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前章・九州大名決戦編
戦争の終結
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戦場を経験したものならば誰もが言うだろう、戦場を生き残るに必要なのは技術では無い。
ましてや心根などというものでは無い、正しい者が勝つのは夢物語の中だけだ。
それは、運というものだった。
戦場で敵に見つからない運、敵を殺す運、敵の弓が当たらない運。
その種類は如何でも良いのだ、運の強い者が勝つ。
ハンゾーはかつて戦場を運の介在する余地無しと称したことがある、それはある意味間違っていない。
必然を主とする刀同士の戦いに存在するのはまさしく必然だけでありそこに偶然や運は絡まない。
無論、技量の圧倒的な差は必要であるが。
そんな中この戦は全くの真逆、運のみが介在する戦場へと姿を変えた。
鉄砲と呼ばれる兵器によって。
個人の実力が幅を利かせる戦争から、運と兵器の性能が戦争の行方を大きく左右するものへと、それは変化しようとしていた。
「オラァ!」
そんな戦争事情の最前線にいるカトーは斧を払い敵を切る、彼の肉体はかなり特殊ではあるものの銃弾を喰らえば当然血を流す。
だが彼に恐怖は無かった、自分はここでは死なないという妙な確信が、彼には確かに存在していた。
「やれやれ、撤退の指示はどうしたのですかな?」
音速の抜刀、カトーの丁度背後で人が倒れる音がする、ディエゴ・アラトリステがそこにはいた。
「すまんな、ちょっとーー気分だ!」
「なら、仕方ありませんな」
カトーは暴れる、斧を、腕を十全に回し獣の如く敵をなぎ倒す。ディエゴはそうしたカトーの周りで死を感じながら戦っていた。
ディエゴにとって死の危険を感じるのは敵からの攻撃では無かった、どちらかと言えばカトーの攻撃で毎度死にかけていた。その割にディエゴはカトーから離れようとしない、彼曰く「あの方と隣で戦えるのは自分だけ」らしい故に。
「ところで、気付いたか?爺」
「敵の強さですかな?確かに先ほどとは比べものにならない強さ、戦士としての輝きを感じます。」
そう言いながらディエゴは目の前に迫る死を払い除ける、相変わらず手元が良く見えず、ディエゴの持つ獲物は愚か何をされたかも理解できぬまま敵は死んで行く。
カトー達は既に大友の陣地を食い破っていた、その後に登場した軍。軍旗とその叫びからカトーはその軍の正体を見抜いていた。
「シマヅか、聞いていたが実際に会うとすげぇもんだな」
「キエエエエエエエエエエエエ!!!!」
飛び込んで来た雑兵の上段斬りをカトーは受け止める、その重さに斧が鳴く声を聞きカトーは歓喜した。
「世界にだってこんなイカレた奴らはいなかったぜ!」
「特殊な薬を使用している訳でも無いでしょうに、この力は何なのですか?」
シマヅは後先を考えない、とにかく動く。本能の赴くままに、彼らは狂気の兵士達だ。
これを最強と言わず何と言うだろうか。
とは言え、彼らの真骨頂はここから始まる。
「撤退だ!!!!!」
どこからか、そんな大きな声が聞こえて来る。
次の瞬間、遮二無二突撃していた薩摩軍の様相が一変した。
「何が起きてるんだ?背中を見せて逃げ出したぞ!」
それは、統率のとれた軍隊と言うよりかは盗賊の集団逃亡のようだった。
「背中を射て!!」
慌てて小隊長らしき男が指示を出し銃が撃たれる、何発かは背中に命中したものの多くは彼らの逃げ足が早過ぎて捉えられない。
「追え!追うのだ!」
小隊長の指示に従い多くのスペイン兵が戦場奥に突き進んでいく。
「閣下、どうされますか?」
「行くしかねぇだろ、それにアイツの言ってる事は間違いじゃねぇ。戦意を無くした敵を追い殺すのは基本だしな」
