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第二百八十八話 ガトチュ石鹸スタイル!
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冒険者の剣がシルバーウルフの横を通りぬける。
「抜けたぞ!」
「誰か止めろ!」
剣士の人と周りの冒険者の焦る声が聞こえる。僕は焦らずに弓に矢を番えて引き絞る。
「はっ!」
動き回るシルバーウルフをわき腹を矢で貫く。だけど、シルバーウルフは倒しきれず、鮮血を流しながら走ってくる。
「やっぱり1本じゃ倒しきれないか」
「きゃああああ!」
『グルアアアア!』
ブロンズウルフの3倍くらいの速さでシルバーウルフが、後衛にいるヒーラーの人に迫ってくる。
シルバーウルフがヒーラーさんの首元に牙を突き立てようとする。瞬間、僕が放った矢がシルバーウルフの頭を貫いた。
「た、助かった……」
シルバーウルフが光の粒になっていくのを見て、ヒーラーの人が安堵の表情になる。
そして、僕の方を向くと深々とお辞儀をしてきた。僕は軽くてを振って答えて次の敵に備える。
「変な音はしないし、冒険者の人達も強いし今の内に食事をとっておこうかな」
ポケットからエナジーバーを取り出して包みを剥ぐ。戦っている時のご飯はこれだ。
茶色のエナジーバーが包みから現れかぶりつく。チョコの甘みが口いっぱいに広がる。
「むぐむぐ、なんだか飽きてきたなぁ」
最近、このエナジーバーを食べるのが増えて来た。僕は甘い物が得意じゃないし、これはが続くのは精神的に厳しい。
甘さを出来るだけ感じたくないから、最低限の咀嚼だけして水でエナジーバーを流し込む。
「ふう、ごちそうさまでした」
包みをポケットの中に入れて、弓を構える。
草原を見るに、そこまで状況は変わっていないかな。抜け出ている魔物もいないし一安心だ。
「なんだかんだ、街を守り切れているなあ。このまま最後まで何もなければ良いんだけど」
そんな事は無いというのは、ホウリさんの言葉で理解している。けど、どうしてもそんな事を考えざるを得ない。
「今は余裕があるし、矢の複製とかエンチャントでも進めておこうかな───ん?」
そう思っていると、地平線から何かが飛んでくるのが見えた。
「ホウリさんから空を飛ぶ敵の報告は受けていない。ということは、初めてやってくる敵?」
飛んでいるのは……ガーゴイルだ。弱めの魔物だから一撃で倒せると思う。問題は……
「数が多すぎる」
地平線を覆いつくすほどのガーゴイルが街を囲むように接近している。あんな数が相手だと、流石に僕だけじゃ倒しきれない。
「あの速さだと3時間くらいで到達するかな。早くホウリさんに知らせないと」
イクスアローを取り出して頭上に向かって放つ。イクスアローは天高く上がり、轟音をあげて爆発した。
何かあればイクスアローで知らせる、ホウリさんからの指示だ。
「ホウリさんが来るまでは、今まで通り皆さんのサポートを───」
「何かあったか?」
「うおっ!?」
背後から声を掛けられ、思わず弓を取り落としそうになる。
「ほ、ホウリさん!?お早い登場ですね!?」
「呼んでおいて何を言ってる」
ホウリさんは草原に視線を向けると、頭を掻きながら顔を歪めた。
「ガーゴイルか。数は約5000匹。ロワだけじゃ倒しきれないな」
「どうします?」
「街にいる弓使いと魔法使いをありったけ連れて来る。壁の上に配置すれば太刀打ち出来るはずだ」
「分かりました。僕も準備しますね」
「お前は別の場所で待機だ」
気合を入れて弓を握ると、予想だにしない言葉が返って来た。
「え?じゃあ、僕は何処に行けば?」
「街の中央にある大きな時計塔だ」
ホウリさんが指さす方向を見ると、街の中央の方に大きな時計塔があるのが見えた。あれなら、街を全て見渡すことが出来るだろう。
「あそこで遠距離部隊が打ち漏らしたガーゴイルを仕留めて欲しい」
「なるほど。分かりました」
あそこなら、街のどこから侵入されても射抜くことが出来る。
「時計塔までは遠いですね。3時間でたどり着けるでしょうか?」
「今から急げば間に合う。最悪、ワープアローを使っていけばなんとかなるだろう」
「じゃあすぐに向かわないと────」
『ゴアアアアアア!』
