戦乱の世は終結せり〜天下人の弟は楽隠居希望!?〜

くろこん

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越後動乱編

神様、私何かした?

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「なんでお前がついて来るんだ?」

 「ご隠居様がこういった奇行をされる際には、何時いつも碌でも無いことが起きますので。」

 「信用無いなぁ...」

 「なるほど、これが十兵衛光秀様の策...ご隠居様について行くのに必要なのは強烈な押しなのですね!」

 「お藤、何か言ったか?」

 「いいえ、何も。」

 ただの遠乗りのつもりだったのに、ちょっとした小部隊みたいになっちまったな。

 本当は幸村と慶次だけを連れて行くつもりだったんだ、別に戦場に行く訳では無いからな。なのに、ここにはフルメンバーが揃っている。

 お藤 (木下藤吉郎、後の豊臣秀吉)

 島左近 (島清興、鬼左近)

 明智十兵衛光秀 (戦国屈指の裏切り者、影薄秀才)

 前田慶次 (前田利昌、傾奇者)

 真田幸村 (日本一の古兵...予定)

 なんだこのメンバー、凡人私だけじゃん。

 知ってましたけど?

  気分を変えよう、努力はして来たつもりだけどこいつらが英雄だと考えると憂鬱になる。今私たちが散策しているのはなんてことは無い、舗装もされてない森の中だ。

 馬を駆けるときの風の感覚がなんとも心地良い。

 全員分の馬を貸して貰えたのが大きいよ、謙信殿は太っ腹だな。

 器が違う気がする、あぁいうのが英雄と言うんだろうなぁ。

 憂鬱になって来た、人からの信用に応えられる気がしないからな。

 「幸村殿、こうした遠乗りにも意味があり申す。お判りか?」

 「木の傷跡、馬の足跡などから敵の痕跡を探る。合っていますか?」

 「ええ、敵の動きを探る役目は斥候や一般人に扮した乱破忍びの役目。ご隠居様は幸村殿をそのように育てる気は無いようですが...」

 光秀がこちらをちらりと見て来る、あぁそうだよ。

 幸村は斥候がやるような仕事をやらせるつもりは無い、真田幸村の真骨頂は個人の武勇では無く兵を使用した軍略と突飛な発想を基に組み立てられる奇策なのだ。

 できれば将として育てて欲しいというのか本音だ、恥ずかしいから言わないけどね。

 ちなみに慶次は「見て盗む」と言うのを日常として行って来た男だ、故に助言や助力は必要とされぬ限りはしない。

 歳もそれなりに行ってるしな、20前半の若者に老人ジジイが何か言っても仕方がないだろう。

 「まぁ、敵を見つける方法は気配だけでは無いということを認識して頂いているならばこれ以上のことはありません。中には左近殿のように完璧に気配を見つける者もいますが。」

 「えっ?誰がどこにいるとか、息づかいとかでわかんだろ!」

 「あれは参考になりません、人間というよりも獣に近い何かですので。」

 「なんでだよ!」

 確かに。

 「とは言えです。将でも武を鍛え経験を積めば左近殿ほどでは無いにしろ、感覚でできるようにはなる事です。励みなされ。」

 「はい!」

 光秀、すっかり幸村の教師役だなぁ。

 幸村が跳ね回るように馬を駆ける姿を、光秀が笑いながらゆっくりと追いかける。

 その顔は油断など全く無い筈なのに

 いや...どちらかと言えば親子か?

  慶次は一部の油断もなく当たりを見回している、真面目だな。

 左近は…いつも通りだ、眠そうに槍を振り回している。

 お藤は…私の後ろだ。

 お前、馬乗れるだろ。

 「ダメですか?」

 駄目では無いね。

 それにしても良い風だ、このまま弁当でも広げてダラダラしたいところだな。

 戦さえなければなぁ、本当頭痛いよ。

 今更な話だが、私がこう言う人とは違うことをするといつも厄介ごとが起こる。

 故に余りしない様にしてたんのだが、我慢出来ずにしてしまった。

 「御隠居様」

 「なんだ?慶次」

 ほら、なんか来たよ…  



 ◇◇◇◇



 「百姓ですな」

 「ああ、そうだな」

 「敵、ですな。」

 「そうだな…」

 どうしてこんな目に…

 神様、酷すぎませんか?