追撃戦なんて言葉があるぐらいだ、判断は間違いでは無い。
ただ一つだけあるとしたら、ここが未開の地であるということだ。
「シマヅか、奴らの戦略に嵌められる可能性もある。爺、奴らの手口を知っているか?」
「今のところは読めません」
「そうか、奴らは強い。だかただ強いだけじゃ無く切れる頭がいる、シマヅはそうして強くなった」
そう言うと、カトーは前に向かって走り出す。先に行った者たちを憂う気持ちで。
◇◇◇◇
すまんなぁ、不甲斐なか兄さぁで。
眼前に迫る敵を見ながら島津義久はそう思う、家久は腕が折れようと戦うと言っていた。
家久は強い、義久よりも遥かに。
だか、家久は上の兄に遠慮して自らの可能性を閉ざしてしまった。島津という器は家久にとって狭すぎたのだ。
いつだったか、今川輝宗という人物の英雄譚を聞いたことがある。
彼の為した数多の逸話の中で義久が特に興味を持ったのは、今川輝宗が見出した者は今川家臣でも立身出世して行くという話だ。
その中には他家から引き抜かれた者も多く、身分や出生に捉われないやり方に当時多くの者が驚愕したと言う。
家久を見出して貰えれば、そう義久は思っていた。だが九州は遠い、とてもでは無いが輝宗に来てもらう訳にも行かない。
それに家久を京都へ連れて行く理由が無かった、故に流れてしまっていたのだ。
「俺はわかっちょう、俺がどれだけ情けなか大将か」
軍略でも、そして個人の武でも義久は家久に遠く及ばないだろう。
史実でもそれは事実であった、義久は家久たち島津家臣を遣わせただけに過ぎない。
島津義久個人の武勇に関する逸話は少ない、だかそんな彼の逸話の中でも印象的なエピソードは存在する。
島津兄弟四人で連れ立って、馬追を行った時の話だ。馬追が終わり、当歳駒を一緒に見ていたとき、島津歳久が義久と義弘に向かって「こうして様々な馬を見ておりますと、馬の毛色は大体が母馬に似ております、人間も同じでしょうね」と言った。
義久は歳久の言わんとすることを察し、「母に似ることもあるだろうが、一概にそうとも言い切れない。父馬に似る馬もあるし、人間も同じようなものとは言っても、人間は獣ではないのだから、心の徳というものがある。学問をして徳を磨けば、不肖の父母よりも勝れ、また徳を疎かにすれば、父母に劣る人間となるだろう」と言い放った。
それからというもの家久は、昼夜学問と武芸にのみ心を砕き、片時も無為に日々を過ごすことはなく、数年の内に文武の芸は大いに優れ、知力の深いこと計りがたいほどとなり四兄弟の能力の優劣もなくなったというものだ。
この逸話には大きな誤りが存在していた、それは家久が文武に優れていないという点だ。あくまで家久は文の分野において四兄弟より僅かに劣っていただけに過ぎない。
そして武力においては兄弟を遥かに凌いでいた、気付いていたのは兄弟の中でも義久だけだったが。
義久は家久の苦悩を理解していた。
「故に俺は戦う、家久が、爺様たちが築き上げた島津を、この国を守る!!!!!!!!!」
構えろ!そう言った瞬間、義久の眼前に写るはスペイン兵。
彼らの周りには銃を持った兵がずらりと囲み、義久の号令を待っている。
「行くど、薩摩兵子たちよ!!我らの後ろに路は無く、この先を持ってこの戦の終焉とする!」
「今日、我らは眼前の敵を蹴散らし侵略者を打ち滅ぼす!撃てぇぇぇ!」
薩摩軍の撃ち方が始まる。
『釣り野伏せ』
野戦において全軍を三隊に分け、そのうち二隊をあらかじめ左右に伏せさせておき、機を見て敵を三方から囲み包囲殲滅する戦法である。
まず中央の部隊のみが敵に正面から当たり、敗走を装いながら後退する。これが「釣り」であり、敵が追撃するために前進すると、左右両側から伏兵に襲わせる。
基本的に寡兵を以って兵数に勝る相手を殲滅する戦法であるため、中央の部隊は必然的に敵部隊とかなりの兵力差がある場合が多く、非常に難度の高い戦法である。
