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魔導書
11. 詠唱構文
詠唱型の魔術師は、自分で自分の精神や、言葉を整理し、詠唱のルールを作り上げる。
勿論、誰かの使っている構文をそのまま使っても、問題はない。
結果が伴うならば、そこに制約は何も無い。
サンプルとして、私の使っている詠唱構成を掲載する。
私が使っている詠唱は、主に。
①属性節+②術式固有節+③術式名称節(術式宣言)
で構成されている。
属性節 = 属性の在り方を表す節
術式固有節 = 術式の内容を示す節
術式名称節 = 術式の名前を宣言する節
例えば、
術式名:【『木葉短剣』】
これは、木属性初級難度の汎用術式であり、刃渡り50cm程の両刃の曲剣――を象った大きな木葉を生成する。
術式図では特に、ただの木葉を金属製の刃物と同等まで強度を向上させる事と、大きさ、形状などに重きをおいている。
これを、上記の①+②+③の全詠唱で行使する時、私が描く詠唱は下記の通り。
「①水に芽吹き、瓊葩綉葉、火に燃ゆる――、②走れ、凶刃成る言の葉よ――③『木葉短剣』!!」
となる。
この状態だと、術式としての品質は最高となり、作り出した短剣を他人に手渡しても暫くは消えずに保持することができるだろう。
どれほどの時間保持できるかは、術者の腕前によるところとなると思われる。
ちなみに、私の場合は、30分ほどは保持することが可能だと思う。
これを1工程短縮する場合には、必ず①の属性節を省き。
「②走れ、凶刃成る言の葉よ――③『木葉短剣』!!」
となる。
このように詠唱を簡略化することで、発動までの時間を早くすることができる。
その代わり、術式の存在強度と品質が失われ、作り出した短剣の持続力、耐久性等が低下することになる。
他人に手渡すには、やや不安が残る状態だろう。
手渡したとして、私でも3分程度が限界になる。普通の魔術師ならば1分持てば良い方ではないだろうか。
しかしそれでも手放さずに、自分の手で武器や道具として使うには十分な強度と性能を発揮できる。
次に。
「『木葉短剣』!!」
上記のように、さらに1工程短縮することもできる。
その場合には、必ず②の固有節を省く。
つまり、術式名称節のみを残す。
これは詠唱に関してだけではなく、言霊、自己と世界への暗示として、『名前』が一番の意味と強度を持っているからだ。
名前とは、その一言で全ての説明を省き、その内容が何であるかを解らせる強い力がある。それは魔術や魔法においても同じだ。
そして、術式名称節の部分を、『術式宣言』とも言う。
しかし名称のみでの詠唱は、品質の担保も一部になる。
二度、三度斬りつければ、刃は毀れ、砕け散るだろう。
そしてついに、全ての詠唱を省けば、ノータイムの『無詠唱発動』になる。
これが行えるのが、詠唱型魔術師の最大の利点である。
けれど、名称宣言すら省いた術式は、かなり脆弱だ。
この状態で、魔術としての形を保持させるためには、術師として並大抵ではない技量、才能、鍛錬が必要だろう。
普通の魔術師では、ろくに満足な効果が得られないに違いない。
少しでも余裕があるなら、なるべく術式宣言だけは行う方が良い。
無詠唱発動は、それすらも間に合わない状況などに留めるべきだ。
例えば。
目前に迫る刃を弾くために、短剣を作り出す等の咄嗟の判断による緊急手段。
瞬時に作り出した短剣を連続で投げつける場合。
あえて魔術の品質を下げたい場合。
言葉が発せられない状態の時。
術の発動を悟らせない奇襲目的。
どちらにせよ、これらは私が構築した一例に過ぎないものだ。
参考程度にとどめておく程度にしてほしい。
いくつか他の術式詠唱も掲載しておく。
火属性/防御用/下級難度術式【『炎の壁』】
「木を糧に起こり、灰燼、土に復す――、立ち上がれ、火炎の防壁――『炎の壁』!!」
土属性/攻撃用/初級難度術式【『石片の散弾』】
「火に紛れ、残心、金に倣わす――、爆ぜよ、玉石の飛礫――『石片の散弾』!!」
金属性/汎用/※中級難度術式【『金剛大剣・神器』】
※元は中級だが、使用金属種により難度が可変する。これは最上級アレンジ。
「土に煌めき、締結、水を暴く――集え、現、幻、示現の刃――『金剛大剣・神器』」
月属性/支援用/初級難度術式【『暗視能力付与』】
「比翼連理たる光、今、表裏一対の理を示す――魅透せ、光無き世界――『暗視能力付与』」
