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第二章 背中に貼られたレッテル
刻まれた思い出
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私、東雲遥は今呼吸をしてないと意識が壊れそうだった。
今までで一番荒い呼吸だったためか、肺あたりがすごく痛かった。
でも、今はそれどころじゃない。
一緒に信号が青になるのを待っていたら、律が道路の方に行ってしまった。
そして、トラックにはねられた。
一瞬のことだったから驚いた。
今は病院で入院している。
幸い死ぬことはなかった。そこまではよかった。
強い衝撃が体に走り、体の感覚が今はない状態だ。
五感は生きているからお喋りはできる状態だった。
本当に私は今の律を直視することができない。
この日はよなよな泣いた。
泣き疲れるなんて概念をぶっ壊して泣き続けた。
帰ってから、兄弟みんなに会えてよかったねと言ってあげたかった。
雫ちゃんにも今日は一人にしてと言って、自分の部屋にいる。
今日から三日間は検査をしながらベッドで生活して、それからはリハビリをしながら入院を続けることになっている。
この気分が晴れることはまず、無いだろう。
私はこのことを学校に報告するために電話ではなく、歩いて学校に向かった。
桐谷先生はこのことを聞いて、どう思うか。
私はビクビクしながら訪問者の名札をつけて校内に入った。
職員室に私は入った。緊張していて倒れそうな程だった。
三回ノックして、入る。
「あの、すみません。一年二組の愛川律の保護者です。桐谷先生は今……」
続きを言おうとしたら、
「はい、私が桐谷です」と横から桐谷先生が来た。
桐谷先生が私の顔を見た瞬間に
「りっくんに何かありました」そう聞いてきた。
この桐谷先生は私の頃からいて、今は三十路を越しているからこそ頼りになる先生だ。
途切れ途切れになりながらも答えた。
「あの…律が昨日に車に轢かれてしまって……入院しています。二学期が始まる頃には……復帰はできそうですが、今は……」
そう言っていると涙が溢れてしまった。
その場に私は座り込んでしまっていた。
それを夏川先生が背中をさすってくれた。
先生だから、細かいことには配慮して、職員室の奥から出てきていた夏川先生がさっと横に座った。
夏川先生に会うのは久しぶりだったけど、今は夏川先生との再会を喜んでいる場合じゃなかった。
そのまま保健室に私は夏川先生と行った。
「大丈夫?遥ちゃん」夏川先生の名前は夏川杏。私の小さい頃からの友だちいわゆる幼馴染だ。
そして、その杏ちゃんは今はこの学校では保健室の先生をしている。
「りっくんが入院してるの?」そう優しく聞いてくれる。
私が首を縦にコックリ頷いた。
「そっか、そうだよね。一応義弟だから結婚できるんだよね。だからりっくんが死んでしまうとこれから天涯孤独になっちゃうね」
いきなり結婚と言い出して、驚いた。
一応思い当たる節があるが、聞いてみた。
「何で結婚って言葉が出てくるのよ」
それに対して、杏が怯まずに答えた。
「だって、りっくんを拾ったのを私に伝えた時に『めっちゃ可愛いし、カッコいい。私のタイプかも。彼が大きくなったら、結婚してもらおうかな?』」
私の真似(『』のところ)をしてまで言ってきたのに対して、言い出せなかった。
昔から本当に杏に言ったことだったから仕方がない。
実は拾った頃から律のことが密かに好きだった。
でも、やっとりっくんはお兄ちゃんや双子のお姉ちゃんや弟にあえた。
だから、私と結婚するよりも血縁者と一緒に暮らしたほうが幸せになると思っていることを杏に言ってみた。
すると杏が真面目な顔をして言った。
「それが一番まともな幸せのなり方かもしれない。あなたはどうかわからないけど、私はこれまで一緒に生活してきた人のことを急に忘れろって言われると私なら簡単に忘れられないし、逆に離れたくない。」
そう言われて思い出した。
わたしと雫ちゃんとりっくん三人で一緒に住もうと話しているところを勘違いしてりっくんが聞いてしまって、自傷してまで一緒にいようとした。
