49 / 70
本編
42
しおりを挟む何をもって、名を穢したというか、ですか。
確かに、抽象的になってしまいますからその質問は良い質問だと言えるでしょう。
とはいえ、
「そう、難しく考えなくとも大丈夫です。
ただ、あなた方の起こした行動により、フィーリン商会の評判が落ちる、などということが無いようにしていただければそれで問題ありません」
「それだけでいいのか?
いや、けど俺たちは前科持ちだ。
そんな俺たちが働くだけで不利益になるんじゃないか?」
「問題ありません。
フィーリン商会では、公正したのであれば前科持ちであろうと関係なく雇用していますから。
勿論、働きによっては昇給もありますし、責任者を任せることもあります。
フィーリン商会は、孤児であろうと、スラム育ちであろうと、前科持ちであろうと関係なく、その実力により判断します。
来るもの拒まず、去るもの追う、それがフィーリン商会の在り方ですから」
私が調べたところによると、前科持ちの方が再犯を犯すのは、仕事にありつくことが出来ず、生活出来ない状態にあるから、という理由が大半でした。
ならば、どうすればいいのか。
それは、そういった方々が働ける環境を作ればいいのです。
そういった面でも、国や人々にとってフィーリン商会は重要な役割を果たしていました。
「アリス、聞いていましたね。
この3名を見習いとして、フィーリン商会エリンスフィール王国支店への所属とします。
アリス、申し訳ありませんがリアム、ルシュカ、シャールの3人を呼んできてもらえますか?」
「承知致しました」
アリスが退室してからすぐに、私の呼んだ3人がやってきました。
「エリス様!
お呼びと伺いましたが、どうかなさいましたか?」
「また、どこかに行かれてしまうのですか!」
「なっ……次こそは私をお連れください!」
この3人は相変わらずですね。
これがなければ良いのですが。
「紹介します。
この3名は今日から見習いとなったイルフェ、レオ、リュカです。
あなた達が、この3人の師として教えてあげてください。
いいですね?」
「僕が、師?」
「私が、ですか」
「うー、私が師匠だなんて無理ですよぉ……」
やはり、嫌なようですね。
師となれば面倒事も多くありますから仕方ないのですが。
その分給料を上げているのですが、やりたがる人物はかなり少ないのです。
ですが、それでも私がこの3人を選んだのは理由があります。
「ならば、仕方ありませんね……。
この3人に関しては、報告の際に私のもとまで来てもらうことになりますから、あなた達ならば、と思っていたのですが、残念です」
少し、視線を下に向けて口にすると、シャールがはいっ、と手を上げました。
「私、やります!
やらせてください!
えへ、エリス様の部屋で2人きり……。
えへへ」
「なっ、僕もエリス様からのご期待に添えられるよう、精一杯やらせていただきます」
「先程の件、謹んでお受けさせていただきます」
私の部屋に、と言えば案の定了承してくれました。
やはり、この3人は扱いやすくていいですね。
少し心配ではありますが、私がこの3人に助けられていることは確かなのです。
本店のみの頃から付き従ってくれている3人なので信頼も出来ますし、任せられるか、といえばその点は安心なのです。
ですが、問題は私の信者へと育て上げそうなところです。
そういったことはないと信じたいですね。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました
ララ
恋愛
3話完結です。
大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。
それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。
そこで見たのはまさにゲームの世界。
主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。
そしてゲームは終盤へ。
最後のイベントといえば断罪。
悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。
でもおかしいじゃない?
このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。
ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。
納得いかない。
それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる