多重人格者の異世界転移〜あれっお前魔王じゃね?!〜

くろこん

文字の大きさ
14 / 150
王都への道

魔族との邂逅/だが残念、奴は人格の中でも最弱...

しおりを挟む
よし!今回はオレか!

久しぶりに自分の番になったグリーンは、ベッドから飛び起きてそう思った。

記憶で焼き付けておいた本を読み返して整理するのにも飽きてきたころである。そろそろ新しい知識が欲しい。

馬車で道中を進みながら、俺はいつも通り家庭教師とこの世界の魔法の原理について話し合っていた。

正直俺じゃない時はこういう話ができないので、他の俺の時はなんとか気分じゃないとか言って誤魔化してもらってるが、こいつとの話は中々気分がいい。

コレットは話についていけずたまにむくれているがな。

この世界の魔法は科学的に証明することは難しい、そういう結論に達した。人なら人ごとにそれぞれ使える魔法が異なり、その魔法の威力、射程距離、魔法の持続時間はその人の持つ魔力によってピンキリであり、それぞれ違うということを家庭教師から教えてもらった。

その魔力は、小さい頃から魔力の発現があり、育てていけば増えるものだという情報もあった。

そして俺にもそんな魔法の適性があった。

なんの魔法かは不明らしい。

しかし魔力はそれなりにあるらしく、家庭教師の先公並みにあるらしい。コレットは家庭教師より少し大きい程度だという。

小さい頃から魔力の発現に気づかれ、日々練習に励んできたため、コレットの魔力は相当高いのだという。逆に平民上がりとかだと、魔力の育て方や、そもそも魔力があることが判明しないまま育つこともあるので、せっかく才能があっても伸び辛いらしい。 

...俺は何故魔法の存在も知らないのに魔法の適性があり、魔力がこんなに高いのかと家庭教師のヤロウに散々質問されたがな...

あのさぁ...俺だってわっかんねぇよ......

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日の宿場町までもうすぐですよ。

そう護衛の騎士がオレに言った、その瞬間に事件は起きた。

そう伝えてくれた騎士は、糸の切れた人形のごとく崩れ落ち、少しふらふらとした後に白目を向いて倒れてしまった。その顔にはありありと恐怖の色が浮かんでいる。

『戦闘態勢!伯爵をお守りしろ!』

そうカミーユが号令を出す......がそれは既に馬車の上に立っていた。

馬車の上に立つ男は言う、良い眺めだ、と。

『私には高いところが似合う、お前たち領主や人間の王族とやらも、高いところから国民に向かって演説をするだろう?まぁ其奴らも私に比べれば虫ケラ同然だが...

無駄話が過ぎた。私からの要求は、神器を私に渡すことと、その神器の持ち主を魔王城に招待することだ。抵抗はオススメしない、時間の無駄だし...そこで倒れている男のようになりたくはないだろう?』

そう言うと、男は苦悶の表情を浮かべて倒れている男の姿を指差した。

伯爵が馬車から顔を見せ、男を見て声を上げて驚く。

代表としてカミーユが一歩前に出た言い切った

『グリーン殿は我が王国の招待客である!そう易々と渡すわけにはいかん!』

『ほう、魔王様の招待よりも人間の王の命令を優先するとはな...仕方ない、一生眠っていろ。』

そう言うと男は手を挙げる。そして自分の影から悪魔たちが飛び出してきた.........

『待った』

オレはここで馬車から降り、未だ青い棒であるギリオンを構えながら言った。

『それが噂に名高い神器か、そしてお前が所持者か、一緒に来てもらおう、それは私のものだ。』

そう言いながら男は羽織っていた上着を脱ぎ、紫色の肌と大きな羽を出して、飛んだ。

左手には禍々しい剣を携えている。

オレはギリオンに念じる。

ーこの神器が「自分が念じたもの」になるのだと仮定するならば、オレが選ぶものは1つしかない。

そう!銃だ!

この世界に、少なくともアルノ領内には、「銃」と言う概念はない。せいぜいクロスボウガンくらいのものであるが、それすらも高価で中々出回らないそうだ。

つまり、この世界に銃を出せば、魔王だろうがどんな敵だろうが無双できる...とそうグリーンは考えたのだ。イエローとかクロはあんまり遠距離道具は使わないらしいが。オレは手段などは選ばん!!!!

これだけ距離が短いなら、機関銃か...ショットガンにしてやろうか...狙撃銃なら敵が離れた時にしよう

まぁ今回はマシンガンだな

よし来い!オレの相棒!マシンガンでおなしゃす!

そう武器に念じると、ギリオンは青く輝く、

おおっと言う騎士たちや男のざわめきが聞こえ、グリーンの手には美しい紋様をしたガントレットが腕に装備されていた......