様々な説があるが、島津義久が考案した戦法として普及している。
そんな釣り野伏せの中を悠々と歩く獣が一匹。
男は、その名をカトーと言った。彼は荒れ狂う銃弾の中、倒れる味方を横目にひたすらにまるで散歩でもするかのようにこちらに歩いて来る。
「そんなもんじゃあ俺は死なねぇよ」
そう言うと、カトーは兵の前に踊り出て唖然としていた島津軍を蹴散らして行った。
銃の特徴として近づけば近距離武器の方が速いというものがある、たちまち後続の兵が続き戦場は混戦へと変貌した。
「釣り野伏せ、3方向からの一斉攻撃か。タネを知らなきゃ危なかったかもな。」
カトーは、この戦術のタネを知っていた。当然ながら対応策も、この戦術だと断定できなかったのは島津の采配が上手すぎた為だ。
例えば、もしこれがハンゾーならば島津の動きをすぐ様看破しただろう。
と言うのも、島津は重要な戦いでは殆どこの戦術を採用している。
島津がこの策を使っている可能性が高いという前提の下ハンゾーは指揮するに違い無い。
だがカトーはそこまでは理解できていなかった、彼が行なったのは野伏せ釣りだった時の為の準備である。
義久が気づいた時には、3方向に展開していた左右の軍は敵兵に襲われていた。その全てがカトーの指示である。
気づけば、カトーと義久は互いに顔を突き合わせていた。
「本当・・・世界は、広か」
「そうだろう?安心しろ、俺が最強だ」
「日本語が喋れるとは聞いてなか」
「俺は特別でな、さて島津の大将。勝敗は決したぜ?」
そう言い、高らかに武器を振り下ろし義久に向ける。カトーと義久の距離は歩いて10歩程の位置にまで来ていた。
義久は護衛の兵を下がらせて笑う、まるで見事な演技をした道化を嘲るかのように。
「何が可笑しい?」
「いや、可笑しくてな。いすぱにあの将よ、何故勝ちと思えるがか不思議でな」
勝敗は決しているように見えた、島津渾身の策は打ち破られ味方は劣勢に立たされているように見える。
だが
「この地上に俺が立つ限り、島津に敗北は無か!!!!!」
「ふむ、ならとっとと地に堕とし勝利の美酒に酔うとしよう」
ましてや心根などというものでは無い、正しい者が勝つのは夢物語の中だけだ。
それは、運というものだった。
戦場で敵に見つからない運、敵を殺す運、敵の弓が当たらない運。
その種類は如何でも良いのだ、運の強い者が勝つ。
ハンゾーはかつて戦場を運の介在する余地無しと称したことがある、それはある意味間違っていない。
必然を主とする刀同士の戦いに存在するのはまさしく必然だけでありそこに偶然や運は絡まない。
無論、技量の圧倒的な差は必要であるが。
そんな中この戦は全くの真逆、運のみが介在する戦場へと姿を変えた。
鉄砲と呼ばれる兵器によって。
個人の実力が幅を利かせる戦争から、運と兵器の性能が戦争の行方を大きく左右するものへと、それは変化しようとしていた。
「オラァ!」
そんな戦争事情の最前線にいるカトーは斧を払い敵を切る、彼の肉体はかなり特殊ではあるものの銃弾を喰らえば当然血を流す。
だが彼に恐怖は無かった、自分はここでは死なないという妙な確信が、彼には確かに存在していた。
「やれやれ、撤退の指示はどうしたのですかな?」
音速の抜刀、カトーの丁度背後で人が倒れる音がする、ディエゴ・アラトリステがそこにはいた。
「すまんな、ちょっとーー気分だ!」
「なら、仕方ありませんな」
カトーは暴れる、斧を、腕を十全に回し獣の如く敵をなぎ倒す。ディエゴはそうしたカトーの周りで死を感じながら戦っていた。
ディエゴにとって死の危険を感じるのは敵からの攻撃では無かった、どちらかと言えばカトーの攻撃で毎度死にかけていた。その割にディエゴはカトーから離れようとしない、彼曰く「あの方と隣で戦えるのは自分だけ」らしい故に。
「ところで、気付いたか?爺」
