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本編
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しおりを挟む「エリス様、レスト達がこちらに到着したようです。
屋敷の者達が皆、武器を持ち、向かっておりますが……どうなさいますか?」
ハーネスから告げられた言葉に、私は思わず頭を抱えました。
屋敷の者達が向かうところまではまぁ、良いでしょう。
ですが、何故武器を持っていくのでしょうか。
いえ、理由は分かりますが……。
皆、あの方に対し、良い感情を抱いてはいませんから。
フォーリア公爵家とフィーリン商会の敵になった彼女をそう簡単に許すはずもないのですが。
彼女はやりすぎたのです。
手を出すのならば、あの王子と私だけにしておくべきでした。
それを、アリスにまで手を出し、フォーリア公爵家を完全に敵にした。
既に、王子との婚約破棄の件でお父様達はお怒りでした。
にも関わらず、その後すぐにフィーリン商会に手を出したのは、火に油を注いだようなものです。
「エリス、向かうか?」
「……はい。
流石に止めなければなりませんから。
この件のせいで、屋敷の者達に処罰を受けて欲しくはありませんし……」
「エリス様」
ハーネスが真っ直ぐに私を見つめます。
「ご命令を。
私達、フィーリン商会の従業員一同はエリス様の命に従います。
エリス様からの命であれば、何を賭しても遂行してみせましょう。
それが、エリス様に救われた私達の願いですから」
ハーネスがいつになく真剣な表情で頭を下げました。
……本当に馬鹿ですね。
私のためにそこまで言うなど。
だからこそ、私も全力で守ろうと思うのですが。
「……ありがとうございます。
ハーネス、あなたを一時的に私の代理として認めます。
アリスと協力し、商会の者達に通達をお願いします。
内容は、そうですね……
『すぐに動けるよう、準備をお願いします。
ウェスコール男爵家とタールス侯爵家を中心に反乱を起こす可能性があります』
とでも。
そちらは頼みます、ハーネス」
「っ……はい!」
ハーネスは少し嬉しげに返事を返すと店へと向かいます。
私とアルはハーネスの向かった方角の反対、門の方へと向かいました。
「アル、気を付けてください。
あの方は、何かしらの行動を起こしているでしょうから」
「エリスもだろう。
気を付けろというのならば、エリスの方が心配だ。
……無理をしすぎるからな」
「……善処致します」
……出来ないことは約束しない主義ですから。
私が多少無理をすることで守れるものがあるというのなら、やるしかないでしょう。
そうったことは滅多にありませんが。
「……無理をしないとは言わないのだな」
アルの言葉に、私は何も返せませんでした。
私から言わせるとアルの方が無理をしていると思うのですが。
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