「兄貴、調査対象の、、、嫁さん、、大河内朱美は住まいもであった親もとも東京目黒だから、調査して行くか、、」ということで調査を始めた。
大河内朱美は慶応大学の卒業で、現在は財務省勤務の妻女であった。
その河内朱美の素行は、調査をしてみると決していいとは言えなかった、、、
身長165㎝の長身でスタイル抜群であり、、、いわゆる容姿端麗である。
男がほってはおかない女だ、、、、 
 

(12)探偵調査始まる
大河内朱美は、、、、
定時に出勤して、、、定時に退社してた。
しかし、彼女は遊び人だった、、、
白銀台のマンションで独り住まいであり、、、時間は自由であった。
従って、帰宅も自由であり、好きなように遊べた、、、、
伊達と五郎はびっくりした、、、こんな自由な女がいるものかと、、、、
考えてみるとおそろしい、、、
まるで、昼と夜との顔が違うのである。
伊達政男は大河内朱美の素行調査をして、、、調査結果を報告するのが怖かった。
また、、海音寺東寺の息子の一郎の素行調査も散々だった。。。
海音寺一郎も大学はほとんど行かず、昼間はマンションでお昼ごろまでごろごろして、、、午後は遊び仲間とマージャンをしたりして遊んでいた。
夜になると、ディスコ遊びと、バカ息子をしていた、、、、
ゴージャスなマンションに住み、、、スポーツカーを乗り回す、、道楽息子だった。
海音寺一郎には危険な友達がいた、、、やくざの息子で、財善治五郎という男だった。
彼は普段から豪語していた、、、大学を卒業したらやくざ稼業を継ぐと、、、
危ないともだちであった。
従って、この息子の身辺報告も提出するのが嫌だった。
しかし、、、伊達政男は調査が終わると、、、仙台松島の海音寺東寺のもとに報告に言会った、、、、
報告書を提出すると。。。。ほしい
海音寺東寺は唸った、、、「やっぱり,そうか、、、ご苦労様」と言って、
謝礼金を渡してくれた。
「伊達君、、、君たちとは大分違うな、、、これを縁によろしくな。。。
いつでもいいから、、、遊びに来てくれた前、、、あはあはーーー」
 。」別れた、、、最後に海音寺東寺は娘のさくらを紹介してくれた。


(13)伊達探偵事務所も運送業始めてから1年が、、、
伊達政男と五郎は、、探偵仕事「身上調査」をしながら、、、運送仕事をしてきた。
そんなある日、以前、依頼された仙台松島の海音寺東寺氏から、、、訪ねて欲しいと連絡があり、訪問した,

一郎の大学時代の友達で、財前五郎とのことであった、、、やくざの息子ということもあって、
注意はしていたのであったが、、、やはり、深入りしていた。
覚せい剤に手を出しのていたのであった、、、そして、ヤクザの息子の財前五郎が逮捕されて、、海音寺東寺の息子一郎は、現在、逃亡中であり、、、
海音寺東寺に助けを求めてきたのであった。
そこで、相談があり、、、どうした
ものかと、、、
伊達政男は早稲田大学法学部卒業で、弁護士を目指している話を、海音寺東寺聞いていたので、相談をしてきた。
相談を受けた伊達は、
「少し、時間をください、、、友達に検事がいるので、調べてみます」
と言って、、時間をもらった、
伊達政男の調査では、、まだ、警察までの話は出ていなかった。
伊達は海音寺東寺に報告した。
そして、息子の一郎を連れ戻し、、、親もとで、しっかり、監督してくださいと、、、今なら間に合うと、、、
伊達は告げた、、、家業をしっかり、継がせて、外に出さないようにと、
覚せい剤に手を出しているので、、、難しいかもしれないが、、、
「海音寺社長、、、よかったら、私が預かりましょうか、、、私のやり方で、
汗を流させましょうか、、、」
ということで、伊達政男が海音寺一郎を預かることになった。


(14)海音寺一郎を預かる、、、
伊達政男は、海音寺東寺の息子を預かり、、海音寺一郎をが運送業の運送手伝いとして、働くことになった。「一郎さん、、、これからは一郎と呼び捨てで呼びますから、、、辛抱してください、、」
そして、運送の仕事はきついですが、頑張ってください、、、と告げてから、、、
海音寺一郎、おぼちゃまを使うことにした、、、まだ、覚せい剤には侵されていなかったので、、
しばらく、労働して、いい汗を流せば、、いい青年になるだろうと。。。
伊達政男は同じ家で、寝起きをして、労働がどんなものかを分かってもらおうとしていた、、、
「一郎、、、仲間の五郎だけど、、、慣れるまでは、見よう見まねで、いっしょにな。。。」
「それから、、、一郎,逃げ出すなよ、、、」
と、伊達は念を押しておいた。
今まで、何もせず、、、遊びばかりしていた、、、一郎にはからだを動かすことだけでも、きついはずであった、、、それでも、伊達政男も動かした。
自分たちも動いての労働なので、、、泣きそうになりながら一郎も踏ん張った。
仕事が終わって、家に帰ると、一郎はダウンしていたが、、、五郎が励まして、一緒にご飯の用意をしていた、、、
次の日も次の日も、、、運送の労働だった。
伊達から見ても辛いと思った、、、しかし、今までの付けがきたのだと、、、一郎に言いながら、
励ました、、、、
一郎も汗まみれになって働いた、、、、
運送の仕事も1年が過ぎたころには、、一郎の遊ぶ癖も取れた、、、

































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