降りようとした瞬間、背後から物凄い雄たけびが響いてきた。思わず振り返ると、魔物の中にさっきまでいなかった真っ黒な巨大な魔物が雄たけびを上げていた。
「あれはデーモン!?あんな魔物さっきまでいませんでしたよ!?」
「魔物をワープさせたか」
前に戦ったコマンドデーモンほどではないけど、デーモンも十分強力だ。倒すとしたらA級冒険者が5人がかりで戦わないと倒せない。
でも、冒険者の人達は他の魔物にかかりっきりだ。デーモンまで手が回らない。
「どどどどうしましょう!?流石に放っておけませんよ!?」
今の状況でデーモンを倒すには30分はかかる。それだけ時間をかけてしまったら、ガーゴイルが到達した時に時計台に到達できていない可能性がある。
けど、何もせずに時計台に向かったら、ここにいる皆さんが危険だ。
「落ち着け」
「ですが!」
「デーモンを倒さないと全滅。時間も無い。ならやる事は1つだ」
ホウリさんはクールな表情で木刀を抜き去る。
「時間を掛けずに奴を倒す」
「そんなことが……」
「俺がデーモンの動きを押える。その隙にデーモンの急所に矢をねじ込め」
そう言って、ホウリさんは矢を1本渡してくれる。
「これっていつも使っているエンチャントじゃないですよね?」
「ああ。最近開発されたエンチャントだ」
「あのエンチャントですか!?」
何日か前に雑誌でそんな記事をみた気がする。僕のエンチャントは実物を見たことがないと付与できない。
だからこのエンチャントも近いうちに手に入れようって思ってたんだよね。
「へぇ、こんな感じなんだぁ」
「あとでもう一本やるから、今はデーモンに集中しろ」
「あ、そうでしたね」
デーモンのことすっかり忘れてたや。
「デーモンの急所は把握しているな?」
「首筋ですよね?」
首すじを貫けば一撃でデーモンを倒すことが出来る。
デーモンは防御力が高いから、本来なら劣化トリシューラくらいの威力の矢を使わないといけない。けど、新しいエンチャントはそれが可能だ。
「弓とワープアローを貸してくれ」
「分かりました」
ホウリさんは予備の弓とワープアローを受け取ると無造作に放つ。ワープアローは見事にデーモンのすぐ傍の地面に突き刺さり、ホウリさんと位置を入れかえる。
『ゴアアアアアア!』
「うるせえ!」
ホウリさんは新月をデーモンの腹部に叩き込む。けど、威力が低すぎて全く効いている様子は無い。
『ゴアアアアアアアア!』
デーモンは急に現れたホウリさんに向かって拳を繰り出す。ホウリさんは難なく避けて、デーモンの顔に小型の爆弾を投げつけた。
「これでも食らえ!」
ホウリさんがウイッチを押すと、爆弾はデーモンの鼻先で轟音をあげて爆破した。
その様子を見て他の冒険者の人達から歓声があがる。
「やったか!?」
「この程度で倒せる相手なわけないだろ!油断するな!」
グリーンゴブリンからの棍棒を新月で受け止めて、ホウリさんが叫ぶ。
ホウリさんの言う通り、爆弾の黒煙の中から無傷のデーモンの顔が現れた。デーモンはホウリさんを敵と認識したのか、右腕を高く上げる。
『ゴアァァァァァァァ!』
デーモンは力いっぱい拳を振り下ろし────
『ゴウアア!?』
いつの間にかワイヤーでつながれていた右足を巻き込んで、大きく体勢を崩した。顔を爆破して視界を奪った時に、こっそりホウリさんがワイヤーを使っていたのだ。
「これだけじゃ倒れないか。なら!」
ホウリさんがデーモンの懐に潜り込んで右腕を掴み、
「ふんっ!」
2倍以上も大きさが違うデーモンを思いっきり投げ飛ばした。
腕と足がワイヤーでつながれているデーモンは受け身も取れずに地面に倒れ込む。
「今だロワ!」
「スピニングアロー!」
ホウリさんの掛け声ともに、無防備な首筋に矢を放つ。
スピニングアロー、矢が高速で回転しながら攻撃をするエンチャントだ。このエンチャントの特徴は高い貫通能力にある。
例えゴーレムみたいな固い敵だとしても、貫くことが可能だ。使い方によっては複数の敵を貫通させることも可能だ。
スピニングアローはデーモンの首筋に命中すると、回転しながら貫こうとする。よし、このまま行けば……
『グルアアアア!?』
デーモンは左手でスピニングアローを掴む。
嘘でしょ!?あの状況からスピニングアローを掴むの!?掴まれたスピニングアローは徐々に勢いを失っていく。このままだと、貫く前にエンチャントの効果が無くなってしまう!
