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強面同盟
「アメリア様。あなたにお聞きしたいことがあるの」
「なんでしょう」
するどい目で見られたが負けてなるものか。静かにエイダ様を見返した。
「リックメラー公爵との馴れ初めを教えてくださらない?」
「は?」
エイダ様の言葉がうまく呑み込めなかった。何か裏があるのか、それとも純粋に聞いているのかが分からない。
「政略結婚ですが……」
「まあ! でも公爵はアメリア様にメロメロってお聞きしたわよ。アメリア様はどうなの?」
まさかの普通に恋バナだった。これは答えなくてはいけないのだろうか。見ると質問したエイダ様はもちろんのこと、エミリア様まで瞳を輝かせている。サマンサ様も興味津々のようだ。
「ええと、わたくしもお慕いして……おります」
最後は消え入るような声になってしまった。恥ずかしさに耐えながらもなんとか言い切った私を、誰か褒めてほしい。
「まああああああ!」
きゃいきゃいと女子らしくはしゃいでいるのが微笑ましくもあるが、ほんともう勘弁して欲しい。
「でもねアメリア様。公爵はそのう……お顔があれでしょ? それで……」
「変わっていると思われるかもしれませんが、わたくしルイス様のお顔が好みですの」
「まあああああああ! やっぱり!」
聞けばエイダ様を始め、残りのお二人もその……あまり言いたくないけどつまり怖いお顔が好みらしく、それについて話がしたいとこのメンバーでのお茶会を計画したのだとか。私のことは夜会での件が噂になっており、真偽を確かめるために招待したのだそう。そういえばこの三人とは夜会で会わなかったわね。
「それでね。わたくしたちで強面同盟を作ろうかと思って」
「強面同盟?」
「そうよ。特殊な好みで誰にも理解してもらえない。それでも誰かと喋りたい。そしてあわよくば強面の良さを広めたいの!」
それからはお茶会と言うよりも女子会になり、大変盛り上がった。
「いつも怖いお顔なんですけど、それが崩れる瞬間の可愛さったら──」
「照れている時なんか最高ですわよね」
「たまに出る笑顔が貴重で──」
「わたくしだけに見せてくれるんですの──」
その後はファッションやインテリアの話になったりして、大変楽しかった。妹がいたらこんな風だったかな、なんて思ったりもした。そして再びお茶の話に戻った時、サマンサ様がおっしゃった。
「うちの領地のお茶もなかなかですのよ。隣国から仕入れたお茶とブレンドして、フレイバーをつけてあるものですの。今度お持ちいたしますわ」
そういえばこれは内緒にして欲しいのですけど、と前置きしてから声を潜め、改めてサマンサ様が話し始めた。
「隣国といえば、最近怪しげな薬草がこの国に密輸されているらしいんですの」
小耳に挟んだんですけれどもとおっしゃっているが、つまりは盗み聞きのようである。
「怪しげとは? 毒みたいなものですか?」
「詳しくは分からないのですけど、蔓延したらまずいことになると夫が言っておりましたわ」
サマンサ様の旦那様は、国境を守る南方将軍でもある。ただその話を聞いても私達にできることはほぼない。情報として頭の片隅に置いておくぐらいしかないだろう。
最後の話でその場が少し暗くなってしまったが、また会う約束をして帰途についた。
「なんでしょう」
するどい目で見られたが負けてなるものか。静かにエイダ様を見返した。
「リックメラー公爵との馴れ初めを教えてくださらない?」
「は?」
エイダ様の言葉がうまく呑み込めなかった。何か裏があるのか、それとも純粋に聞いているのかが分からない。
「政略結婚ですが……」
「まあ! でも公爵はアメリア様にメロメロってお聞きしたわよ。アメリア様はどうなの?」
まさかの普通に恋バナだった。これは答えなくてはいけないのだろうか。見ると質問したエイダ様はもちろんのこと、エミリア様まで瞳を輝かせている。サマンサ様も興味津々のようだ。
「ええと、わたくしもお慕いして……おります」
最後は消え入るような声になってしまった。恥ずかしさに耐えながらもなんとか言い切った私を、誰か褒めてほしい。
「まああああああ!」
きゃいきゃいと女子らしくはしゃいでいるのが微笑ましくもあるが、ほんともう勘弁して欲しい。
「でもねアメリア様。公爵はそのう……お顔があれでしょ? それで……」
「変わっていると思われるかもしれませんが、わたくしルイス様のお顔が好みですの」
「まあああああああ! やっぱり!」
聞けばエイダ様を始め、残りのお二人もその……あまり言いたくないけどつまり怖いお顔が好みらしく、それについて話がしたいとこのメンバーでのお茶会を計画したのだとか。私のことは夜会での件が噂になっており、真偽を確かめるために招待したのだそう。そういえばこの三人とは夜会で会わなかったわね。
「それでね。わたくしたちで強面同盟を作ろうかと思って」
「強面同盟?」
「そうよ。特殊な好みで誰にも理解してもらえない。それでも誰かと喋りたい。そしてあわよくば強面の良さを広めたいの!」
それからはお茶会と言うよりも女子会になり、大変盛り上がった。
「いつも怖いお顔なんですけど、それが崩れる瞬間の可愛さったら──」
「照れている時なんか最高ですわよね」
「たまに出る笑顔が貴重で──」
「わたくしだけに見せてくれるんですの──」
その後はファッションやインテリアの話になったりして、大変楽しかった。妹がいたらこんな風だったかな、なんて思ったりもした。そして再びお茶の話に戻った時、サマンサ様がおっしゃった。
「うちの領地のお茶もなかなかですのよ。隣国から仕入れたお茶とブレンドして、フレイバーをつけてあるものですの。今度お持ちいたしますわ」
そういえばこれは内緒にして欲しいのですけど、と前置きしてから声を潜め、改めてサマンサ様が話し始めた。
「隣国といえば、最近怪しげな薬草がこの国に密輸されているらしいんですの」
小耳に挟んだんですけれどもとおっしゃっているが、つまりは盗み聞きのようである。
「怪しげとは? 毒みたいなものですか?」
「詳しくは分からないのですけど、蔓延したらまずいことになると夫が言っておりましたわ」
サマンサ様の旦那様は、国境を守る南方将軍でもある。ただその話を聞いても私達にできることはほぼない。情報として頭の片隅に置いておくぐらいしかないだろう。
最後の話でその場が少し暗くなってしまったが、また会う約束をして帰途についた。
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