「敵の強さですかな?確かに先ほどとは比べものにならない強さ、戦士としての輝きを感じます。」
そう言いながらディエゴは目の前に迫る死を払い除ける、相変わらず手元が良く見えず、ディエゴの持つ獲物は愚か何をされたかも理解できぬまま敵は死んで行く。
カトー達は既に大友の陣地を食い破っていた、その後に登場した軍。軍旗とその叫びからカトーはその軍の正体を見抜いていた。
「シマヅか、聞いていたが実際に会うとすげぇもんだな」
「キエエエエエエエエエエエエ!!!!」
飛び込んで来た雑兵の上段斬りをカトーは受け止める、その重さに斧が鳴く声を聞きカトーは歓喜した。
「世界にだってこんなイカレた奴らはいなかったぜ!」
「特殊な薬を使用している訳でも無いでしょうに、この力は何なのですか?」
シマヅは後先を考えない、とにかく動く。本能の赴くままに、彼らは狂気の兵士達だ。
これを最強と言わず何と言うだろうか。
とは言え、彼らの真骨頂はここから始まる。
「撤退だ!!!!!」
どこからか、そんな大きな声が聞こえて来る。
次の瞬間、遮二無二突撃していた薩摩軍の様相が一変した。
「何が起きてるんだ?背中を見せて逃げ出したぞ!」
それは、統率のとれた軍隊と言うよりかは盗賊の集団逃亡のようだった。
「背中を射て!!」
慌てて小隊長らしき男が指示を出し銃が撃たれる、何発かは背中に命中したものの多くは彼らの逃げ足が早過ぎて捉えられない。
「追え!追うのだ!」
小隊長の指示に従い多くのスペイン兵が戦場奥に突き進んでいく。
「閣下、どうされますか?」
「行くしかねぇだろ、それにアイツの言ってる事は間違いじゃねぇ。戦意を無くした敵を追い殺すのは基本だしな」
追撃戦なんて言葉があるぐらいだ、判断は間違いでは無い。
ただ一つだけあるとしたら、ここが未開の地であるということだ。
「シマヅか、奴らの戦略に嵌められる可能性もある。爺、奴らの手口を知っているか?」
「今のところは読めません」
「そうか、奴らは強い。だかただ強いだけじゃ無く切れる頭がいる、シマヅはそうして強くなった」
そう言うと、カトーは前に向かって走り出す。先に行った者たちを憂う気持ちで。
◇◇◇◇
すまんなぁ、不甲斐なか兄さぁで。
眼前に迫る敵を見ながら島津義久はそう思う、家久は腕が折れようと戦うと言っていた。
家久は強い、義久よりも遥かに。
だか、家久は上の兄に遠慮して自らの可能性を閉ざしてしまった。島津という器は家久にとって狭すぎたのだ。
いつだったか、今川輝宗という人物の英雄譚を聞いたことがある。
彼の為した数多の逸話の中で義久が特に興味を持ったのは、今川輝宗が見出した者は今川家臣でも立身出世して行くという話だ。
その中には他家から引き抜かれた者も多く、身分や出生に捉われないやり方に当時多くの者が驚愕したと言う。
家久を見出して貰えれば、そう義久は思っていた。だが九州は遠い、とてもでは無いが輝宗に来てもらう訳にも行かない。
それに家久を京都へ連れて行く理由が無かった、故に流れてしまっていたのだ。
「俺はわかっちょう、俺がどれだけ情けなか大将か」
軍略でも、そして個人の武でも義久は家久に遠く及ばないだろう。
史実でもそれは事実であった、義久は家久たち島津家臣を遣わせただけに過ぎない。
島津義久個人の武勇に関する逸話は少ない、だかそんな彼の逸話の中でも印象的なエピソードは存在する。
島津兄弟四人で連れ立って、馬追を行った時の話だ。馬追が終わり、当歳駒を一緒に見ていたとき、島津歳久が義久と義弘に向かって「こうして様々な馬を見ておりますと、馬の毛色は大体が母馬に似ております、人間も同じでしょうね」と言った。
義久は歳久の言わんとすることを察し、「母に似ることもあるだろうが、一概にそうとも言い切れない。父馬に似る馬もあるし、人間も同じようなものとは言っても、人間は獣ではないのだから、心の徳というものがある。学問をして徳を磨けば、不肖の父母よりも勝れ、また徳を疎かにすれば、父母に劣る人間となるだろう」と言い放った。