風属性/攻撃用/最上級難度術式【『風の大災害』】
「虚無にたゆといし見えざる羽根よ、想起、高みのすべてを示せ――破壊の奔流よ、無慈悲にして冷徹な神罰となって荒れ狂わん――『風の大災害』!!」
勿論、誰かの使っている構文をそのまま使っても、問題はない。
結果が伴うならば、そこに制約は何も無い。
サンプルとして、私の使っている詠唱構成を掲載する。
私が使っている詠唱は、主に。
①属性節+②術式固有節+③術式名称節(術式宣言)
で構成されている。
属性節 = 属性の在り方を表す節
術式固有節 = 術式の内容を示す節
術式名称節 = 術式の名前を宣言する節
例えば、
術式名:【『木葉短剣』】
これは、木属性初級難度の汎用術式であり、刃渡り50cm程の両刃の曲剣――を象った大きな木葉を生成する。
術式図では特に、ただの木葉を金属製の刃物と同等まで強度を向上させる事と、大きさ、形状などに重きをおいている。
これを、上記の①+②+③の全詠唱で行使する時、私が描く詠唱は下記の通り。
「①水に芽吹き、瓊葩綉葉、火に燃ゆる――、②走れ、凶刃成る言の葉よ――③『木葉短剣』!!」
となる。
この状態だと、術式としての品質は最高となり、作り出した短剣を他人に手渡しても暫くは消えずに保持することができるだろう。
どれほどの時間保持できるかは、術者の腕前によるところとなると思われる。
ちなみに、私の場合は、30分ほどは保持することが可能だと思う。
これを1工程短縮する場合には、必ず①の属性節を省き。
「②走れ、凶刃成る言の葉よ――③『木葉短剣』!!」
となる。
このように詠唱を簡略化することで、発動までの時間を早くすることができる。
その代わり、術式の存在強度と品質が失われ、作り出した短剣の持続力、耐久性等が低下することになる。
他人に手渡すには、やや不安が残る状態だろう。
手渡したとして、私でも3分程度が限界になる。普通の魔術師ならば1分持てば良い方ではないだろうか。
しかしそれでも手放さずに、自分の手で武器や道具として使うには十分な強度と性能を発揮できる。
次に。
「『木葉短剣』!!」
上記のように、さらに1工程短縮することもできる。
その場合には、必ず②の固有節を省く。
つまり、術式名称節のみを残す。
これは詠唱に関してだけではなく、言霊、自己と世界への暗示として、『名前』が一番の意味と強度を持っているからだ。
名前とは、その一言で全ての説明を省き、その内容が何であるかを解らせる強い力がある。それは魔術や魔法においても同じだ。
そして、術式名称節の部分を、『術式宣言』とも言う。
しかし名称のみでの詠唱は、品質の担保も一部になる。
二度、三度斬りつければ、刃は毀れ、砕け散るだろう。
そしてついに、全ての詠唱を省けば、ノータイムの『無詠唱発動』になる。
これが行えるのが、詠唱型魔術師の最大の利点である。
けれど、名称宣言すら省いた術式は、かなり脆弱だ。
この状態で、魔術としての形を保持させるためには、術師として並大抵ではない技量、才能、鍛錬が必要だろう。
普通の魔術師では、ろくに満足な効果が得られないに違いない。
少しでも余裕があるなら、なるべく術式宣言だけは行う方が良い。
無詠唱発動は、それすらも間に合わない状況などに留めるべきだ。
例えば。
目前に迫る刃を弾くために、短剣を作り出す等の咄嗟の判断による緊急手段。
瞬時に作り出した短剣を連続で投げつける場合。
あえて魔術の品質を下げたい場合。
言葉が発せられない状態の時。
術の発動を悟らせない奇襲目的。
どちらにせよ、これらは私が構築した一例に過ぎないものだ。
参考程度にとどめておく程度にしてほしい。
いくつか他の術式詠唱も掲載しておく。
火属性/防御用/下級難度術式【『炎の壁』】
「木を糧に起こり、灰燼、土に復す――、立ち上がれ、火炎の防壁――『炎の壁』!!」
土属性/攻撃用/初級難度術式【『石片の散弾』】
「火に紛れ、残心、金に倣わす――、爆ぜよ、玉石の飛礫――『石片の散弾』!!」
金属性/汎用/※中級難度術式【『金剛大剣・神器』】
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風属性/攻撃用/最上級難度術式【『風の大災害』】
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