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本編
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しおりを挟むそして後日、私はアル達と共にエリンスフィールへと向けて出発しました。
予定では、明日には国内に着き、明後日に面会、となるそうです。
ちなみに、ルアンは先日の話が決定したため、エールに残ることとなりました。
そのため、ルアンの座るはずだった私の隣には何故かアリスが居ます。
ニールでも、ルーファスでも、ハーネスでもなくアリスが、です。
「エリス様とこうして旅をするのは2年振りなので嬉しいです」
「そうですね。
私もアリスも忙しかったので仕方ありませんが……。
ニール達に任せてきてしまって平気だったでしょうか?」
「やることは基本変わらないので問題はないと思います。
ただ、その規模が少々変わるだけなのでエリス様が心配なさるようなことはないかと」
らしいです。
とはいえ、アリスが言うことですし、規模も少々どころではないのでしょうが。
ニールが心配ではありますが、本店の方には優秀な者も多いのでなんとかなるでしょう。
「なぁ、何でそんなエリスを慕ってるんだ?」
空気を読まない方が約一名いらっしゃいました。
カイン様の言葉に、アリスは笑顔で固まっていましたが、すぐに戻るとその問いに答えました。
「私は、孤児院の育ちですから。
仕事を貰うことも出来ず、食べるものすら無くなった頃、エリス様がいらっしゃったのです。
エリス様は、私を始めとして孤児院の子を見ると食べ物を与えてくださいました。
そのうえ、孤児院の運営資金を横領していた者を断罪すると、私たちに選択肢をくださったのです。
エリス様の立ち上げる商会で仕事を得るか、私達のやりたい仕事をするための知識を得るかを」
それは、私が商会を立ち上げる前の話でした。
その頃、従業員となる者を集めようと、貧困層で探していたのです。
その時、アリスのいた孤児院の話を聞き、見てみようと行ってみればかなり酷い状態になっていたのです。
なので、お父様にそれを伝え、更に個人的にも調べてみれば横領事件が発覚したのです。
「私達は、エリス様に救われました。
エリス様のおかげで、孤児院は潰れずに済みましたし、孤児院の子達も死なずに済んだのです。
なので、少なくとも私はエリス様にその恩を返したいと思っています。
何より、エリス様は優しすぎる方ですから。
私達と同じような者を助けるために、無理をなさるような方です。
そのような方を、私はお傍で支えたいと思ったのです」
私は、アリスの言葉に顔を背けました。
それにしても、優しい、ですか。
そう言われたのは初めてのような気がします。
私がやっていることは、所詮自己満足と言われる程度のことでしたから。
それが分かっていてやっていたのは、それで少しでも救われる人がいるかもしれない、そう思っていたからに違いありません。
「ふーん。
じゃあ、殿下と同じだな!」
「エリス様と同じにしないでください!
私達のエリス様の方が素晴らしい方です!」
アリスはカイン様の言葉に言い返しました。
そして、そんなアリスにカイン様が言い返します。
「殿下の方がカッコいいし、優しい!」
「エリス様はお綺麗ですし、優しいうえにお菓子も美味しいです!」
「殿下だって、それくらい出来る!
俺らの殿下は頭も良くて、気遣いも出来るんだぞ!」
「エリス様だって、負けていません!」
そして、段々と自分達の主の自慢話へと変わっていきました。
本人達は良いでしょうが、私やアルからすれば赤面するしかありません。
「も、申し訳ありません、アル」
「いや。
こちらこそ済まない、エリス」
その後、カイン様とアリスの口撃が一段落ついたところで私とアルが二人に対し注意をしたのは当然のことでしょう。
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