転生したようなので妹のために奮闘することにしました

紗砂

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決着……?

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私は皆を守るべく、詠唱を開始した。


「『水よ。
全てを創りし偉大なる清き水達に私は願います。

私がここに願うは大切な者達を傷つけんとする炎を消去る事!!
偉大なる水達よ…私の声に答え、空を彩りし深紅の炎をあなた達のその綺麗な蒼で染め上げて。
全ての苦しみはあなたの水で流される。

代償は私の魔力、その全て!
さぁ、穢れを知らぬ水達よ!
その猛々しく燃え盛りし炎を消去りなさい』」


私は水を打ち込んですぐに別の詠唱を開始した。


「『全てを照らす聖なる光よ。
私の求めに応じ、その大いなる力の一部を貸してください。
それは穏やかで暖かな強き意思により発動する。

巫女の称号を持ちし私が望むは全てを守りし絶対の防御!!
私の守るべき大切な者を守りし強き光。

全ては私の持つ光で形成される。
私の魔力と意思により発動せよ!!』」


アンリの授業のときよりも意思をしっかりと持つ。

そうでなければ簡単に破壊されるような作りの防御魔法になるのだから。
意思の力が強ければ強いほど硬く、攻撃を通さない絶対の盾になるが意思の力が弱ければ脆く、どんな攻撃でさえ通すなんの役にもたたない盾になってしまうのだ。
だがそんなリスクがある分、意思が強ければ魔力の消費も少なく、簡単にはる事が出来るのだ。


私が防御魔法を貼ってすぐ、火属性魔法が放たれる。
最上級というだけあってかかなり規模が大きい。
というか、そう軽々と最上級を放つのはやめて貰いたい。


『来るぞ!!』

「シルフィー!!
一旦魔法を解除してこっちに来て!!」


シルフィーだって風の精霊を統べる女王だと言っても火属性に対しては弱い。
そんなシルフィーが私より前にいるなんて看過できるはずがない。

そんな私の思いが分かったのかシルフィーは苦笑しつうも私の隣にくる。
本当は後ろにいて欲しいのだが本人は絶対に動かないだろう。


「えっ…!?
ちょっ…ルー!?
これはっ……」


リマが風の結界……?から解放され、敵の魔法を見ると慌てだす。
そして私が既に発動させた魔法を見てから私の隣にたった。


「ルー、今度からは私も頼りなさいですの」

「……善処する…!」

「……巻き込むと言ったのは何だったんですのよ…」


リマの呆れた声が届くが知らないフリで通す。

そんな事をしている間に敵の魔法は強化されて私の水魔法へと当たる。
……が、強化された炎は水を蒸発させこちらに向かってくる。


「お姉ちゃん、私があの炎を切るよ」

「……いや、炎って切れるものじゃないだろ」


エリーは何を言っているのだろうか?
炎を切るって……せいぜい火球程度までじゃない?

…あぁ、あの威力をもう少し落とせばなんとかなるって事を言いたいのか。
まぁ、エリーにそんな危険な事をさせるわけにはいかないんだけど。
というか、可愛い妹にそんな事させたらお姉ちゃんとしてのプライドが!!

……どんな手を使ってでも守りきらなければ……。
全てはお姉ちゃんのプライドと妹の安全のために!!


色々と残念なルシャーナであった。



「……強化。
強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化強化!」

「ルーシャ!?」

「可愛い妹を怪我させるかもなんて……許せるわけないでしょうがぁぁぁ!!
ラスッ!!」


私は魔力や体面の事などの考えを全て捨て去りただ大切な可愛い妹を傷つけるかもしれない魔族に対する怒りだけで魔法を放つ。


『ルーシャよ、これを強化すれば良いのだな?』

「うん、お願い」

『承知した。
……………これで大丈夫だろう』


ラスは手をかざしただけで簡単に強化を施す。
その強化は私の強化よりも魔力を使っていないように見えるのに何倍もの力が込められているように感じた。


「……まだまだだなぁ…」


と呟くと同じにラスの強化がかけられた防御魔法へと炎があたりボッという音と共に消えていった。
その光景にシルフィーとラス以外が口を揃えて言った。


「「「「……しょぼ」」」」

『なっ…なっ!!
人間が…調子に乗るなぁぁぁぁぁ!!』

『……あ~…リリス、怒っちゃった』


抑揚の無い声のバアルと怒りで顔を染めたリリスはチグハグに見える。
……何であの2人がコンビを組んでいるんだろうね?


『ルーシャ、僕が出ていい?』

「ん?
いいけど……煽らないでね?」

『うん!
大丈夫!!
任せて~!』


リオは相変わらずの能天気な声で答える。
……この場に似合わぬその声に私は思わず力を抜きそうになる。
………本当にやめてほしい。


「ふふっ…久しぶりだねリリス?
まさか君が僕の敵に回るなんて…。
………覚悟は出来ているんだよね?」


リオは何時になく怖い。
いつもとは全く違う、思わず身震いするほどのリオの笑み。
それを目の前にしたリリスはガクガクと震えだした。


『あっ……あ……』

「あはっ……何言ってるのかな?
僕の契約者であるルーシャを殺す?
ねぇ?
君をここまで育てたのはそんな事をするためじゃないんだ。
君はさぁ…僕への恩を仇で返す気かな?」