そうだったんだ。そりゃそうだよね。
ずっと一緒にいたら私だって離れたくない。ずっと側にいてほしいと思う。
「ありがと。杏、じゃあ、今日は帰るね」
「うん、バイバイ」
私はやっと想いが見つかった気がした。
帰ってから、一応仕事でやり残しがあったからそれをやることにした。
仕事と言っても、在宅ワークの続きだ。
パソコンを立ち上げ、学校に行くまでに作っていた資料を一通り見直した。
やっぱり律がいないと日常感がない。
律がいないと頑張れる気が全くしない。
今はどうでもいい。本当に何も乗り気になれなかった。
趣味で書いていた絵をSNS上にアップしているとクリエイターさんに評価されていて、今では私の絵がMVに使われていたりする。
それでとあるご要望が書かれていたので、それに沿って絵を描くことにした。
〈希望を完全に失ってしまって、泣き崩れた少女のイラストを描いてください〉とこの頃有名なクリエイターさんに言われていたのでそれを書くことにした。
三時間くらいかかってその絵を描いて、その人に送った。
もう何もやることは見つからなかった。
私はいつも通り酒を飲むことにした。
飲んで、飲んで、飲んだ。
その分、私は酒に飲まれてしまった。
酔った勢いで私は自分の腹を思いっきり殴った。
殴って、殴って、殴った。
ズタボロになってしまった。
泣き腫らしてできた顔で鏡の前に立った。
そこに映ってたのは服がちょっとずれていて、お酒の酔いと泣き腫らしたために赤色に染まった私の顔。
さっき描いた絵に私が似ていた。
意識もしてないのに何故か似ていた。
それを考える余裕なんて私には残っていなかった。
そんな中、前から明日に行われると決まっていた同窓会の準備をすることにしていた。
私は昔は浮いてもいなくて、いじめられてもいなかった普通の人間だった。
それでも話す相手が少なかった毎日だった。
行こうか、行かないかでかなり迷ってしまった。
でも、せっかく誘ってくれたんだし行こうと思って私は服を探し始めた。
その時に、杏や小田こはねと後で買い物することにした。
杏はさっき会ったけど、こはねと会うのは久しぶりだった。
あんまり乗り気ではなかったけど、気分晴らしに行くことにした。
今までで一番荒い呼吸だったためか、肺あたりがすごく痛かった。
でも、今はそれどころじゃない。
一緒に信号が青になるのを待っていたら、律が道路の方に行ってしまった。
そして、トラックにはねられた。
一瞬のことだったから驚いた。
今は病院で入院している。
幸い死ぬことはなかった。そこまではよかった。
強い衝撃が体に走り、体の感覚が今はない状態だ。
五感は生きているからお喋りはできる状態だった。
本当に私は今の律を直視することができない。
この日はよなよな泣いた。
泣き疲れるなんて概念をぶっ壊して泣き続けた。
帰ってから、兄弟みんなに会えてよかったねと言ってあげたかった。
雫ちゃんにも今日は一人にしてと言って、自分の部屋にいる。
今日から三日間は検査をしながらベッドで生活して、それからはリハビリをしながら入院を続けることになっている。
この気分が晴れることはまず、無いだろう。
私はこのことを学校に報告するために電話ではなく、歩いて学校に向かった。
桐谷先生はこのことを聞いて、どう思うか。
私はビクビクしながら訪問者の名札をつけて校内に入った。
職員室に私は入った。緊張していて倒れそうな程だった。
三回ノックして、入る。
「あの、すみません。一年二組の愛川律の保護者です。桐谷先生は今……」
続きを言おうとしたら、
「はい、私が桐谷です」と横から桐谷先生が来た。
桐谷先生が私の顔を見た瞬間に
「りっくんに何かありました」そう聞いてきた。
この桐谷先生は私の頃からいて、今は三十路を越しているからこそ頼りになる先生だ。
途切れ途切れになりながらも答えた。
「あの…律が昨日に車に轢かれてしまって……入院しています。二学期が始まる頃には……復帰はできそうですが、今は……」
そう言っていると涙が溢れてしまった。
その場に私は座り込んでしまっていた。
それを夏川先生が背中をさすってくれた。
先生だから、細かいことには配慮して、職員室の奥から出てきていた夏川先生がさっと横に座った。
