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【第二章】――大魔王のおしごと――
八輝将たち
広間には、魔王軍の幹部8人、……つまり、世界各地の拠点七カ所を守護する、拠点管理官達が、待機していた。
といっても、8人全員が集まっているわけでは無い。
数人の姿が見えないのは、本来の職務が忙しいからだろう。
そして大広間から、幹部以外の部下も完全に排除されている。
整列し傅いた状態の幹部達から、マナ様、大魔王様、と嬉々としてあがる声をしり目に。
私は、広間に鎮座する趣味の悪いおっきな玉座に座る。
足の裏が地面につかないので、踏み台付きだ。恥ずかしい。再設計してほしい。
いや、でも一度、子供用のようなちっちゃい玉座に交換された時があったのを思い出した。むしろあれは幼児用のような可愛い装飾とデザインで、あれはあれで、釈然としなかったのだ。だから今の玉座に戻してもらったのだった。
黒くダークな雰囲気の城なのに、あんな白くて薄ピンクだらけの椅子なんて、よけい恥ずかしいんだもの。
まぁそれは良いとして。
側近役の魔王とミラが、玉座の傍に左右に分かれて侍る形を取り、いつもの集会の配置が完成する。
幹部たちは既に、私が玉座に座ると同時に頭を垂れ、忠誠の意志を示している。
植物系の魔族と神霊のハーフ。
人化形態の炎竜帝
氷城の姫君。
外套に身を隠す影。
そして魔王城の守護統括の神器製不定形魔法生物。
皆の姿を見渡し、私は魔王に目配せをする。
「『八輝将』一同、面を上げよ」
魔王の言葉に、集まった幹部、5名が顔をあげる。
「第三、第四、第六の将は、今回、不参加を表明しております」
「そう」
幹部たちには大事な仕事を任せてある、そちらを優先するのは当然の事。
私は何の感想も覚えず、次を促す。
「各所の状況はどう? 問題ない?」
「今のところ、なんらかの異常や問題は上がっておりません、大魔王様。――ただ、各将の報告を総合しますと、各地の人族たちが近隣の魔物討伐に力を入れ始めた、という話が出ています。しいてあげるなら、ですが……」
なるほど。
近年は人族たちも、魔法への理解や技術力が上がってきているらしい。
魔物を狩ることで、魔法に関わる生体素材が手に入ることに気づき始めたのかもしれないわね。
「それ、一番人族の進行度が高いのはどの地域だか解る?」
「現在のところ、人族の介入が多い地域は『第3拠点』、次いで『第1拠点』となっております」
「第3……、ヴィヴィアンの拠点ね」
ヴィヴィアンは今回不参加の魔族で、確か、砂漠とその地下遺跡が守護領域だった筈。少し気に留めておいたほうが良いかもしれない。
私はそう思いつつ。
「他になにかあれば、直ちに報告してちょうだい?」
「はっ」
皆の短い返事が響く。
そんな幹部たちには、世界七カ所に点在する、先代世界樹の残した巨大な魔素結晶――創世輝晶を守護してもらっている。
古の時代に砕け散り、自己が放った超濃度の『瘴気』を、再び取り込んで再結晶化した創世輝晶は、もはやただの結晶ではなく、星の力を封じ込めた、爆弾に等しい代物だ。
それが、人族たちの手に渡れば、世界の崩壊を招く可能性がある。
その重要拠点を、『八輝将』の一同に管理してもらっているわけだ。
もともと先代世界樹を壊したのは魔王なんだから、責任をとってもらわないと行けないじゃない? ということで、魔王軍の最大の職務は、いまのところソレというわけ。
報告が終わったなら、後は予定通り。
皆の魔法に対する進捗を聞かせて頂きましょうか。
ついでに、ひとりひとりその姿を確かめ、私の曖昧な記憶を呼び覚ます事にしましょう。
といっても、8人全員が集まっているわけでは無い。
数人の姿が見えないのは、本来の職務が忙しいからだろう。
そして大広間から、幹部以外の部下も完全に排除されている。
整列し傅いた状態の幹部達から、マナ様、大魔王様、と嬉々としてあがる声をしり目に。
私は、広間に鎮座する趣味の悪いおっきな玉座に座る。
足の裏が地面につかないので、踏み台付きだ。恥ずかしい。再設計してほしい。
いや、でも一度、子供用のようなちっちゃい玉座に交換された時があったのを思い出した。むしろあれは幼児用のような可愛い装飾とデザインで、あれはあれで、釈然としなかったのだ。だから今の玉座に戻してもらったのだった。
黒くダークな雰囲気の城なのに、あんな白くて薄ピンクだらけの椅子なんて、よけい恥ずかしいんだもの。
まぁそれは良いとして。
側近役の魔王とミラが、玉座の傍に左右に分かれて侍る形を取り、いつもの集会の配置が完成する。
幹部たちは既に、私が玉座に座ると同時に頭を垂れ、忠誠の意志を示している。
植物系の魔族と神霊のハーフ。
人化形態の炎竜帝
氷城の姫君。
外套に身を隠す影。
そして魔王城の守護統括の神器製不定形魔法生物。
皆の姿を見渡し、私は魔王に目配せをする。
「『八輝将』一同、面を上げよ」
魔王の言葉に、集まった幹部、5名が顔をあげる。
「第三、第四、第六の将は、今回、不参加を表明しております」
「そう」
幹部たちには大事な仕事を任せてある、そちらを優先するのは当然の事。
私は何の感想も覚えず、次を促す。
「各所の状況はどう? 問題ない?」
「今のところ、なんらかの異常や問題は上がっておりません、大魔王様。――ただ、各将の報告を総合しますと、各地の人族たちが近隣の魔物討伐に力を入れ始めた、という話が出ています。しいてあげるなら、ですが……」
なるほど。
近年は人族たちも、魔法への理解や技術力が上がってきているらしい。
魔物を狩ることで、魔法に関わる生体素材が手に入ることに気づき始めたのかもしれないわね。
「それ、一番人族の進行度が高いのはどの地域だか解る?」
「現在のところ、人族の介入が多い地域は『第3拠点』、次いで『第1拠点』となっております」
「第3……、ヴィヴィアンの拠点ね」
ヴィヴィアンは今回不参加の魔族で、確か、砂漠とその地下遺跡が守護領域だった筈。少し気に留めておいたほうが良いかもしれない。
私はそう思いつつ。
「他になにかあれば、直ちに報告してちょうだい?」
「はっ」
皆の短い返事が響く。
そんな幹部たちには、世界七カ所に点在する、先代世界樹の残した巨大な魔素結晶――創世輝晶を守護してもらっている。
古の時代に砕け散り、自己が放った超濃度の『瘴気』を、再び取り込んで再結晶化した創世輝晶は、もはやただの結晶ではなく、星の力を封じ込めた、爆弾に等しい代物だ。
それが、人族たちの手に渡れば、世界の崩壊を招く可能性がある。
その重要拠点を、『八輝将』の一同に管理してもらっているわけだ。
もともと先代世界樹を壊したのは魔王なんだから、責任をとってもらわないと行けないじゃない? ということで、魔王軍の最大の職務は、いまのところソレというわけ。
報告が終わったなら、後は予定通り。
皆の魔法に対する進捗を聞かせて頂きましょうか。
ついでに、ひとりひとりその姿を確かめ、私の曖昧な記憶を呼び覚ます事にしましょう。
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