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魔王と多重人格者、相対ス
神の出現〜ベリアスside〜
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『クソッ!!』
ベリアスの拳が檻に当たる音が響く、本陣近くにある簡易的な檻の中に、ベリアスとアロンは閉じ込められていた。
武器や鎧の類は全てなくなり、キルト状の下着の上下のみで放置されていた。
結果的に言うと、神器がなければ、私とアロンは普通の人間だ。こんな魔法で少しばかり硬くなっているだけの檻すらも壊せない。ただの人間に。
アロンは何も言わない、ただうずくまったままだ。
『すまない、アロン...私は...王どころか、将の才すらないようだ。』
迷いながらも前に進もう、そう自分は決意した。その決意に応えて、神器は、あの双槍は、自分を選んでくれたのだと思っていた。しかし自分は、それに応えるどころか、あの魔王を名乗るものに惨敗...いや、勝負にすらなっていなかったであろう。アロンも自分を庇って負傷した。私を守ろうとして数多くの兵が死んだ。
悲観にくれ、絶望に打ちひしがれていたベリアスの前に...父が現れた。檻を突き破り、ベリアスに一言声をかける。
『泣き言言ってる場合か?死んだ奴の分まで、お前はどんなにみっともなくとも、生きねばならん、それが後継ぎの仕事じゃ、何より...私より先に死ぬのは許さんぞ、ベリアス』
本陣近くまで助けに来てくれたのだ、この父は。隣にヘリンを引き連れ、いつも通り、雄雄しきその姿で。
ヘリン、そう父は傍にいつもいる従者を呼ぶ
『アロンとベリアスは救出した、撤退するぞ!』
『了解!というか既に逃げ始めてます!キツイんですよ強引に精鋭だけで中央突破して王子を助け出そうなんて!アロン!剣はやる、とっとと王子を守って行け!』
そう言うとぽいっとアロンに剣を投げ渡し、ヘリンは檻の外にいる魔族と戦い始める。
ヘリンが時間を稼いでいるうちに、アロンとベリアスは馬を借りて戦線から離脱しようと馬を駆けていこうとする。その時だった。
少し遠方、ちょうど戦線の中央あたりから、光が煌めいた。こんなときに...光?!
そこより、「それ」は現れた。
光より、あまりに唐突に、山が出現したかのようにそれは現れた。まわりでグチャ、という鈍い音が聞こえる。周りを見ると、兵士達や、魔族の変わり果てた姿が転がっていた。あの山のような何かが出現したときに打ち上げられ、吹き飛ばされたのだ。そんな死体が、あちらこちらに転がっていた
『ケニー、お前......』
ヘリンが抱き寄せたそのものを見て、ベリアスは目を見開いた。確か中央軍で王とともに指揮を執っていたはずだ。もう既に息はない。潰れた体にある、特徴的な鎧が、彼と断定した理由であった。
山は留まることを知らずに上へと登っていく。上へと登るスピードが早くて気がつかなかったが、全身目の様なものが奴にはついていた。
少し時間をおいて、上へと登らなくなり、そいつの動きが止まる、と...奴は、ゆっくりと倒れたのだ
連合軍の本陣に向けて
『全員衝撃に備えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』
ガウェインの指示に合わせて、全員が馬から降りて、対衝撃の体制になる。
ベリアスも馬を盾にし、目と耳を塞いだ。
ズゥゥゥゥン
暗闇の中、聞こえたのは轟音、兵士、魔族問わず叫び声、体の浮くような感覚、体の節々に伝わる衝撃...
少し意識を失ったかのような感覚の後...