夏川先生に会うのは久しぶりだったけど、今は夏川先生との再会を喜んでいる場合じゃなかった。
そのまま保健室に私は夏川先生と行った。
「大丈夫?遥ちゃん」夏川先生の名前は夏川杏。私の小さい頃からの友だちいわゆる幼馴染だ。
そして、その杏ちゃんは今はこの学校では保健室の先生をしている。
「りっくんが入院してるの?」そう優しく聞いてくれる。
私が首を縦にコックリ頷いた。
「そっか、そうだよね。一応義弟だから結婚できるんだよね。だからりっくんが死んでしまうとこれから天涯孤独になっちゃうね」
いきなり結婚と言い出して、驚いた。
一応思い当たる節があるが、聞いてみた。
「何で結婚って言葉が出てくるのよ」
それに対して、杏が怯まずに答えた。
「だって、りっくんを拾ったのを私に伝えた時に『めっちゃ可愛いし、カッコいい。私のタイプかも。彼が大きくなったら、結婚してもらおうかな?』」
私の真似(『』のところ)をしてまで言ってきたのに対して、言い出せなかった。
昔から本当に杏に言ったことだったから仕方がない。
実は拾った頃から律のことが密かに好きだった。
でも、やっとりっくんはお兄ちゃんや双子のお姉ちゃんや弟にあえた。
だから、私と結婚するよりも血縁者と一緒に暮らしたほうが幸せになると思っていることを杏に言ってみた。
すると杏が真面目な顔をして言った。
「それが一番まともな幸せのなり方かもしれない。あなたはどうかわからないけど、私はこれまで一緒に生活してきた人のことを急に忘れろって言われると私なら簡単に忘れられないし、逆に離れたくない。」
そう言われて思い出した。
わたしと雫ちゃんとりっくん三人で一緒に住もうと話しているところを勘違いしてりっくんが聞いてしまって、自傷してまで一緒にいようとした。
そうだったんだ。そりゃそうだよね。
ずっと一緒にいたら私だって離れたくない。ずっと側にいてほしいと思う。
「ありがと。杏、じゃあ、今日は帰るね」
「うん、バイバイ」
私はやっと想いが見つかった気がした。
帰ってから、一応仕事でやり残しがあったからそれをやることにした。
仕事と言っても、在宅ワークの続きだ。
パソコンを立ち上げ、学校に行くまでに作っていた資料を一通り見直した。
やっぱり律がいないと日常感がない。
律がいないと頑張れる気が全くしない。
今はどうでもいい。本当に何も乗り気になれなかった。
趣味で書いていた絵をSNS上にアップしているとクリエイターさんに評価されていて、今では私の絵がMVに使われていたりする。
それでとあるご要望が書かれていたので、それに沿って絵を描くことにした。
〈希望を完全に失ってしまって、泣き崩れた少女のイラストを描いてください〉とこの頃有名なクリエイターさんに言われていたのでそれを書くことにした。
三時間くらいかかってその絵を描いて、その人に送った。
もう何もやることは見つからなかった。
私はいつも通り酒を飲むことにした。
飲んで、飲んで、飲んだ。
その分、私は酒に飲まれてしまった。
酔った勢いで私は自分の腹を思いっきり殴った。
殴って、殴って、殴った。
ズタボロになってしまった。
泣き腫らしてできた顔で鏡の前に立った。
そこに映ってたのは服がちょっとずれていて、お酒の酔いと泣き腫らしたために赤色に染まった私の顔。
さっき描いた絵に私が似ていた。
意識もしてないのに何故か似ていた。
それを考える余裕なんて私には残っていなかった。
そんな中、前から明日に行われると決まっていた同窓会の準備をすることにしていた。
私は昔は浮いてもいなくて、いじめられてもいなかった普通の人間だった。
それでも話す相手が少なかった毎日だった。
行こうか、行かないかでかなり迷ってしまった。
でも、せっかく誘ってくれたんだし行こうと思って私は服を探し始めた。
その時に、杏や小田こはねと後で買い物することにした。
杏はさっき会ったけど、こはねと会うのは久しぶりだった。
あんまり乗り気ではなかったけど、気分晴らしに行くことにした。
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