背に腹は代えられないと思い、劣化トリシューラを取り出そうとする。すると、ホウリさんが新月で突きの構えを取っているのが見えた。
ホウリさんは目を大きく見開くと、新月を光らせながら突きを繰り出す。
「強撃!」
突きは矢の後ろである矢筈に命中し、矢をデーモンの首筋に押し込んでいった。矢が完全に首筋に突き刺さると、デーモンは力なく手を離して光の粒になっていった。
「うおおおおおお!すげええ!」
「流石ホウリ!」
「壁の上からの正確な狙撃ってあの弓使いも何者だよ!?」
デーモンの撃破に他の冒険者から歓声が上がる。
「お前ら!まだ戦いは終わってねえぞ!気を抜くな!」
そんな冒険者の人達にホウリさんからの喝が飛ぶ。すると、皆さんが顔を青くして武器を構えなおした。余程ホウリさんが怖いんだろう。
「ロワ!終わったぞ!さっさと時計塔に向かえ!」
「わ、分かりました!」
急いで矢をアイテムボックスに入れて、ワープアローを構える。
こうして、僕は時計塔で最重要任務を任されることになった。
「抜けたぞ!」
「誰か止めろ!」
剣士の人と周りの冒険者の焦る声が聞こえる。僕は焦らずに弓に矢を番えて引き絞る。
「はっ!」
動き回るシルバーウルフをわき腹を矢で貫く。だけど、シルバーウルフは倒しきれず、鮮血を流しながら走ってくる。
「やっぱり1本じゃ倒しきれないか」
「きゃああああ!」
『グルアアアア!』
ブロンズウルフの3倍くらいの速さでシルバーウルフが、後衛にいるヒーラーの人に迫ってくる。
シルバーウルフがヒーラーさんの首元に牙を突き立てようとする。瞬間、僕が放った矢がシルバーウルフの頭を貫いた。
「た、助かった……」
シルバーウルフが光の粒になっていくのを見て、ヒーラーの人が安堵の表情になる。
そして、僕の方を向くと深々とお辞儀をしてきた。僕は軽くてを振って答えて次の敵に備える。
「変な音はしないし、冒険者の人達も強いし今の内に食事をとっておこうかな」
ポケットからエナジーバーを取り出して包みを剥ぐ。戦っている時のご飯はこれだ。
茶色のエナジーバーが包みから現れかぶりつく。チョコの甘みが口いっぱいに広がる。
「むぐむぐ、なんだか飽きてきたなぁ」
最近、このエナジーバーを食べるのが増えて来た。僕は甘い物が得意じゃないし、これはが続くのは精神的に厳しい。
甘さを出来るだけ感じたくないから、最低限の咀嚼だけして水でエナジーバーを流し込む。
「ふう、ごちそうさまでした」
包みをポケットの中に入れて、弓を構える。
草原を見るに、そこまで状況は変わっていないかな。抜け出ている魔物もいないし一安心だ。
「なんだかんだ、街を守り切れているなあ。このまま最後まで何もなければ良いんだけど」
そんな事は無いというのは、ホウリさんの言葉で理解している。けど、どうしてもそんな事を考えざるを得ない。
「今は余裕があるし、矢の複製とかエンチャントでも進めておこうかな───ん?」
そう思っていると、地平線から何かが飛んでくるのが見えた。
「ホウリさんから空を飛ぶ敵の報告は受けていない。ということは、初めてやってくる敵?」
飛んでいるのは……ガーゴイルだ。弱めの魔物だから一撃で倒せると思う。問題は……
「数が多すぎる」
地平線を覆いつくすほどのガーゴイルが街を囲むように接近している。あんな数が相手だと、流石に僕だけじゃ倒しきれない。
「あの速さだと3時間くらいで到達するかな。早くホウリさんに知らせないと」
イクスアローを取り出して頭上に向かって放つ。イクスアローは天高く上がり、轟音をあげて爆発した。