目の前にいたのはガウェイン王だった、大丈夫かとこちらの肩を叩く、大丈夫です、と声をかけると
目の前の風景は一変していた。
まるで災害、盾にしていたはずの馬はどこかに消え、周りには、先程自分を助けるために駆けつけた騎士の死体が転がっている。
ガウェインが探して回ったが、生きていたものは
ガウェイン、ヘリン、ベリアス、アロン、合わせても30名程度だった。
『ガウェイン...本陣が...こりゃ魔族の兵器かなんかなんですかね...』
『いや、これは魔族にとっても想定外だ。もし魔族の兵器であるならば、魔族側に被害を出すわけがないだろう?陣地の総数的に、敵は中央に魔族を厚くさせていた。「数の損害」だけなら魔族達の方が被害は大きい、その線は捨てる。見たところルーカンの軍勢の被害はまだましだ、全軍に撤退命令を出す!あの化け物なんかと戦えるか!直ぐに右陣に戻るぞ、準備をせい!』
ガウェイン達は走り出す。偶然生き残った魔族達も無視し、鎧をも脱ぎ捨て。
『一体...どうなってるんです、これから私たちは...どうなるのですか!』
べリアスからの問いに、ガウェインは答えなかった。
ベリアスの拳が檻に当たる音が響く、本陣近くにある簡易的な檻の中に、ベリアスとアロンは閉じ込められていた。
武器や鎧の類は全てなくなり、キルト状の下着の上下のみで放置されていた。
結果的に言うと、神器がなければ、私とアロンは普通の人間だ。こんな魔法で少しばかり硬くなっているだけの檻すらも壊せない。ただの人間に。
アロンは何も言わない、ただうずくまったままだ。
『すまない、アロン...私は...王どころか、将の才すらないようだ。』
迷いながらも前に進もう、そう自分は決意した。その決意に応えて、神器は、あの双槍は、自分を選んでくれたのだと思っていた。しかし自分は、それに応えるどころか、あの魔王を名乗るものに惨敗...いや、勝負にすらなっていなかったであろう。アロンも自分を庇って負傷した。私を守ろうとして数多くの兵が死んだ。
悲観にくれ、絶望に打ちひしがれていたベリアスの前に...父が現れた。檻を突き破り、ベリアスに一言声をかける。
『泣き言言ってる場合か?死んだ奴の分まで、お前はどんなにみっともなくとも、生きねばならん、それが後継ぎの仕事じゃ、何より...私より先に死ぬのは許さんぞ、ベリアス』
本陣近くまで助けに来てくれたのだ、この父は。隣にヘリンを引き連れ、いつも通り、雄雄しきその姿で。
ヘリン、そう父は傍にいつもいる従者を呼ぶ
『アロンとベリアスは救出した、撤退するぞ!』
『了解!というか既に逃げ始めてます!キツイんですよ強引に精鋭だけで中央突破して王子を助け出そうなんて!アロン!剣はやる、とっとと王子を守って行け!』
そう言うとぽいっとアロンに剣を投げ渡し、ヘリンは檻の外にいる魔族と戦い始める。
ヘリンが時間を稼いでいるうちに、アロンとベリアスは馬を借りて戦線から離脱しようと馬を駆けていこうとする。その時だった。
少し遠方、ちょうど戦線の中央あたりから、光が煌めいた。こんなときに...光?!
そこより、「それ」は現れた。
光より、あまりに唐突に、山が出現したかのようにそれは現れた。まわりでグチャ、という鈍い音が聞こえる。周りを見ると、兵士達や、魔族の変わり果てた姿が転がっていた。あの山のような何かが出現したときに打ち上げられ、吹き飛ばされたのだ。そんな死体が、あちらこちらに転がっていた
『ケニー、お前......』
ヘリンが抱き寄せたそのものを見て、ベリアスは目を見開いた。確か中央軍で王とともに指揮を執っていたはずだ。もう既に息はない。潰れた体にある、特徴的な鎧が、彼と断定した理由であった。
山は留まることを知らずに上へと登っていく。上へと登るスピードが早くて気がつかなかったが、全身目の様なものが奴にはついていた。
少し時間をおいて、上へと登らなくなり、そいつの動きが止まる、と...奴は、ゆっくりと倒れたのだ
連合軍の本陣に向けて
『全員衝撃に備えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』
ガウェインの指示に合わせて、全員が馬から降りて、対衝撃の体制になる。
ベリアスも馬を盾にし、目と耳を塞いだ。
ズゥゥゥゥン
暗闇の中、聞こえたのは轟音、兵士、魔族問わず叫び声、体の浮くような感覚、体の節々に伝わる衝撃...
少し意識を失ったかのような感覚の後...
目の前にいたのはガウェイン王だった、大丈夫かとこちらの肩を叩く、大丈夫です、と声をかけると
目の前の風景は一変していた。
まるで災害、盾にしていたはずの馬はどこかに消え、周りには、先程自分を助けるために駆けつけた騎士の死体が転がっている。
ガウェインが探して回ったが、生きていたものは
ガウェイン、ヘリン、ベリアス、アロン、合わせても30名程度だった。
『ガウェイン...本陣が...こりゃ魔族の兵器かなんかなんですかね...』
『いや、これは魔族にとっても想定外だ。もし魔族の兵器であるならば、魔族側に被害を出すわけがないだろう?陣地の総数的に、敵は中央に魔族を厚くさせていた。「数の損害」だけなら魔族達の方が被害は大きい、その線は捨てる。見たところルーカンの軍勢の被害はまだましだ、全軍に撤退命令を出す!あの化け物なんかと戦えるか!直ぐに右陣に戻るぞ、準備をせい!』
ガウェイン達は走り出す。偶然生き残った魔族達も無視し、鎧をも脱ぎ捨て。
『一体...どうなってるんです、これから私たちは...どうなるのですか!』
べリアスからの問いに、ガウェインは答えなかった。
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