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第一章 終わりの始まり
修復できない心
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僕は病院から退院したその日に夜にベランダで夜空を眺めることにした。
まだ生活がリアルに感じられないから体がまだふわふわしている感覚がある。
昔よりマシといったらマシだ。それだけは確かだ。
星の知識はあったからいろんな星座を次から次へと見つける。
『どの面を親に向けてんだよ』
『自尊心なんて捨てちまいな。そんなんじゃ周りの人に嘲笑われるだけよ』
昔親に言われた言葉を思い出した。
「うっ……」
そんな呻き声を漏らしながら、胸を押さえた。
気持ちが悪かった。
親は今でも醜悪な存在だと思っている。
逃げたときはすごく疲れた。解放感はあったけど、疲れていた。
そんな僕を追いかけてきた時に誰かが化け物と成り果てた親から守ってくれた気がした。
その人の顔を覚えていない。
お礼言いたいなと今思い出した。
それからその夜空の下で色々とやりたいことをやった。
学校に行かない日とかは基本は女子服だからパジャマも女子服を着ている。
僕が孤児院に入ってから、親は消息を絶ったと聞かされている。
そのことについてもどういうことかと思っている。
今はお姉ちゃんたちは自分の部屋で寝ている。
明日は土曜日で学校もないからずっとこの空を眺めている。
残月が僕の目に写る。
僕は明け方に寝て、昼間に起きた。
屋上にいることには気づいてもらえず、ずっと屋上で寝ていたみたいだった。
肌寒くて、くしゃみをしてしまった。
風邪を完全に引いてしまう前に僕は自分の部屋に戻って、着替えた.
リビングに行くと、心配した顔で
「どこいたの」
「ベランダでちょっと」
「心配するじゃない」
「ごめん」
僕は買い物に行った。
可愛い服とかが売られている服屋にはこの格好でしか行けないから僕は買いたいものをたくさん買うことにした。
そして、帰り道人気の多いところで誰かにまさか触られた気がした。
やっぱり、可愛すぎるからかな。可愛いって犯罪だなと思っていて、叫ぶのを忘れていた。
そうしていたらみたことのある人がとある男の人の手を握っていた。
「ねえ、君さっき痴漢していたよね」とその男の人を僕の近くに立たせた。
「おい、何だよ。謝れっていうのか」
僕は可愛い声じゃなくて、普段の声で
「女の子じゃなくてごめんね」と言ってみた。
その声を聞くと、男が驚いた。
「男かよ、紛らわしい」そう言って、走り去ってしまった。
「行ったね」
そう言って、その人は僕の方を見た。
「朝比奈さん」
「君、女装したら本当に可愛いね」
「今日は服屋の帰りです」
「そうなんだね、今日は仕事があるから君とはおしゃべりできないよ」
「そうなんですね、じゃあまた」
「じゃあね」
そう言って、朝比奈さんはどこかに行ってしまった。
その後ろ姿はあの日助けてくれた人に似てた気がした。
気のせいかなと思いながら僕は家に帰った。
家に帰ってみるとそこには翔太や祐希がきていた。
ちょっと意外だった。
そして、向かい合わせに雫お姉ちゃんと遥お姉ちゃんが座っていた。
「ただいま」とちょっと驚いた声で言った。
「おかえり」と四人全員が言ってくれた。
「本当に女子三人って思えてしまうほど、女子だな」と翔太が言った。
「ありがと」本当に嬉しかった。
それから五人で夕食を食べに行くことにした。
すごく楽しみにスキップしながら僕は先頭を歩いた。
「そこ左ね」と後ろで祐希が教えてくれる。
僕はその通りに動く。
でも、足が早く動くのをやめない。
本当に僕は楽しみにしてるんだなと思いながらスキップしている。
そこはビュッフェスタイルの店だった。
僕はしっかりとバランスを考えて、食事を取ることにした。
みんなで話しながら食べた。
こうやって僕の大切な人たちと話せるとか幸せすぎるでしょ。
昔の僕に許されなかった幸せが今目の前にあることは本当に嬉しいことだった。
こんな時間がいつまでも続いたらいいのにな。
そんなことばかりを頭の中で思っていた。
僕はある程度食べた。
翔太お兄ちゃんとか祐希はお腹いっぱい食べていた。
雫お姉ちゃんや遥お姉ちゃんはそれなりに食べていた。
こんな日が続いてほしいと思っていた。
でも、そんな思いは瞬時にぶち壊れてしまった。
信号待ちの僕は後ろから押されてしまって、身体が車にぶつかって宙を舞った。
運転者は車を急停止させ、僕を揺すってくれた。
目の前がぼやけてしまって、誰の声も聞こえなくなってしまった。
ああ、そうか。
