王族なんてお断りです!!

紗砂

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本編

シャールとミリス

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エリス様の命令で、私はミリちゃんの護衛に着くことになった。
んー、正直面倒だけど、エリス様から誰かの護衛を任されるのは主にハーネスやルーファス、ニースの三人だったから、かなり期待されているということ!
これは張り切らずには居られないし、護衛対象に怪我1つさせるわけにはいかないよね。


「あ、えっと……ミリスです。
その、よろしくお願いします」

「うん、よろしく!
ミリちゃん、私のことはシャールでいーよ」

「ミリちゃ……はい。
分かりました、シャールさん」

「シャール」

「え?」

「シャールって呼んで?」

「シャ、シャール?」


うん、その方が友達っぽくて良いよね!
でも、ミリちゃん可愛いのに服がちょっと残念?
シンプル過ぎるし、もうちょっと可愛い服も似合うとおもうんだよね。
今度エリス様に聞いて一緒に服買いに行こーっと。


「ねぇね、ミリちゃんは何でここで働き始めたの?」

「えっ?」

「んとね、私はねエリス様に助けられたの。
私とあと2人いたんだけどねー、私達スラム育ちで、よく食べ物とか盗んでたの。
で、ミスって捕まっちゃってさぁ、死ぬかもしれない、って思った時にエリス様が助けてくれたんだ」

「えっ?
シャールが、スラム育ち?
嘘……」

「ホントだよー。
アリちゃんとハーちゃんは孤児院育ちだしー、エリス様の近くにいる人は全員ワケありだよー。
でもね、そんな私達でもエリス様は気にせずに接してくれるんだ。
仕事も、何も出来なかった私達の長所を見つけて伸ばしてくれるし、やりたいことをやらせてくれるの。
多分ね、きっと今なら他のとこでも雇ってくれると思うんだー。
でも、私もアリちゃんもハーちゃんも、皆エリス様のことが好きなの」


エリス様のところが私達の居場所だから。
不遇だって嘆いたりもしたけど、それでも、優遇されてるとずっと思ってた貴族の、エリス様のそばにいて違うって分かったから。
優遇されてると思ってたエリス様が、私達のためにどれだけ動いてくれているのか、近くで見てきてから。
だから、私はエリス様の力になりたい。
エリス様のそばであの方を守りたい。


「ミリちゃんは?
私達はね、エリス様のためにここにいる。
ミリちゃんは、なんのためにここで働いてるの?
何で、辞めようとしてるの?」


エリス様が、いつだったか言ってたから。
『人の行動には必ず、何かしらの理由が伴います。
それがどんな理由であれ、自分が考えて出した答えだと言うのならば、私はその考えを尊重したいのです。
ですが、それが自ら選んだものでないのなら、私は全力を持ってそれを止めましょう』
って。
きっと、エリス様が私をつけたってことは、自分で選んだんじゃないだろうから。


「大丈夫、エリス様なら絶対に助けてくれるよ。
私も助けるし、エリス様が動くなら全員動くからー」

「母の、ためです。
母が、人質に取られてて、助けて欲しければフィーリン商会を辞めて、レシピを持ってこいって。
それが、それが一番、オーナーへの嫌がらせになるからって、言われて……!
ごめん、なさい……私!」

「んー、いーよ。
エリス様のとこに行こ?
しょーじき、私もねー、結構キレてるんだぁ。
エリス様に害を成す奴は許さないし、そのためにミリちゃんを利用したのも、ミリちゃんのおかーさんを人質にとったのも、全部許さない」


だから、そのための許可を取りにエリス様のところに行かないと。
アリちゃんとハーちゃんも怒るだろうし、きっとエリス様もキレる。
そうなれば、もう後はわかり切ったこと。

エリス様が怒るとかなり怖いんだ。
それを、身をもって味わえばいい。
フィーリン商会に、エリス様に手を出したことを後悔させてやる。


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