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本編
アリス
しおりを挟む「店長!
タールス侯爵家へ向かった班が帰還致しました!
至急ご報告したいことがあるそうです!」
散らばって早々に戻ってきたタールス侯爵班……。
第二班に多少の不安を抱いたのは当然と言えるだろう。
他の班の中でも特に血の気の多い者たちが集まった班なのだから当然だろう。
「分かりました。
すぐに通してください」
「はい!
呼んできま……」
「その必要はありませんよ。
アリスさん、タールス侯爵はエリス様に仇なす者と判断致しましたのでそれ相応の対応をさせていただきました。
問題ございませんか?」
エリス様に仇をなす、ということならば仕方ないのでしょう。
私たちにとって一番重要なのは、エリス様が無事か否かなのですから。
「えぇ、ありません。
エリス様の害となるのならば、その芽を摘み取るのも私達の役目の1つなのですから」
私たちは総じてエリス様に拾われ、救われた身。
エリス様への恩と、忠誠だけは誰にも負けない自信があります。
ですが、エリス様は恩をきせ、身分を盾に私たちへと命じることは滅多にない。
命じた時は、いつも誰かを守るか救うためだった。
だからこそ、私たちはそんなエリス様を守りたいと思うのだ。
「エリス様の安全を第一に。
それが、私たちエリス様に従う者たちの総意でしょう?」
「もちろんです。
私たちの主はエリス様ただ一人ですゆえ」
いい笑顔でそう口にした目の前の男、アンリはあくまで優しげな笑みを浮かべている。
だからこそ、怖い。
その優しげな微笑みに今までどれくらいの者たちが騙されていったのかと思うと、恐怖でしかなかった。
エリス様の味方でいてくれて良かったと、心から思うのです。
「さて、ではこれから我々はどこへ向かえばよろしいので?」
「王宮の方は人が足りているはずですので、エリス様のもとへ向かっていただければ。
そうですね、偵察班のうち数人は念の為王宮へ向かってもらえると。
残りの者はハーネスさんの指示に従うようにしてください」
「承知しました。
では、こちらより2名を王宮へ向かわせます。
残りはエリス様のもとに」
「えぇ、お願いします」
アンリが出ていくのを確認して、私はため息をつきました。
「……ここからが本番なのです。
エリス様を傷付け、害する者を放置などしておけないのですから」
あの、婚約破棄の騒動の時とは違うのです。
何故なら、あの時はエリス様をあんな頭のおかしな王子になど渡せない、そう判断したからこそ苦渋の策として見逃したものなのですから。
ですが、それを利用し、エリス様を陥れようとすることだけは許しません。
エリス様を陥れようとする輩がいるのなら徹底的に排除するのみなのです。
そのためならば、私たちは……。
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