やっぱり許されないんだ。僕が幸せになることは許されていないんだと思いながら僕は僕を呼ぶ声を四つ聞きながら目を閉じてしまった。
まだ生活がリアルに感じられないから体がまだふわふわしている感覚がある。
昔よりマシといったらマシだ。それだけは確かだ。
星の知識はあったからいろんな星座を次から次へと見つける。
『どの面を親に向けてんだよ』
『自尊心なんて捨てちまいな。そんなんじゃ周りの人に嘲笑われるだけよ』
昔親に言われた言葉を思い出した。
「うっ……」
そんな呻き声を漏らしながら、胸を押さえた。
気持ちが悪かった。
親は今でも醜悪な存在だと思っている。
逃げたときはすごく疲れた。解放感はあったけど、疲れていた。
そんな僕を追いかけてきた時に誰かが化け物と成り果てた親から守ってくれた気がした。
その人の顔を覚えていない。
お礼言いたいなと今思い出した。
それからその夜空の下で色々とやりたいことをやった。
学校に行かない日とかは基本は女子服だからパジャマも女子服を着ている。
僕が孤児院に入ってから、親は消息を絶ったと聞かされている。
そのことについてもどういうことかと思っている。
今はお姉ちゃんたちは自分の部屋で寝ている。
明日は土曜日で学校もないからずっとこの空を眺めている。
残月が僕の目に写る。
僕は明け方に寝て、昼間に起きた。
屋上にいることには気づいてもらえず、ずっと屋上で寝ていたみたいだった。
肌寒くて、くしゃみをしてしまった。
風邪を完全に引いてしまう前に僕は自分の部屋に戻って、着替えた.
リビングに行くと、心配した顔で
「どこいたの」
「ベランダでちょっと」
「心配するじゃない」
「ごめん」
僕は買い物に行った。
可愛い服とかが売られている服屋にはこの格好でしか行けないから僕は買いたいものをたくさん買うことにした。
そして、帰り道人気の多いところで誰かにまさか触られた気がした。
やっぱり、可愛すぎるからかな。可愛いって犯罪だなと思っていて、叫ぶのを忘れていた。
そうしていたらみたことのある人がとある男の人の手を握っていた。
「ねえ、君さっき痴漢していたよね」とその男の人を僕の近くに立たせた。
「おい、何だよ。謝れっていうのか」
僕は可愛い声じゃなくて、普段の声で
「女の子じゃなくてごめんね」と言ってみた。
その声を聞くと、男が驚いた。
「男かよ、紛らわしい」そう言って、走り去ってしまった。
「行ったね」
そう言って、その人は僕の方を見た。
「朝比奈さん」
「君、女装したら本当に可愛いね」
「今日は服屋の帰りです」
「そうなんだね、今日は仕事があるから君とはおしゃべりできないよ」
「そうなんですね、じゃあまた」
「じゃあね」
そう言って、朝比奈さんはどこかに行ってしまった。
その後ろ姿はあの日助けてくれた人に似てた気がした。
気のせいかなと思いながら僕は家に帰った。
家に帰ってみるとそこには翔太や祐希がきていた。
ちょっと意外だった。
そして、向かい合わせに雫お姉ちゃんと遥お姉ちゃんが座っていた。
「ただいま」とちょっと驚いた声で言った。
「おかえり」と四人全員が言ってくれた。
「本当に女子三人って思えてしまうほど、女子だな」と翔太が言った。
「ありがと」本当に嬉しかった。
それから五人で夕食を食べに行くことにした。
すごく楽しみにスキップしながら僕は先頭を歩いた。
「そこ左ね」と後ろで祐希が教えてくれる。
僕はその通りに動く。
でも、足が早く動くのをやめない。
本当に僕は楽しみにしてるんだなと思いながらスキップしている。
そこはビュッフェスタイルの店だった。
僕はしっかりとバランスを考えて、食事を取ることにした。
みんなで話しながら食べた。
こうやって僕の大切な人たちと話せるとか幸せすぎるでしょ。
昔の僕に許されなかった幸せが今目の前にあることは本当に嬉しいことだった。
こんな時間がいつまでも続いたらいいのにな。
そんなことばかりを頭の中で思っていた。
僕はある程度食べた。
翔太お兄ちゃんとか祐希はお腹いっぱい食べていた。
雫お姉ちゃんや遥お姉ちゃんはそれなりに食べていた。
こんな日が続いてほしいと思っていた。
でも、そんな思いは瞬時にぶち壊れてしまった。
信号待ちの僕は後ろから押されてしまって、身体が車にぶつかって宙を舞った。
運転者は車を急停止させ、僕を揺すってくれた。
目の前がぼやけてしまって、誰の声も聞こえなくなってしまった。
ああ、そうか。
やっぱり許されないんだ。僕が幸せになることは許されていないんだと思いながら僕は僕を呼ぶ声を四つ聞きながら目を閉じてしまった。
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