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人生を豊かにする本。
しおりを挟む「ねぇねぇ、この本読んでみてよ」
「え、なになに、、人生が豊になる本って、、あんたこんなの信じてるの?」
「あははは、信じてる訳ないじゃん! 気になったから読んだだけだよ」
そう言われ、いかにも胡散臭い本を渡されてしまった。
私はこの様な本には全く興味がなかったため、友人には読んだと嘘をつき、明日本を返すことにした。
――次の日の休み時間。
「ありがとう、この本意外と面白かったよ」
「でしょ、この本のお陰で、私の人生、豊かになっちゃうかも!」
「「あはははは」」
その日以降、友達の様子がおかしくなっていった。
急にタバコを吸い始めたり、先生に悪態をついたりで、一緒にいるこっちまで注意されてしまう。
一週間ほど経った頃には、クラスのみんなに”不良”と呼ばれるようになり、恐れられる存在になっていた。
心配になった私は、友達に「ねぇ、なにかあったの? ストレスが溜まってるんなら、カラオケにでも行く?」と、尋ねたら。
「オッケー! カラオケ行っちゃお!」
変なノリで返事をされてしまった。
カラオケについた私達は、とりあえずフリータイムで入ることにした。
「ドリンクバーはつけますか?」
「二人分お願いします!」
「かしこまりました。」
「……1965号室です、ごゆっくり楽しんでください」
私たちはエレベーターに乗り、11階にある部屋に入った。
「ちょっと、この部屋寒くない?」
「あ、うん、、確かに寒いかも」
友人は暖房の温度を29℃に設定し、友達がデンモクに入れた曲は「入学」と「17の朝」と「君が君であるために」
あ、そういうことね。
この本を読まなくて良かった。
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