それからというもの家久は、昼夜学問と武芸にのみ心を砕き、片時も無為に日々を過ごすことはなく、数年の内に文武の芸は大いに優れ、知力の深いこと計りがたいほどとなり四兄弟の能力の優劣もなくなったというものだ。
この逸話には大きな誤りが存在していた、それは家久が文武に優れていないという点だ。あくまで家久は文の分野において四兄弟より僅かに劣っていただけに過ぎない。
そして武力においては兄弟を遥かに凌いでいた、気付いていたのは兄弟の中でも義久だけだったが。
義久は家久の苦悩を理解していた。
「故に俺は戦う、家久が、爺様たちが築き上げた島津を、この国を守る!!!!!!!!!」
構えろ!そう言った瞬間、義久の眼前に写るはスペイン兵。
彼らの周りには銃を持った兵がずらりと囲み、義久の号令を待っている。
「行くど、薩摩兵子たちよ!!我らの後ろに路は無く、この先を持ってこの戦の終焉とする!」
「今日、我らは眼前の敵を蹴散らし侵略者を打ち滅ぼす!撃てぇぇぇ!」
薩摩軍の撃ち方が始まる。
『釣り野伏せ』
野戦において全軍を三隊に分け、そのうち二隊をあらかじめ左右に伏せさせておき、機を見て敵を三方から囲み包囲殲滅する戦法である。
まず中央の部隊のみが敵に正面から当たり、敗走を装いながら後退する。これが「釣り」であり、敵が追撃するために前進すると、左右両側から伏兵に襲わせる。
基本的に寡兵を以って兵数に勝る相手を殲滅する戦法であるため、中央の部隊は必然的に敵部隊とかなりの兵力差がある場合が多く、非常に難度の高い戦法である。
様々な説があるが、島津義久が考案した戦法として普及している。
そんな釣り野伏せの中を悠々と歩く獣が一匹。
男は、その名をカトーと言った。彼は荒れ狂う銃弾の中、倒れる味方を横目にひたすらにまるで散歩でもするかのようにこちらに歩いて来る。
「そんなもんじゃあ俺は死なねぇよ」
そう言うと、カトーは兵の前に踊り出て唖然としていた島津軍を蹴散らして行った。
銃の特徴として近づけば近距離武器の方が速いというものがある、たちまち後続の兵が続き戦場は混戦へと変貌した。
「釣り野伏せ、3方向からの一斉攻撃か。タネを知らなきゃ危なかったかもな。」
カトーは、この戦術のタネを知っていた。当然ながら対応策も、この戦術だと断定できなかったのは島津の采配が上手すぎた為だ。
例えば、もしこれがハンゾーならば島津の動きをすぐ様看破しただろう。
と言うのも、島津は重要な戦いでは殆どこの戦術を採用している。
島津がこの策を使っている可能性が高いという前提の下ハンゾーは指揮するに違い無い。
だがカトーはそこまでは理解できていなかった、彼が行なったのは野伏せ釣りだった時の為の準備である。
義久が気づいた時には、3方向に展開していた左右の軍は敵兵に襲われていた。その全てがカトーの指示である。
気づけば、カトーと義久は互いに顔を突き合わせていた。
「本当・・・世界は、広か」
「そうだろう?安心しろ、俺が最強だ」
「日本語が喋れるとは聞いてなか」
「俺は特別でな、さて島津の大将。勝敗は決したぜ?」
そう言い、高らかに武器を振り下ろし義久に向ける。カトーと義久の距離は歩いて10歩程の位置にまで来ていた。
義久は護衛の兵を下がらせて笑う、まるで見事な演技をした道化を嘲るかのように。
「何が可笑しい?」
「いや、可笑しくてな。いすぱにあの将よ、何故勝ちと思えるがか不思議でな」
勝敗は決しているように見えた、島津渾身の策は打ち破られ味方は劣勢に立たされているように見える。
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