........................................アレ?
なんかすごい手に馴染むな...何年も使った感覚がある。手が一回り大きくなったって感じの表現が一番正しいか?自分で言うのもなんなんだが、スゲェカッコいいなーじゃなくてさぁ...いや...どーすんのこの状況

どー考えても悪魔みたいになっちゃった男はこっちに来てるし、その悪魔の影から出てきたちっちゃいのがカミーユ達に襲いかかってるし、めちゃくちゃだな...

ともかくオレは構えた。

ーー何度も言うようだがオレは人格の中で最弱である

いやいや、ピンクは別だぞ?つーかアイツと比べられるとオレが癪なんだよ

一応、この松岡輝赤の体では全ての記憶は共有される。よーするに記憶をちゃんと見てるかみてないかって話だ。大体の奴が正直見てない。つーかクロとオレしか見てない。オレもたまにしか見ることはない。当たり前だろ?誰がガン〇ム操縦してる奴の隣でずっとそれを見ていたいと思うんだ?それなら自分のやりたいことをやるさ。

ともかく、記憶が共有されているからこそ、オレはイエローの爺さんの軍隊格闘術の1つ...を真似ているわけだが、正直オレにはセンスがない。

なんというか...鈍臭いというか...うん、はっきり言ってセンスがない、見た目はイエローの爺さんと同じなんだがな...何が違うんだろうか...

そんなオレにどーしろって言うんだ...

しかし敵はすぐそばまで来ている。やらなければ殺されはしないだろうが、他のメンツが危ない。

オレは悪魔っぽい男が振り下ろした剣に向かってまるで腰の入ってない正拳突きを放った。

剣とガントレットがぶつかり、悪魔が持っていた剣は粉々に砕け散ってしまった。

悪魔もあぜんとした顔をしているが...オレの方があぜんとしたわ!なんで剣がそんな簡単に砕けるんだよ!おかしいだろ神器!

追撃を加えようと近寄るが、悪魔は飛んで後退していった

悪魔は急いで新しい剣を自分の影から出す。

げ、まだあるのかよ...

他の騎士達の方が心配でチラッと様子を見たが杞憂に終わった。騎士達は小さい影通称ミニ悪魔を次々と撃退していく、アレ?なんか反乱起きてた時よりも強くなってね?みんな

よくよく聞いてみたらクロがずっとぶっ飛ばし続けたから強くなってたとかなんとか...まぁ少なくともカミーユは強いな、完全にオレよりも。

あの美しい剣を自由自在に動かしながら敵を切って行ってる。つーかミニ悪魔が不憫だ。何も分からず切られ続けている。

そーいやコレット達は?と思ったら、コレットの回りにどデカイとなりのトト〇のネコバ〇みたいな奴がコレットを守ってやがる。アレ絶対家庭教師だよな、絶対。マロンまで強いのかよ、どーなってんだここ。

と思ったけど俺マロンと魔法増大に関する事案を話し合ったわ、そーいや試してみるとか言ってたな、それであんなバカデカくなってるのか。

まぁ結果的に俺の(カミーユはクロの)おかげか。こんだけ戦えれるとはなぁ...色々予想外だったわ

『で、どうする?もうすぐカミーユもマロンもこっちに来るぞ?お前に勝ち目ないんじゃないか?』

内心ビビりつつも強気で発言する。

外交などでよく使う手段だ。日露戦争の時日本は、全く資源がないことをロシアに隠したまま交渉して、良い条件を勝ち取った。今回もそうなると良いが...

『見逃してやるから教えろ、お前のご主人様は魔王...っって言ってたよな。なんだ?魔王はここでも人間滅ぼそうとでもしてんのか?』

悪魔男は怪訝そうな顔をして吐き捨てるように言った。

『馬鹿を言うな、我々が本気を出せば、この世界などいつでもモノにできる、魔王様が決断さえすればな...!』

そう言い残すと、悪魔男はミニ悪魔達を陰に吸い取り、空中へと飛び立って言った。

『その神器は必ず私が奪う!それまで大事に持っておくが良い!』   そう言い残して。

うわぁ...顔はイケメンなのに残念だなぁ...

なんというか3下臭さが消えないよ...

そう思いながらも、グリーン達は馬車へと乗り込み、宿に向かうのであった。

最初に倒された男(名前覚えてないな...ゼクロスだっけ?)は寝ているだけらしい

やがてゼクロスは目を覚ました。

『女神に起こしてもらった』とかなんとか、何を言っているのやら。

そんなこんなで1ヶ月がたち、

僕たちは王都へ到着したのである。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...