何かあればイクスアローで知らせる、ホウリさんからの指示だ。
「ホウリさんが来るまでは、今まで通り皆さんのサポートを───」
「何かあったか?」
「うおっ!?」
背後から声を掛けられ、思わず弓を取り落としそうになる。
「ほ、ホウリさん!?お早い登場ですね!?」
「呼んでおいて何を言ってる」
ホウリさんは草原に視線を向けると、頭を掻きながら顔を歪めた。
「ガーゴイルか。数は約5000匹。ロワだけじゃ倒しきれないな」
「どうします?」
「街にいる弓使いと魔法使いをありったけ連れて来る。壁の上に配置すれば太刀打ち出来るはずだ」
「分かりました。僕も準備しますね」
「お前は別の場所で待機だ」
気合を入れて弓を握ると、予想だにしない言葉が返って来た。
「え?じゃあ、僕は何処に行けば?」
「街の中央にある大きな時計塔だ」
ホウリさんが指さす方向を見ると、街の中央の方に大きな時計塔があるのが見えた。あれなら、街を全て見渡すことが出来るだろう。
「あそこで遠距離部隊が打ち漏らしたガーゴイルを仕留めて欲しい」
「なるほど。分かりました」
あそこなら、街のどこから侵入されても射抜くことが出来る。
「時計塔までは遠いですね。3時間でたどり着けるでしょうか?」
「今から急げば間に合う。最悪、ワープアローを使っていけばなんとかなるだろう」
「じゃあすぐに向かわないと────」
『ゴアアアアアア!』
降りようとした瞬間、背後から物凄い雄たけびが響いてきた。思わず振り返ると、魔物の中にさっきまでいなかった真っ黒な巨大な魔物が雄たけびを上げていた。
「あれはデーモン!?あんな魔物さっきまでいませんでしたよ!?」
「魔物をワープさせたか」
前に戦ったコマンドデーモンほどではないけど、デーモンも十分強力だ。倒すとしたらA級冒険者が5人がかりで戦わないと倒せない。
でも、冒険者の人達は他の魔物にかかりっきりだ。デーモンまで手が回らない。
「どどどどうしましょう!?流石に放っておけませんよ!?」
今の状況でデーモンを倒すには30分はかかる。それだけ時間をかけてしまったら、ガーゴイルが到達した時に時計台に到達できていない可能性がある。
けど、何もせずに時計台に向かったら、ここにいる皆さんが危険だ。
「落ち着け」
「ですが!」
「デーモンを倒さないと全滅。時間も無い。ならやる事は1つだ」
ホウリさんはクールな表情で木刀を抜き去る。
「時間を掛けずに奴を倒す」
「そんなことが……」
「俺がデーモンの動きを押える。その隙にデーモンの急所に矢をねじ込め」
そう言って、ホウリさんは矢を1本渡してくれる。
「これっていつも使っているエンチャントじゃないですよね?」
「ああ。最近開発されたエンチャントだ」
「あのエンチャントですか!?」
何日か前に雑誌でそんな記事をみた気がする。僕のエンチャントは実物を見たことがないと付与できない。
だからこのエンチャントも近いうちに手に入れようって思ってたんだよね。
「へぇ、こんな感じなんだぁ」
「あとでもう一本やるから、今はデーモンに集中しろ」
「あ、そうでしたね」
デーモンのことすっかり忘れてたや。
「デーモンの急所は把握しているな?」
「首筋ですよね?」
首すじを貫けば一撃でデーモンを倒すことが出来る。
デーモンは防御力が高いから、本来なら劣化トリシューラくらいの威力の矢を使わないといけない。けど、新しいエンチャントはそれが可能だ。
「弓とワープアローを貸してくれ」
