罪人館

竜漂貝 氷河

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本編

1話 出会い1

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ここは、「罪人館」罪を犯した人や人でならざるものを収監するために造られた館。未だにこの館が造られた理由は分かっていない。
罪人担当人と呼ばれるもの達がここの看守として管理している。
罪人担当人は、罪人の罪の償いを償い終えるまでで、例外もあるが、主に1人~7人程度の罪人を朝から夕方まで管理する仕事である。



そんな者達の日常である。

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ある日の罪人担当人達の朝の集会が終わった後、一人の青年が顔をしかめて
廊下を歩いていた。

その青年、霧ヶ谷 夜琉きりがだによるはため息をつく。

「はあ。」

いや待て、なぜ序列最下位の俺がそんな危ないやつの担当なんだ、なにが嬉しくてしなくてはならないのだろうか。


そう考え俺は、朝の集会で言われた事を思い出す。
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「ーーーーーーーそして、霧ヶ谷。お前には、特別任務を与える。」
「え?」
ボーっとして話を聞いていた俺は、まさか自分が呼ばれると思わず聞き返してしまった。

「お前には、今日からある罪人を担当してもらう。紅蓮ぐれんという奴は、聞いたことあるよな?」

よな?ってなんだよよな?って、そりゃあ知らないわけないだろ?あの沢山の血を浴びた事で
赤く血で濡れていたことから紅蓮と呼ばれるようになったあの快楽殺人鬼をーー。

「今日からお前には、その紅蓮を序列1、2位が本部から罪人館ここに戻ってくるまでの間紅蓮の罪人担当人をしてもらう。質問はあるか?」
「いや、なぜ私なのでしょうか?私は序列200位なんですよ?私の他にももっと適任な方がいらっしゃるのではないでしょうか?」
え?は?は?え?ほんとに何故だ?序列200位で最下位だぞ?

ちなみに、序列とは何かというと、一言でいうと罪人担当人のランキングみたいなものだ。
また、ランクというものもあり、こちらはレベルみたいなものである
ランクの位の表示はというとーー。

Sランク 化け物
Aランク 化け物の一種だね。
Bランク   ベテラン
Cランク   一人前
Dランク    最低限はできてるよ~
Eランク  新人。(普段別のところで訓練をしてるため、罪人館にはいない。)    みたいな感じである。
また、序列6位~10位はAランク以上、序列1位~5位はSランク以上がなれるとなってる。

罪人にも危険度というものもある。
危険度S  ヤバい奴らしかいない。
危険度A  頭がイカレ始めている。
危険度B  ちょいヤバ
危険度C  普通
危険度D  雑魚                                               てな感じである。

ちなみに、俺は序列200位(なお罪人館には今は、200人しかいない)、Dランクであり、
俺が担当する事になった罪人は、危険度Sである。上層部は、俺に恨みでもあるのだろうか?
っと現実逃避もそこそこにして、、

「その適任がお前だって事さ、いやー、、な?
   実は、前にやっていた奴が怪我を負っちまってよ?そのー、なんだ、紅蓮の気に障る事をしたみたいなんだ
   しかも今回のが始めてじゃなくてよ。これで5人目なんだ。しかも、そいつら序列が20位以上でな
   しかもそのうち人は、序列10位。流石の上層部も焦って、それで序列1位か2位が来ることになったんだが
   しかし、向こうも向こうで忙しいみたいで、それまでの間どうするかとなった時にな?
 ただ、この間だこっちも新たな罪人が収監されただろ?それで人手不足だし、しかも紅蓮あいつは、
 力でどうにか出来るかも分からんからなぁ、まぁ気に障らんよう頑張れ。」

えーー。待って、色々ツッコミたいわ。色々びっくりして吐血したし(俺は、謎によく吐血する謎の体質なんだ。いや、そんなことは置いておいて)まず、序列1,2位が来なくちゃいけない相手は流石にまずいだろ、
人手不足だからって他にも暇な奴が、、いねぇわ。いや、本当に?こないだ新たに収監された罪人に今までの
担当してる罪人がいない奴が担当することになったんだったわ。えー、終わった。あと、最後の応援は何?
断れんかなー?

「ちなみに、上層部からの直接命令だ。不満があるなら、上層部に言ってくれ。」
「い、いえ、不満なんかと、とんでもないです。」
直接命令か、断ること無理じゃん。俺は、上層部に喧嘩を売る勇気は持ってねえわ。
目ざとく不満の事について言われた俺は、上手く誤魔化しておいた。

「じゃあ、頼むな。」
「…はい。」
そして、俺に謎の拍手が送られた。     
序列100位以下の奴らからは、羨ましいや妬み、嫉妬などの感情が受け取れたが、序列50位以上の奴らからは、
憐みの視線を向けられた事でこれからの大変さがわかるだろうか?

なんで俺なんだよォォ!




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 そして現在ーーー


俺はある別館の黒いドアの前に居た。
危険度ほどになると通常の牢屋より遠い別館に牢屋があり、それほど危険な奴らがいると再認識させられて
嫌になる。
少しの怖さとかなりの緊張から口から血が出るが、気にしないでおく。

そうして俺は、ハンカチで口元に流れている血を拭き、ドアノブに手をかけゆっくりと回す。


ーーーーーーーガチャ、ギィィィ                  

ドアが開く。そこには……

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