 つい先程、慶次が敵を発見した。武装した、一揆勢と見て間違い無いだろう。

 「見回ってきました、兵は300ほど。別働隊?それにしては数が少ないですね。」

 索敵に行っていた光秀が戻ってきた様だ、ちなみお藤は待機だ。

 平野ではどんな忍びでも潜入することは難しいだろう。 (と勝手に判断した)

 「兵の様子は?」

 「それが…中央に総大将と見られる千代姫と杉浦玄任がおります。」

 「ふむ」

  続けろとばかりに話を促すと、光秀はさらに驚愕の事実を続ける。

 「怪しげな武器がとおほどありました、大筒大砲の様でありながら穴が複数空いておりましてどこか長細いので御座います。」

 「なんだよその珍妙な武器は、苔脅しじゃねえのか?」

 左近の言葉に、光秀はゆっくりと首を振る。

 「苔脅しにしては警備が厳重すぎる、百姓供もまるで自らの命を盾にするかの様な守りぶり。私も遠目から見ることができなかったのだぞ。」

 大筒のような見た目で、多数の穴?

 「ガトリング砲か。」

 『ガトリング砲』

 別名ガトリングガンは1861年にアメリカ合衆国の発明家リチャード・ジョーダン・ガトリングに発明された最初期の機関銃だ。

 外部動力・多銃身式に分類される構造を持ち、複数の銃身を外部動力  (人力やモーターなど)で回転させながら給弾・装填・発射・排莢のサイクルを繰り返して連続的に発射するという攻撃方法であるそれは、日本では戊辰戦争においての河井継之助が率いた長岡藩兵が、ガトリング砲を実戦で使用した記録がある。

 ちなみに現在の戦闘機に装備されているバルカン砲などはガトリング砲を基に生まれているものだ。

 以上、戦国豆知識ハンゾー知識

 「光秀、それを使わせてはいかん。戦場がひっくり帰るぞ!」

 「ならば鹵獲ろかくしましょう、使用方法さえ理解わかれば我が軍にとって利になります。」

「それならぶっ壊した方がはええだろうよ!俺の槍に勝てる奴ぁいねぇ!」

 「千代姫がガトリング砲の作成者と仮定するならば彼女も共に捕まえる必要がございませんか?」

 「拙は女が増えるのは反対です...ご隠居様に虫が...」

 「いや、あれ幼女だから。」

 前世で、私は千代に空を飛べるスーツ!を着けさせられて紐なしバンジーをした記憶がある。

 結果はお察しだ、綺麗に私は落下した。

 なんで私生きてるんだろう...

 故に、あれに恋愛感情を抱くことはあり得ない。てか近づきたく無い。

 幼馴染なんて因果なものだな。
 
 「作戦を伝える、ガトリング砲は破壊する。」

 「ご隠居様!」

 光秀から声が上がるが、私はこれを制した。

 「お藤や光秀が潜り込めばあれを奪うことは間違い無い、だがその後は?あれは重いぞ。追撃を振り切れるか?」

 「それは...」

 光秀が項垂れる、幸村はずっとこちらを見て動かない。

 なんかあるのかな?

 「ご隠居様、二手に別れるというのはどうでしょう。拙とご隠居様は待機、その他は突撃するというのは。」

 「お前黙ってろ。」

 お藤は無視だな、ろくな目に合わん

 「ご隠居様、皆様方、聞いて頂けませぬか?」

 「ん?」

 幸村が、動いていた。

 地面を触り、木を見つめ、何かを探るように動き回る幸村を誰も注意しなかった。

 その成果が出る。

 「私に...秘策がございます!」



 

 



 

 



 

 
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