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ずっと思ってた。
本当にお前は俺のこと好きなんだなぁって。
でも、そんなの俺にとってはどうでもよかった。
使えるものはなんでも使う。
楽がしたい。
遊びたい。
ただ、それだけ。
「なぁ、金頂戴」
「う、うん!」
嬉しそうな笑みをしながら財布を喜んで渡してくるそいつに最初は驚いた。
まぁ、こんなことでキレていたらバッサリ捨てていたけれども。
他の奴らは大抵そうだった。
だったらいらない。
そう言うと奴らは一斉に言い出す。
セイ君、セイ君、セイ君…!
何度も俺の名前を呼んで許してもらおうとすがり付いてくる。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!!
触るな!!
面倒なΩはいらない。
重いのも嫌いだ。
俺は知ってる。
あんなに俺の事を好き好き言っておきながら結局は他のαにいくΩを。
何度も何度も見た。
俺のルックス、地位、金。
それだけで俺のことが好き?
嘘を言うなよ!!
苛立って毎日毎日遊んだ。
遊べば最悪な家庭の事も忘れられたし、媚を売るΩを見ると自分が上だと思えて快感だった。
楽しい、楽しい!
誰と付き合ってるかなんて関係ない。
どうでもいい、そう、どうでも。
どうでもよかったんだ…。
「大和…大和」
隣でぐっすりと寝てしまった愛おしいΩ。
サラサラの黒髪は明るい茶髪になったがそれ以外は何も変わっていない。
優しくて俺のことを一番に思ってくれる…世界で一番大切な人。
「大和…愛してるよ」
ギシッとベッドを鳴らして大和に近づく。
スゥスゥと寝息を立てている可愛い顔をジッと見つめる。
可愛いなぁ。
思わず笑みが溢れる。
「さてと……」
ごめんね、大和。
一応心の中で大和に謝りながら大和のスマホを手に取る。
はてさて、暗証番号はなんだろうか…?
まさかとは思いつつも思い浮かんだ四桁の数字を選択する。
「ふふっ、本当に俺のこと大好きなんだから」
可愛いやつめ…俺の誕生日に設定してる。
どんどん増していく愛おしさに思わず口が緩む。
「大和は俺だけの大和だから…ね」
そう呟いて眠りこけている大和に微笑んだままの顔を向ける。
可愛い、大和。
俺の大和。
俺はもう失敗しないよ。
「……だから邪魔だなぁ」
開いた連絡先。
そこに浮かぶ知らないαの名前。
無意識に歯が鳴る。
腹が立つ、腹が立つ!!
「……消そうか」
そう呟く。
消してしまいたい、全員、粉々に。
二度と大和の前に現れないように。
でも。
大和、泣くかな?
大和が泣くのは俺のためだけがいい。
あの可愛い大和が他のやつを思って泣いてるのかと思うとそっちの方が腹が立つ。
「我慢かな、我慢」
それでも、やっぱり。
ここにαの名前があるのが気にくわない。
大和、この連絡先全部消してくれるかな?
早く起きて、大和。
起きたらまずは付き合おうって言わなくちゃね。
それから連絡先も全部消してもらわなきゃ。
後は毎日好きって言って欲しいな。
それからそれから…。
毎日愛し合いたい。
大和のあの唇に早く触れたい。
あの体を早く食らいたい。
俺のものだっていう印をいっぱいつけたい。
あぁ、俺って重いのかも。
本当にお前は俺のこと好きなんだなぁって。
でも、そんなの俺にとってはどうでもよかった。
使えるものはなんでも使う。
楽がしたい。
遊びたい。
ただ、それだけ。
「なぁ、金頂戴」
「う、うん!」
嬉しそうな笑みをしながら財布を喜んで渡してくるそいつに最初は驚いた。
まぁ、こんなことでキレていたらバッサリ捨てていたけれども。
他の奴らは大抵そうだった。
だったらいらない。
そう言うと奴らは一斉に言い出す。
セイ君、セイ君、セイ君…!
何度も俺の名前を呼んで許してもらおうとすがり付いてくる。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!!
触るな!!
面倒なΩはいらない。
重いのも嫌いだ。
俺は知ってる。
あんなに俺の事を好き好き言っておきながら結局は他のαにいくΩを。
何度も何度も見た。
俺のルックス、地位、金。
それだけで俺のことが好き?
嘘を言うなよ!!
苛立って毎日毎日遊んだ。
遊べば最悪な家庭の事も忘れられたし、媚を売るΩを見ると自分が上だと思えて快感だった。
楽しい、楽しい!
誰と付き合ってるかなんて関係ない。
どうでもいい、そう、どうでも。
どうでもよかったんだ…。
「大和…大和」
隣でぐっすりと寝てしまった愛おしいΩ。
サラサラの黒髪は明るい茶髪になったがそれ以外は何も変わっていない。
優しくて俺のことを一番に思ってくれる…世界で一番大切な人。
「大和…愛してるよ」
ギシッとベッドを鳴らして大和に近づく。
スゥスゥと寝息を立てている可愛い顔をジッと見つめる。
可愛いなぁ。
思わず笑みが溢れる。
「さてと……」
ごめんね、大和。
一応心の中で大和に謝りながら大和のスマホを手に取る。
はてさて、暗証番号はなんだろうか…?
まさかとは思いつつも思い浮かんだ四桁の数字を選択する。
「ふふっ、本当に俺のこと大好きなんだから」
可愛いやつめ…俺の誕生日に設定してる。
どんどん増していく愛おしさに思わず口が緩む。
「大和は俺だけの大和だから…ね」
そう呟いて眠りこけている大和に微笑んだままの顔を向ける。
可愛い、大和。
俺の大和。
俺はもう失敗しないよ。
「……だから邪魔だなぁ」
開いた連絡先。
そこに浮かぶ知らないαの名前。
無意識に歯が鳴る。
腹が立つ、腹が立つ!!
「……消そうか」
そう呟く。
消してしまいたい、全員、粉々に。
二度と大和の前に現れないように。
でも。
大和、泣くかな?
大和が泣くのは俺のためだけがいい。
あの可愛い大和が他のやつを思って泣いてるのかと思うとそっちの方が腹が立つ。
「我慢かな、我慢」
それでも、やっぱり。
ここにαの名前があるのが気にくわない。
大和、この連絡先全部消してくれるかな?
早く起きて、大和。
起きたらまずは付き合おうって言わなくちゃね。
それから連絡先も全部消してもらわなきゃ。
後は毎日好きって言って欲しいな。
それからそれから…。
毎日愛し合いたい。
大和のあの唇に早く触れたい。
あの体を早く食らいたい。
俺のものだっていう印をいっぱいつけたい。
あぁ、俺って重いのかも。
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