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魔神編
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しおりを挟むでもって、その一ヶ月後。
イルミは結局俺を超えることは出来なかったものの、かなり強くなった。
「……ついに、行くのか」
リュークが重々しく呟いた。
それに反応したのはレクトだった。
「ふん、お前がそんなことに緊張するなんてな。
どうせ、既に一度行ったんだ。
どうってことないだろう」
いや、それはどうかと思うんだが。
と俺は思うが、リュークは馬鹿だ。
それも、かなりの馬鹿だ。
「それもそうだな」
と、何故か納得した。
「カリン、お前も本当に行くのか?
俺としては残っていて欲しいんだが……」
「まだ言ってるの?
行くに決まってるじゃない!
……カイが危険なところにいるのに、大人しく待ってなんかいられないわよ」
カリンが少しだけ顔を赤くしながら口にする。
今日もカリンは可愛い。
まあ、こんな時に考えるようなことではない気もするが。
「カリンのことは、俺が守るけどな」
「守られるだけなんてごめんよ。
私は、大人しく守られてなんかいないんだから。
カイを守るために行くんだもの」
カリンが真っ直ぐに俺を見る。
確かに、カリンは大人しく守られているような奴じゃない。
自分でどうにかするような奴だ。
だが、だからこそ心配になるんだが。
「うっわー。
カリンとカイ、ラブラブっすねー……。
羨ましいくらいっす!」
ティードが邪魔をする。
それにより、カリンがまた恥ずかしそうに俯いた。
「カリンは渡さねぇからな?
ってか、そろそろ行くぞー」
「ようやくか」
「うぇっ!?
は、はい!」
「了解っすよ!」
「カイ様の足でまといにならないよう、気を付けます!」
「えぇ」
レクト、リナ、ティード、イルミ、カリンの順に返事が返ってくる。
そして、リュークに目をやると、リュークは笑った。
「あぁ。
カイ、かなり予定が狂ったが、今度こそ終わらせるぞ」
「おう!」
俺は魔族に、リュークは勇者に。
村人から始まってここまで狂ったことになった。
だが、それもようやく終わる。
……終わらせる。
「転移陣、起動。
接続、魔族領、王都屋敷まで」
移動に自らの足なんてものは使わない。
使うのは、転移陣だ。
転移先は王都にある、俺の屋敷。
「さて、冬夜の奴は無事だといいが……。
魔神なんかに負けんなよ、冬夜」
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