段々とリオの声が低くなっていく。
それに伴い周辺の温度が急激に下がる。
リリスが遂に泣き始めてしまうほどに。
それ程までに今のリオは怖い。


『え、エスカリオス様っ……』

「リリス、いいんだね?
今ならまだ…ルーシャが許せば僕も許してあげる。
けど……このままなら君は僕の…七つの大罪の1人、憤怒の王の敵と認定するよ?」


…1つ言いたい事があるとすれば……。
お前リオはリリスの上司だったのかよ!?
だ。

それともう1つ。
上司なら部下の管理くらいしっかりしておけ!!
だろう。


『あっ……も、申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!
ル…巫女様!!
どうか、どうかお許しくださいませ!!』


…それは誰が見ても見事な土下座だった。
私の前に飛んできたかと思えばいきなり土下座をして謝罪するリリスに私は勿論、皆ドン引きだ。
そして、皆、私が許すと思っているのだろうが優しい視線を投げかける。
だが。
私が許す気は微塵も無かった。


「……はぁ?
私の可愛い可愛い妹を傷つけようとしたうえ、私の大切な友人や仲間まで消そうとしたのに……よくまぁそんな事が言えるよねぇ…?」


私は笑顔で言い放つとリリスは再びガクガクと震えだした。
そして、リオは当然という顔で見ているが……リオも同罪だ。


「大体さぁ…リオもリオだよね。
上司だったら部下の手綱くらいしっかり握っておくのが普通でしょうが。
何裏切られてるのかな?」

「うぇっ!?
ル、ルルルーシャ!?」

「リオ?」


私が口元にだけ弧を描くとリオはリリスの横に正座した。
それにリリスはギョッと眼をむくがリオが震えている事に気づいたのかすぐに視線を逸らした。

いや、そこまで怒ってはいないんだけどね?
何となくノリで?

まぁ、ノリでもなんにせよここまできたら後戻りは出来ないのだが。


「さて……2人にはどんな罰がいいかな?
浄化の結界に1時間入れとく?
あぁ、安心して?
最上級を貼るし、リマにも協力してもらって強化もするから」

「『ヒィッ……』」

「そ、それだけはっ……!!」

『すいませんでしたぁ!!
で、ですからそ、それだけはご容赦を…!!』


……いやぁ…分かってたけどここまで嫌なものなんだねぇ……。
というか、私まだ浄化系は最上級使えないし。


「…お姉ちゃん、からかうのはそこまでにしたら…?」

「え、エリーはいいの?」

「私はそこまで怒ってないから…」


なら私がここまでやるのはお門違い…か。


「そう?
ならいいや。

で…バアル、だっけ?
君は私の敵になる?」

『…ん~、どうしよう…?
でも…僕もリリスもやりたくてやったわけじゃないんだよねぇ…』


と。
一番大事な部分を、軽く聴き逃しそうになった。


「やっぱりかぁ…。
そうじゃなきゃ、リリスがこんな大胆な事をやるわけが無いもんね~」


リリスとバアルは何処か苦しげだった。
……ここまで首を突っ込んでおいて何もやらないっていうのも…ねぇ?
それにリオにも関係ありそうだし…。


「リリス?」

『……エスカリオス様…巫女様……お願いします…!!
母さんと弟を助けて、くだ…さい…』


詳しく話を聞くとリリスとバアルの家族がその黒幕だかに囚われているらしい。
この命令もその黒幕からの命令らしいが…誰かは分からないらしい。
で、唯一の望みをかけてここまできた…と。

……へぇ?
ここまで小馬鹿にされたのは初めてかもしれないなぁ…。
前世でもこんな事は無かったのに…。
で、ここまでされたんだから黙っている訳にもいかないよね?
あはっ…殺ってやろうじゃないか。


「さて…リオ、殺りに行くよ。
リリス、バアル。
2人は私を捕らえた感じで連れて行って。
私の抵抗があまり無かったって事にして……少しメイクを施そうか。
それで問題無いはず。
そこで殺せと言われたら私が魔法を発動する。
…そうだね。
ここでは私が力を隠していた、という事にしよう。

それと、シルフィーは別行動で2人の家族の場所を調べて。
出来そうならそのまま助ける。
無理そうならそこで待機。
2人の家族を守って。
他にも捕えられている人がいたら守っておいて。
他の精霊にも声をかけて情報集めをお願いしてくれるとありがたいな。
その情報は全てシルフィーと私の両方に送る事。
私とシルフィー、リリス達と会話が繋がるようにしておいてくれると尚良し」

『承知した。
我が子らよ、聞いたな?
頼むぞ!』

「もう……ルーシャはお人好しだなぁ……。
まぁ、そういうところも好きなんだけどね!」


リオとシルフィーは快く引き受けてくれた。
……まぁ、リオの方は当たり前なんだが。


『で?
ルーシャ、私の役割はなんだ?』

「………え?」


予想外のラスの言葉に私はポカンとする。
そんな私の表情にラスの期限が悪くなっていった。


『……もしや、私の役割が無いとは言わぬだろうな?』

「え…そ、そんなまさか!
ラスは分かってくれるかなぁって思っただけだって!
ラスには救出した後の治癒を頼みたいんだ。
それと、シルフィーだけじゃ不安もあるから……」

『む…承知した。
ルーシャの願いならば何があろうと叶えよう』


咄嗟の機転によりどうにかラスの機嫌をとれた私だった。


……ラスの機嫌を損ねたらどうなるか分かったものじゃない。
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