そこそこ強くてニューゲーム?~異世界転生しましたら、不老不死の美少女でした ~

遠井 詩音

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警告と忠告と

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 不死の体を手に入れ、ローズマリーとしてとりあえず生きることになった翌日、アストリッドさんが簡単にざっくりいろいろ説明してくれることとなった。

 ここは基本的に長閑で自然も豊かな部類で、文明もそれなりに発達しているし。ただ暮らすだけならおそらく今のままで十分

 お金が必要なら使いきれないほどあるから使っていい、街に買い物に行くときは庭にあるバラのアーチを潜るだけでいい。
等々本当に便利で楽な生活なのを聞けば聞くほど実感してしまう。

 ゲームとかなくても本とかあるし、絵をのんびり書いたり、本を読んだりお菓子をつくったり、なんなら刺繍を始めるのも面白そうかもしれない
と、呑気に考えていたらアストリッドさんはため息を吐く。

「私がいうのもなんだけど、不老不死のしかもそれなりに魔力のある肉体を得たって言うのに無欲すぎない?」

「いや、こんな超絶美少女になれたあげく便利な生活てにいれてるのにこれ以上望んだらバチあたりますよ。」
私は力一杯首を横に降ってそう断言すると、アストリッドは一瞬目をぱちくりさせてから、 気だるげに話す

「ふつーだったら旅に出て私つええ状態楽しもうとか思わない?」
たしかにアストリッドは強いし 異世界転生においてはそれも一つの楽しみかもしれないけれど私はあっさりそれを否定する。
「いや、いろいろと大変そうですし」

 そもそも、なんにも知らない世界で旅って自ら危ない目に会いに行くようなものなのでは、治安がいいか悪いかもわからないのに無謀すぎる。

「慎重なのねぇ」
アストリッドさんは感心したように頬杖をつく
「んー、まぁ いろいろとバレたら面倒だし好都合なんだけど………」

「……バレたら面倒…?」
疑問符を浮かべると彼女は少しだけ唸ると人差し指をたてる
「私救国の英雄で、大魔道士で、不老不死じゃん?」

三本指を立てながらフランクに話すアストリッドをみて私は
何をわかりきったことを言っているんだろうか、と首をかたむけるとアストリッドさんはため息をつく、わかっていない私に呆れて というよりかなんだかあわれんでいる感じに見えた。

「……そんなチートほしくない国があるわけなくない?」
「は……、え?」

 彼女は、戸惑う私をおいてけぼりにして続けた。
何にもわからない私にまるで読み聞かせをするかのように優しく、優しく。

 偉業を成し遂げた後、単純に兵器として求められたこともあった、研究対象として求められたことも、ましてや優秀な能力と遺伝子を残そうと貴族らのなかでも優秀なものをあてがわれそうになったこともあった。

 そんな理不尽な話が、と思わず考え込みそうになったとき、その場を明るくするようにアストリッドがあっけらかんと笑う

「そういうのがもうめんどくさくなっちゃってね」

だから体を捨てたんだ、と私も不思議と納得できた。
多分私に言わないだけで他にも嫌な思いをしてきたにちがいない

「もし旅なんかに出て、他国の王族とかに知られたら大変な思いをしたにちがいないからローズが慎重な子でよかった」

  英雄アストリッドの名前は各国にしれわたっており、彼女が不老不死であることも、古くからある貴族らはしっていることが多い。

彼女のいってためんどくさい、とはそういう意味だったのか。
「じゃあここにいれば大丈夫…、ってこと?」
内心納得しつつアストリッドに問う

「この国の人間は 私のことなんておとぎ話くらいにしかわからないだろうから大丈夫」
けれど、頭のすみにその話はおいといてね、アストリッドのその言葉に私は頷いた。

 話を知ってるか、知らないかそれだけでも大分対応は違ってくる アストリッドのいっていることはただしい

「ともかく、その体 色んな国が狙ってるから、色んないみで」
「言い方……」
「いやまぁ事実だし?」
そうなんだけども、と口ごもるもそれさえアストリッドはけらけら笑い飛ばす

「まぁ 本当に嫌だったらさくっとね?」
と、手を首の辺りで横にすぱっと横に引く
………やれと?
ひくり、と顔がひきつるのがよくわかった
「ローズは顔に出るねぇ」
そりゃとんでも発言されれば顔に出ますよ、むしろ顔芸にならなかったんだからそこを誉めてほしい。
 内心でつらつらぼやく

「まぁ、どっかの良心的な国に保護されるっていうのも手だけどねぇ そんなクリーンな国あったためしないから」
最初は国賓扱いで敬われていたけれど不老不死であることを不気味がられたり、はたまたどこの侯爵家がアストリッドを引き取るのかでもめて内乱になりかけたとかならないとか

「だからそれはオススメしないよ~」
国を傾けたとは思えないほどのほほんとした物言いだが
私も彼女の意見には概ね賛成である、第一私庶民以前にコミュ障だし

「まぁ言い寄ってくる貴族は信用しない方がいいよって話だね」
中にはいい貴族もいるだろうけど、と思いながらもそれを云うのは憚られた
アストリッドがこういうほど、彼女はたくさん嫌な思いをしたんだろうし。

「用心します」
なんとかそれだけ絞り出すと、アストリッドは私の頭をわしゃわしゃと撫でた
「よしよしローズはいいこ、いいこ」

「あと、絶対関わらない方がいい貴族の名前を教えとくね」

「ゲンティアーナ侯爵家」
口にするのも汚らわしい、といわんばかりにアストリッドは顔を歪める
「最低最悪の裏切りものの家よ」
そう吐き捨てたアストリッドの表情は私にはわからないようなたくさんの感情がいりくんでいるように見えた。
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