「分かりました」
ホウリさんは予備の弓とワープアローを受け取ると無造作に放つ。ワープアローは見事にデーモンのすぐ傍の地面に突き刺さり、ホウリさんと位置を入れかえる。
『ゴアアアアアア!』
「うるせえ!」
ホウリさんは新月をデーモンの腹部に叩き込む。けど、威力が低すぎて全く効いている様子は無い。
『ゴアアアアアアアア!』
デーモンは急に現れたホウリさんに向かって拳を繰り出す。ホウリさんは難なく避けて、デーモンの顔に小型の爆弾を投げつけた。
「これでも食らえ!」
ホウリさんがウイッチを押すと、爆弾はデーモンの鼻先で轟音をあげて爆破した。
その様子を見て他の冒険者の人達から歓声があがる。
「やったか!?」
「この程度で倒せる相手なわけないだろ!油断するな!」
グリーンゴブリンからの棍棒を新月で受け止めて、ホウリさんが叫ぶ。
ホウリさんの言う通り、爆弾の黒煙の中から無傷のデーモンの顔が現れた。デーモンはホウリさんを敵と認識したのか、右腕を高く上げる。
『ゴアァァァァァァァ!』
デーモンは力いっぱい拳を振り下ろし────
『ゴウアア!?』
いつの間にかワイヤーでつながれていた右足を巻き込んで、大きく体勢を崩した。顔を爆破して視界を奪った時に、こっそりホウリさんがワイヤーを使っていたのだ。
「これだけじゃ倒れないか。なら!」
ホウリさんがデーモンの懐に潜り込んで右腕を掴み、
「ふんっ!」
2倍以上も大きさが違うデーモンを思いっきり投げ飛ばした。
腕と足がワイヤーでつながれているデーモンは受け身も取れずに地面に倒れ込む。
「今だロワ!」
「スピニングアロー!」
ホウリさんの掛け声ともに、無防備な首筋に矢を放つ。
スピニングアロー、矢が高速で回転しながら攻撃をするエンチャントだ。このエンチャントの特徴は高い貫通能力にある。
例えゴーレムみたいな固い敵だとしても、貫くことが可能だ。使い方によっては複数の敵を貫通させることも可能だ。
スピニングアローはデーモンの首筋に命中すると、回転しながら貫こうとする。よし、このまま行けば……
『グルアアアア!?』
デーモンは左手でスピニングアローを掴む。
嘘でしょ!?あの状況からスピニングアローを掴むの!?掴まれたスピニングアローは徐々に勢いを失っていく。このままだと、貫く前にエンチャントの効果が無くなってしまう!
背に腹は代えられないと思い、劣化トリシューラを取り出そうとする。すると、ホウリさんが新月で突きの構えを取っているのが見えた。
ホウリさんは目を大きく見開くと、新月を光らせながら突きを繰り出す。
「強撃!」
突きは矢の後ろである矢筈に命中し、矢をデーモンの首筋に押し込んでいった。矢が完全に首筋に突き刺さると、デーモンは力なく手を離して光の粒になっていった。
「うおおおおおお!すげええ!」
「流石ホウリ!」
「壁の上からの正確な狙撃ってあの弓使いも何者だよ!?」
デーモンの撃破に他の冒険者から歓声が上がる。
「お前ら!まだ戦いは終わってねえぞ!気を抜くな!」
そんな冒険者の人達にホウリさんからの喝が飛ぶ。すると、皆さんが顔を青くして武器を構えなおした。余程ホウリさんが怖いんだろう。
「ロワ!終わったぞ!さっさと時計塔に向かえ!」
「わ、分かりました!」
急いで矢をアイテムボックスに入れて、ワープアローを構える。
こうして、僕は時計塔で最重要任務を任されることになった。
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